『花月園メモリアルin川崎2010(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:11月29日


 花月園メモリアルin川崎2010(GIII)はいよいよ佳境の3日目を迎えた。本日のメインは準決勝3個レース。決勝戦進出をかけた戦いは、激しい攻防の連続となった。注目の地元・南関勢は佐々木龍也、白戸淳太郎、岩本俊介と三名が決勝に勝ち名乗り。ほかにも長塚智広、小橋正義らの実力者たちが順当に勝ち上がった。
 最終日も本場ではたくさんのイベントを用意しております。地元選手による開門時のお出迎えや、「松金ようこ」トークショー、抽選で200名様にクオカードが当たる抽選券の配布、抽選で10名様にデジタルカメラが当たる決勝戦優勝者当てクイズなどが行われます。注目の決勝戦をぜひ川崎競輪場でお楽しみください。


<9R>
白戸淳太郎選手
白戸淳太郎選手
三谷将太選手
三谷将太選手
   準決勝は9Rから。中村一将がカマして主導権をにぎると、岡村潤が後方からまくって応戦したが、中村マークの三谷将太が巧くブロックで阻んだ。すると白戸淳太郎(写真)が、ポッカリ空いたインコースを鋭く伸びて一着に。白戸は2センターで内に降りたプレーが審議の対象となったが、セーフの判定を受けてほっと胸をなで下ろす。
 「岡村君のスピードが良くて、乗り越えるだろうなと思って付いていったらあのブロックでしょう。その時、ちょうど宗景(祐樹)君が内に来たのが分かったんで、締めながら前に踏んだら結果的に斬り込むかたちになった。危ない展開でしたし、宗景君の落車も分かったから最後まで気が気じゃなかった。セーフの判定で緊張感が一気に緩みました。何とか最低ノルマ(決勝進出)を達成できました」
 二着の三谷将太(写真)は岡村潤を沈める好プレー。白戸と同様にこちらも審議対象となったが、答えは『問題ナシ』。
 「中村先輩があれだけ駆けてくれたわけだし、番手を任された以上、仕事をするのは当たり前。ただ、やれることはやれたけどブロックするタイミングを含めて反省材料はたくさんある。それでも今回は、10月福井記念での落車後で一番感触よく走れました。記念優参は今年で3回目。気持ちを集中して最後まで頑張る」
 中澤央治は三谷後位から三着を確保した。
 「2センターで後ろに宗景君がいたのがわかったから、目一杯内を締めたらもの凄く重くて。白戸君が斬り込んできたのも分かったし、とにかく余裕が無かったよ。切り抜けた自分を思い切り誉めてやりたいです」
 岡村潤は出脚抜群のパワーまくりを放ったが、三谷に阻まれあえなく力尽きた。
 「中村(一将)さんが五日市(誠)君を叩くのに脚を使っていたはずなので、出切ったところをすかさず叩きたかった。踏み出しの反応も良かったし、ここ最近の中ではもっともスピードが乗った感じでした。それに2センターでは、外々に踏んで三谷君を乗り越えられる自信もありました。悔しいけど、三谷君の気合に負けました」


<10R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
小橋正義選手
小橋正義選手
   岩本俊介(写真)がホームカマシでペースに持ち込むと、そのまま別線をシャットアウト。三番手の松永晃典は着外となったが、マークの佐々木龍也としっかりワンツーを決めた。
 「展開や流れは、ほぼ想定通りに見えていました。とにかく踏み出しは全開で、ペースに持ち込んでからは踏み直しをしっかりと、ポイントに気を配って落ち着いて駆けられました。こんなに予定通り駆けられたのは久々ですよ。少しずつ自信が戻ってきた」
 佐々木龍也は岩本を差しはぐれ思わず苦笑い。
 「抜きに行ったんだけど抜けなかったね。岩本君はカカっていたし強かったですよ。自分は二日目に番手でヘマをしたのがどうしても頭にあって、準決こそはどうにかしようと必死だった。踏み出しにも対応できたし、決勝につながりますね」
 三着には小橋正義(写真)が入線。中団キープの上原龍後位から巧みなコース取りで直線で鋭く伸びた。
 「今は身体に余裕があるから、取るべきコースをしっかり踏めれば伸びるだろうと。今回で言えば、佐々木さんと松永君の間ですよね。迷わずに踏めたし、瞬時の判断も良かったと思います」
 上原龍は「岩本さんが思った以上に踏んだから、車間が空いてしまい詰めるのに脚を使った。追いついた時はもう前がカカっていたしなかなか踏めなかった。力不足ですね」と肩を落とす。
 濱田浩司はまくり不発で圏外へ。
 「岩本君に駆けやすい展開を作ってしまいました。車間は詰まらないし、ああなっては(三着までに)届くのはきつい。前受けを含め、組立てや作戦が失敗でした」


<11R>
佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
松尾淳選手
松尾淳選手
   根田空史が主導権をにぎると、佐藤朋也がすかさず巻き返す。ところが、根田マークの萩原孝之のブロックで佐藤が失速。その際、佐々木雄一(写真)が根田後位にとっさに切り替え、最後は直線で抜け出して快勝。
 「(前を任せた)佐藤(朋也)君は少し焦りすぎていたのかな。けっこう早めに仕掛けたから合わされてしまった。それに萩原(孝之)さんのけん制も効いたでしょうね。自分はもうとにかく好位を狙うしかなかった。根田君ラインの三番手の細川(洋)さんが離れていたのもこっちには都合が良かったです」
 長塚智広は牛山貴広のまくりに乗ると、直線中コースを鋭く伸びた。
 「やっぱり自分でスピードに乗せるよりも人の後ろのほうが楽ですね(笑)。牛山君が早めに仕掛けていれば、もっと違った展開になっていたかもしれませんね。それでも、最後まで落ち着いて踏めたし競走は見えています」
 松尾淳(写真)は牛山―長塚コンビの後位から三着に。久々の記念優参に嬉しさもひとしおだ。
 「牛山君のまくりのスピードが凄くて驚いた。あとは長塚のキレも強烈だったから、付いていてドキドキしました。2センターでちょっと内がゴチャついたし、バックを踏みながらだったんで乗り切れるか不安だったけど、そこは地脚のなせる技(笑)。記念の優参は今年4月高知以来。決勝も楽しみですね」
 根田空史は果敢に風を切ったが、力及ばずに九着と大敗した。
 「何の問題無く踏めたつもりだったんですけどね。強いて敗因を挙げればギアを上げなかった事ですかね。今日は軽く感じたし、道中はずっとスカスカしていた。自分の競走で結果を出せずに悔しいです」
 萩原孝之は「早めに佐藤君が巻き返してきたので、仕事に手間取った。もっと援護できれば良かった」とガックリ。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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