『川崎競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月6日
 川崎競輪場で行われている開設64周年記念「桜花賞・海老澤清杯(G3)」は、いよいよシリーズ後半に突入。3日目はファイナルをかけた準決の3個レースが、雨の中で行われた。11レースでは武田豊樹が4着に敗れる波乱があったが、他のSS班の2人、浅井康太、成田和也は順当に決勝へとコマを進めた。また、一発勝負で行われた「第101回生ルーキーチャンピオン(若鷲賞)」は、武田の弟子の吉澤純平が逃げ切りで優勝。ルーキーチャンプに輝いた。
 本場では最終日も、桜花賞クオカードが抽選で当たるラッキーカード(先着2000名)の配布、アーバンコンサル予想会など、様々なファンサービスでお客様をお待ちしています。また「コージー冨田」爆笑ステージのイベントも予定されています。ぜひ、川崎競輪場へ足をお運びください。
ゴール
ゴール
表彰式
表彰式
<9R>
浅井康太選手
浅井康太選手
小川勇介選手
小川勇介選手
 小埜正義との併走から阿竹智史が打鐘の4コーナーで仕掛けて、最終ホームで主導権。阿竹ラインを追った浅井康太(写真)は、矢口啓一郎と3番手を併走も、2コーナーから踏み出すと楽に前団をとらえて3連勝。無傷の勝ち上がりで決勝に進んだ。
 「体が勝手に動いている訳ではないんですよ。無理やり行っている感じです。もっと自転車が出てくれたら、自信になるんですけど。3連勝ですけど、たまたま。3日間マグレだし、また明日も(笑)。今回はダービーとは同じギア比だけど、前後の枚数が違うんで。その感覚を確かめながら、どっちが合っているのかなって思っている」
 最終ホームで小埜を決めて、中団を確保に出た小川勇介(写真)。浅井との息が合わずに連結を外したが、再度前団を追いかけて3着。
 「いつでも(浅井を)迎えられる用意をしてたけど、行っちゃいましたね。やっぱり日ごろやってないから、(マークは)合わない。練習ではやっているけど、それとも違うんで勉強になりました。浅井君強くて、俺が情けなかった。それだけです…」
 小川が浅井後位にいないのを確認した稲村成浩は、浅井が踏み出した最終2コーナーで巧みにスイッチ。2着に流れ込んだ。
 「矢口君は(浅井を相手に)3番手を確保しようって踏んじゃってましたね。浅井君1車なのは、自分はわかっていたんですけど…。昨日(2次予選)は4着での繰り上がりだし、周りの人たちからはツキがあるって言われてんで。そういう感じがしますね」

<10R>
新田康仁選手
新田康仁選手
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太を制して、渡邉一成が打鐘過ぎから先行策。両者の踏み合いを見ながら新田康仁(写真)は、絶好のポジショニングで3番手を確保。最終2センターからの早めの追い込みで鮮やかに突き抜けた。
 「(渡邉)一成君が思いのほかスイッチ入ってましたね。自分は絶対に中団は取ろうって。地元の藤田(和彦)さんとワンツーを決めたかった。最後はタイミングを取って踏みました」
 同県、同期の渡邉を目標に成田和也が2着。脇本をブロックして番手での仕事ぶりを披露したものの、渡邉の5着に表情がくもる。
 「渡邉君の頑張りに尽きますね。自分は後ろの状態もわかっていたけど、新田さんがいいところで踏んできた。余裕があったんでしょうね。自分は脚の感じは普通だけど、まだまだです」
 打鐘の2センターで成田に大きく弾かれた脇本雄太(写真)。それで万事休すかに思われたが、中団の外併走でじっとこらえて驚異の粘りを見せた。
 「自分だけのレースになって(後ろに)申し訳なかった。あれじゃ(レース内容が)ダメですね。一緒に出ていこうと思ったら、一成さんにものすごいスピードで突っ張られて。(打鐘の)3コーナーのところが一番きつかった。あとは新田さんのところでどうしようって、外にだけは差し込んでいた」

<11R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
大槻寛徳選手
大槻寛徳選手
 打鐘手前の2コーナーで先頭に立った松川高大が、そのまま主導権。武田豊樹と菊地圭尚(写真)の中団取り合いでレースが進むと思われたが、菊地は最終ホームで発進。敢然と松川を叩いて、積極的な組み立てで3着に残った。
 「作戦はあんまり立てずに、流れでって思ってました。松川君がそのまま駆けちゃったら、あそこで勝負って思ってた。でも、(松川が)流したんで。強い相手と戦って残っているんで、悪くない。正直、(ダービーの)疲れも出ている感じもあるけど。勝ち上がって(決勝に乗れば)、また集中もできるんで」
 棟方次郎が離れて、最終バック過ぎには武田豊樹が3番手に。菊地との車間を空けた大槻寛徳(写真)が、落ち着いた立ち回りで後続との距離を計って白星をつかんだ。
 「(菊地)圭尚君が行ってくれたんで。めちゃくちゃ、うれしかった。(武田が)後ろに入ったのは見えていたんですけど、圭尚君の掛かりもよかった。自分も決勝に乗れたってことは、脚の方も仕上がっている」
 武田ラインの3番手から齊藤努が、中割りで鋭く強襲。
 「本当は神山(雄一郎)さんのコースを行きたかったけど。神山さんが先に入っていたし。自分は冷静に。昨日から自転車をいじってセッティングを変えたのもよかったし、体も3日間で今日が一番動いていた。周りを見えていましたね」

<12R>
吉澤純平選手
吉澤純平選手
 一発勝負のルーキーチャンピオンは唯一のS級の三谷竜生を叩いた吉澤純平(写真)が、最終ホームからの先行。後続の反撃をシャットアウトして、師匠武田豊樹の前でチャンピオンに輝いた。
 「(ペースが)ゆるんだら行くって、それだけでした。ジャンくらいなら行ってしまおうって。悔いだけは残さないようにって思っていたし、A級でも無理に(V獲りに)構えて失敗をしてましたから。普段のA級の競走と同じようにって。最後はタレていたし、ゴールしても自分が1着かわからなかった。びっくりしました。(武田の)前で走りたい、それが目標なんで」
 叩かれた三谷竜生は、立て直しまくりで反撃に出るも不発。
 「普通に駆ければよかったけど。ちょっと距離が長いかなって思ってちゅうちょした。こういうレースでもしっかり駆けないと…。自分が弱かった」
 金子幸央と小原唯志が吉澤後位でからんで、その後ろにいた坂本将太郎はじっくりと脚をためてチャンスをうかがう。最終2センターで三谷を弾くと外を伸びたが、吉澤をとらえることはできずに準V。
 「一瞬、夢をみました。内か外かもコースを迷いました。(三谷と)からんでなくても、(吉澤を)抜けてなかったかな…。まだ脚がないんで」
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