『川崎競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:7月26日


 川崎競輪開設61周年記念「桜夏賞・海老澤清杯」は本日、7月26日が最終日。灼熱のバンクで激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が行われた。注目の決勝は出入りの激しいレースとなり、脚を溜めた坂本亮馬がバックまくりを決めて優勝。4度目の記念Vを果たした。

決勝戦 レース経過
 号砲と同時に筒井敦史が勢い良く飛び出す。目標の松岡健介を迎え入れ、松岡―筒井で前受け。中団には佐藤友和―佐藤慎太郎の東北コンビ、海老根恵太―松坂英司―藤田和彦の南関勢、坂本亮馬―紫原政文の九州コンビが後攻めの形で隊列は落ち着く。
  青板のバック前から坂本がゆっくり上昇。赤板で前団に並びかけると、松岡は3番手まで下げる。併走を嫌った海老根が動いて打鐘で先頭に立つも、その上を佐藤友がすかさず叩いて出る。更にその上を松岡がカマして最終主導権。海老根、佐藤友はこれに合わせて踏み込み、松岡の後位はもつれる。混戦となったところを最終2コーナーから坂本が好回転でまくり上げる。坂本は逃げる松岡を最終4コーナーで捕らえると、そのまま後続を引き離して優勝。坂本マークの紫原は踏み出しで離れてしまい、立て直した海老根が2センターで車を外に持ち出して2着に食い込む。松岡の番手をさばいた佐藤友は3着まで。


坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 この男は本当に強運の持ち主だ。苦手な後ろ攻めとなった坂本亮馬だが、早めに押さえると後は海老根恵太、佐藤友和、松岡健介の自力型同士で叩き合い、絶好のまくり頃。最後は向こうから優勝が転がり込んできた。
 「後ろ攻めは嫌いだから早めに押さえたけど、そこからは皆前々に踏んでくれたんで、これはラッキーだなと。これで神奈川の記念は花月園、平塚と獲って3つ目。相性が良いですね」
 展開に恵まれはしたが、レース前に優勝の予感と自信があった。今節は日に日に調子を上げ、決勝戦は1番良い状態に仕上げていたからだ。
 「今回は練習不足だったんで、毎日朝の指定練習で何本もモガキをやったんです。そうしたら昨日からアタリをつかみました。開催中に体調を修正できたのが大きかったですね。平塚も勝ち上がりはひどかったけど優勝できたし、最近はそれが出来るようになってきました。これで来年のSS班に近づいてきたし、この後もしっかり走りたいですね」と、次の全日本選抜に向けて弾みを付けた。

 海老根恵太は坂本を必死に追ったが2着まで。完全優勝はならず。
 「友和の3番手に入ったけど、後ろに地元2人が付いてるんで先行するつもりで行きました。松岡に出られてしまっては仕方ない。今回は前々に踏めたんで良かったけど、結局は亮馬の展開になってしまったし、決勝に限ってはそれが裏目に出てしまいました」

 佐藤友和は海老根の動きが誤算となった。
 「ホームで松岡さんが来たんで、あとは突っ張るか3番手に入るか考えてたんだけどね。まさか海老根さんが来るとは。あれがなかったら俺の展開だったのにね。優勝できなかったけど、内に包まれても踏めていたし、前々に踏んでの結果だから悔いはないですよ」

 松坂英司は地元優勝はならなかったが、海老根の頑張りに感謝する。
 「恵太は3番手を取ったけど僕らのために無理矢理行ってくれた。ギアを掛けているし、あそこは行きたくない場面だっただろうし。決勝まで乗せてくれたし、今回は恵太の気持ちが嬉しかった」

 逃げた松岡健介は「亮馬が来たから合わせたんだけどね。3コーナーで筒井さんが内に放り込んだときに緩めてしまった。しっかり踏んでおけばよかった。でも、今回は出足も良かったし、踏み直しもしっかりできていた。収穫がありました」と、全日本へ手応えをつかんだ。


ゴール




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