『川崎競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月18日
 川崎競輪開設66周年記念「桜花賞・海老澤清杯(G3)」は、佳境の3日目。準決勝3個レースで、決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。SS班からは浅井康太、深谷知広、平原康多の3人が優出を果たし、脇本雄太、中川誠一郎、地元の桐山敬太郎らの実力者もファイナルに名を連ねた。ビッグレースにも劣らない豪華メンバーによる決勝は、19日の最終日に号砲が鳴らされ、66周年記念の覇者が決まる。
 最終日もイベントが盛りだくさん。「麻倉未稀」スペシャルライブ(6R、9R終了後、西広場ステージにて)や、レース展望会(3R終了後、西広場ステージにて)などを予定しています。注目の決勝戦をぜひ本場でお楽しみください。
<10R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
志智俊夫選手
志智俊夫選手
 中団の川村晃司にフタをした矢野昌彦が、赤板の2コーナーから踏み上げ打鐘過ぎに先行態勢。川村は打鐘の2センターから巻き返すが、3番手の中川誠一郎に合わされ不発に。中川は抜群のスピードで加速するも、熊本コンビを追った桐山敬太郎(写真)が、車間を詰める勢いでまくるとゴール寸前でとらえた。
 「ホームで隙があったらって思ったけど、(前が)踏んじゃったから。その上を川村さんが来てたけど、川村さんもきつかったと思いますよ。自分は落ち着いて対処出来ました。決勝は仲間が欲しかったけど、単騎で。何でもありだし、気合で走ります」
 川村が不発。京都コンビに付けた志智俊夫(写真)は、桐山ライン3番手に切り替え、直線で目の覚めるような鋭脚を発揮して2着に入った。
 「川村君も無理矢理仕掛けて行ったんで、きつかったと思いますよ。ホームで風も強いですし。前の人数と流れで、絶対ダメだと思った。外を踏んで良かったです」
 まくった中川誠一郎は、ゴール前でスピードが衰えるも何とか3着に踏みとどまった。
 「最後の4コーナーから風が強くて失速しました。バックではそんなにかかりが悪くなかったですね。連日、流れに乗れていないけど、今日は最低限動けているので、悪くないです」
 勝瀬卓也は直線で桐山の内に進路を取るも、桐山の後輪に接触し4着。ホーム記念決勝進出は叶わなかった。
 「(桐山に)スピードをもらっているから、外で良かったんだけどね。ちょっと焦ったのかな。しょうがないですね。後は(決勝で地元を)応援します」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
金子幸央選手
金子幸央選手
 青板バックからレースが動き、隊列が目まぐるしく入れ替わる。早坂秀悟が赤板の2コーナーから先頭に立つと、前受けから7番手に下げた深谷知広が打鐘の2センターからカマシに出る。早坂も合わせるが、スピードの違いを見せて深谷が最終1コーナーでレースを掌握。そのまま別線を完封する逃走劇を披露。願ってもない絶好の流れを浅井康太(写真)が、追い込み物にした。
 「初日に(3.)85で走った分、(状態は)上がっている。でも、もうちょいかな。ローラーに乗った感触は良かった。今回は(3.)85と(3.)92を使い分けて走ってますし、いろいろ出来ているんで体自体は動けています。深谷の後ろに付くことで自分の調子もわかるんで」
 連日、抜群のスピードを発揮している深谷知広が、2着に粘って中部SS班でのワンツー。オール連対で3月名古屋記念以来の優出。完全復活とまではいかないが、調子は上向いている。
 「しっかり力を出し切れました。カマシですけど、長い距離を先行して感触もつかめましたし、(バンクが)重い中でしっかり踏み込めた。2着でタイムも出ている。早坂さんには(前回の対戦で)合わされているんで、リベンジも出来ました。初日、2日目は展開もあったけど、(体と新フレームの)両方が徐々に良くなってきていますね。ギアも合ってるし。これでやっとスタートラインって感じです」
 金子幸央(写真)は最終バックから仕掛けるも、前の2人を追い詰めるまでには至らず。それでも後続には飲み込まれることなく3着で、初の記念決勝進出。自然と笑顔がこぼれる。
 「運が良かっただけですね。あれで行き切れば良かったけど、深谷さんまでは行き切れなかった。力不足で神山(拓弥)さんを連れていけなかったのは申し訳ないです。でも、レースが早かったですね。2周半から始まったんで、記念の準決勝は違うんだなって思いました。感触は良いんで、今日はゆっくり休んで、決勝に備えます」
 好調を維持していた近藤隆司は、8番手からまくり追い込みも届かず4着。
 「打鐘のところで早坂君が流してて、まずいと思いました。勇気を持って、そこで仕掛けていれば…。あとは(別線の)前任せになってしまいましたね」

<12R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手
平原康多選手
平原康多選手
 赤板前から平原康多が動き出したが、前受けの松谷秀幸は突っ張り前に出させない。すると、脇本雄太が後方から踏み上げ、打鐘で主導権を握る。松谷は脇本ラインの3番手に飛び付き筒井敦史と併走に。後方で態勢を整えた平原が、最終1センターから仕掛けグングンと加速する。好スピードで前団に迫ったが、番手の稲川翔が強烈なブロックを敢行。平原マークの諸橋愛(写真)は、瞬時の判断で空いたインを突くと、直線を鋭く伸びて勝利した。
 「平原君の(まくりの)出具合を見てと思ってました。そしたら出が良かったんで付いていこうと思ったんですけど…。途中、稲川君の(体の)傾きが尋常じゃなかったんで、ああなると思いました。それで稲川君がもっていく瞬間に内だなって。判断は良かったし、自分も(ブロックで)もっていく方なんで、わかりますよね」
 稲川に張られた平原康多(写真)だったが、直線で立て直し2着に入線。
 「苦しかったですね。何とかイナショー(稲川翔)を越えれて良かったです。G1みたいなメンバーなんで、自分に余裕はないですね。決勝もすごいメンバーだし、見る側に回りたいくらい(笑)。まあ、ずっと準優勝が続いているんで、やることをやって結果が付いてくれば良いですね」
 風を切った脇本雄太は、強靭な粘りを見せ3着に残った。
 「展開に恵まれました。3着に粘れてるのは大きいですけど、タイム的にも(状態は)良くはないですね。もっと修正したいです」
 筒井ともつれたシーンを振り返りながら、松谷秀幸が唇をかむ。結果的に3番手を取り切るも、前の2人との車間が空いて失速の8着。ホームの記念で、決勝を逃して悔しそうな表情を浮かべる。
 「平原を突っ張っていっぱいです。引いて4番手を取って平原と一緒に出て行ったほうが面白かったかもしれませんね。そしたら平原が飛んでたかもしれない。悔しいです…」
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