『花月園メモリアルin川崎(GIII)レポート』 最終日編

配信日:6月8日
 花月園メモリアルin川崎は6月8日に最終日を迎えた。優勝は松坂英司。松谷秀幸の2コーナーまくりに乗ると直線鋭く抜け出し、嬉しいG3初優勝。同時に節目の200勝を達成した。
決勝戦 レース経過
 スタートで早坂秀悟がいち早く飛び出して誘導の後ろを取った。初手の並びは早坂ー兵藤一也ー原真司、中村一将ー三谷政史ー有賀高士、松谷秀幸ー松坂英司ー大塚玲の順で落ち着いた。
 周回が進み、まずは松谷が動いて赤板で前を押さえると、早坂はしばらくしてから車を下げた。これを見た松谷は、打鐘で誘導を斬って先頭に躍り出る。松谷が流していた所を、今度は中村がカマし気味に叩きに行くと有賀が離れ、3番手に松谷が収まる展開となった。中村が先行態勢に入るなか、早坂もホームから早めにスパートする。しかし、早坂は思いのほか車が伸びず、大塚の横でスピードが鈍った。すると、松谷がバックから先まくりを放ち、これで早坂は力尽きて万事休す。一方、逃げる中村は反撃に合わせて懸命に踏み直すが、松谷がこれを力でねじ伏せた。直線に入り、最後は松坂が交わして節目の200勝でG3初優勝を遂げた。松谷は2着となり、大塚もしっかり3着を確保して地元で上位を独占した。

松坂英司選手
松坂英司選手
 昨年大会は決勝で松谷秀幸を交わせず準優勝に終わった松坂英司。「去年は準決勝を勝ち上がってホッとした」。今年は佐々木龍也に「準優で緊張せず、集中して走れ。勝負はここ(決勝)だから」とアドバイスをもらい、「まさに去年の自分がそうだった」と決勝の大一番に集中していた。
 「着は別として100%を出そう。それだけ考えてました。でも今回は松谷が主役ですね。(決勝で)ラインで決められる。かなり力をつけてる」
 前検日に「気持ちが入ってるし、できるかぎりのことはやってきた」と話した今シリーズは初日から動きが違った。落車も続き、今年はここまでわずか3勝。しかし、「見えない力が働きました」と今シリーズは4日で3勝を挙げた。節目の200勝、そして花月園競輪場の冠がついた大会でG3初優勝を決め、「長かった…」と目を潤ませる場面もあったが、最後は「また頑張ります」と笑顔。松坂らしい鋭いキメ脚が戻り、続く高松宮記念杯へ大きな弾みがついた。

 大会連覇はならなかった松谷秀幸だが、自分のレースをした結果の2着。ラインで上位を独占し、満足げにレースを振り返る。
 「いい展開だったし、優勝したかったですね。でも嬉しいです。アマチュア時代からお世話になってる英司さんが優勝してくれたんで。宮杯につながるレースができたと思います」

 大塚玲も3着に続き、G1初出場の権利をゲットした。
 「よかったです。競輪祭もだけど、これでダービー出場も見えてきた。僕はただ付いてくだけで何もしてないけど、今回は調子もよくて自信になりました。ラインで決まったのが一番嬉しいし、もっと頑張って上を目指します」

 中村一将の逃げに乗った三谷政史は惜しくも5着に敗れた。
 「松谷は後ろにいたんですね。センターくらいから空けようと思ったら、すかさず来たんで。一将さんも3コーナーからすげえ合わせてたけどね。チャンスだったのに、もったいない」

 G3初優勝を狙った早坂秀悟だが、カマシは不発に終わる。
 「中村さんが強かった。けっこう踏まれましたね。狙って負けた訳だから。悔しいけど、力不足です」

ゴール
レインボーカップチャレンジファイナル
田中誇士選手
田中誇士選手
 9Rではレインボーカップチャレンジファイナルが行われた。優勝は2コーナーまくりを決めた田中誇士。番手の落合達彦と同門ワンツーを決めた。
 「5周も初めてに近いんで1回斬ってと考えてました。1センターで岡田(大門)さんが浮いててバック踏んでからだから出が悪かったんだけど、結果的に兄弟子の落合さんとワンツーを決められたんで満足です。上がってからはみんな強いんで先行基本で脚作って頑張っていきたいです」

 離れながらも田中を追った落合達彦が2着。同門でワンツーを決めた。
 「本当はS取りして中団の予定だったが、誇士が落ち着いて仕掛けてくれてよかったです。すべて誇士のお陰です。(4コーナーのあおりで口が空いたが)付いてって差せないと上で勝てないと思ってます。前回の1、2班戦は前々の競走だったけど、次からは自力自在に勝ちにこだわった競走をしたいです」

 大外から好回転で追い込んで森啓が3着に滑り込んだ。
 「内々しか見えてなかったけど、最後は前でゴチャゴチャもつれていたから、まだ外から行っても間に合うと思いました。反省しなきゃいけないところは、たくさんあります。結果は3着だけど、自分で動いてとった3着だから。前回、前々回は流れが悪かったから、これから立て直していきたいです」

 谷口明正の仕掛けに離れた岡田大門はチャンスを生かせず。
 「付いて行けなかったんで、力不足以外の何ものでもない。みんな強いんでしょうがないですね」


ゴール
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