『川崎競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:4月7日
 川崎競輪場を舞台に開設69周年記念「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」が、4月7日からスタートする。昨年に続いてナイター開催で行われる今シリーズ。浅井康太、武田豊樹らのS級S班をはじめ、昨年の記念を制したホームバンクの郡司浩平ら精鋭が、春の夜を盛り上げる。6日の前検日は、風が舞うバンクの感触を確かめる選手も多く、心地いい汗を流し、7日から始まる激戦に備えた。
 本場では開催中の毎日、先着700人に来場プレゼント、「夢☆ギフト券」の抽選会、選手会ブースにて「脚自慢コーナー」、「アイドルといっしょに!みんなで競輪勉強会」などが行われます。また、7日の初日には「電撃ネットワーク」のお笑いパフォーマンス、「がじゅまる」のお笑いステージ、「川崎市消防音楽隊withカラーガード隊」によるパフォーマンスなども予定されています。川崎競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

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不破将登選手
不破将登選手
 久しく優出がない不破将登(写真)。しかしながら、積極性は取り戻しており、3月岐阜FIを911着など随所で好走を見せている。
 「ラスト200メートルで仕掛けると、かけになるので。それなら相手が掛かりきる前に勝負しようと思っています。良くなってくるとバック数も増えてくるし、最近はちょっとずつバック数も戻ってきていますね。今回は師匠(加藤慎平)も一緒の開催なので、1個でも上のレースで走れたら。脚も問題ないです」
 3月名古屋記念の2日目では、別線を完封して2着に粘った山崎翼。大きい着こそ目立つも、2期目のS級で自信を深めている。
 「少しずつですけど、レースにも慣れてきて戦えるようになってきましたね。前までは自信がなかったけど、連にも絡みだしてきたし、いまは自信を持って挑めています。前回は地元(3月別府FI)だったので、終わってから疲れが出て。ここまでは緩めでやってきました。初日は(連係する加倉正義が1番車なので)位置的にも動きやすいし、しっかり考えたい。まだ記念の一次予選を突破したことがないので頑張りたいです」


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 三谷政史は、滋賀から弟らがいる奈良に移籍。心機一転し、ここから巻き返す。
 「3月20日付けで奈良に移籍しました。びわこ競輪が使えなくなって、一年間(街道を中心に)やったけど。成績も落ちていったし、なにか変えなアカンなと思って。もともと、びわこではバンクを中心に練習していたし、そろそろバンクにも入らないといけないなと思っていたんです。ここまでは、ちゃんと練習をしてきました。状態も大丈夫です」
 高橋大作は2月京王閣FIでV。持ち前の勝負強さを発揮した。
 「(成績が上がったのは)これが競輪だから。前の頑張り次第で戻せる。それと、7車立てじゃなくて、9車立てだからってのはありますね。(近況は一息の成績が続いており)状態は悪くないんですけど。展開が悪い時にカバーできる脚力がないので厳しい。中2日は初めてですけど、体は大丈夫。(節目にリーチをかけているが)300勝したから楽になるわけではないし、次もあるので」


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簗田一輝選手
簗田一輝選手
 1月別府FIから優出こそない簗田一輝(写真)だが、今年2度の記念は初日をクリアしている。ここも持ち前の機動力を生かして勝ち上がりたいところ。
 「最近は微妙ですね。走り過ぎっていうのもあると思います。でも、前に比べて良い競走はできていますね。今後も思い切りいければ、良くなっていくと思います。まずは初日をしっかりと頑張りたい」
 小林申太は、3月小松島の国際自転車トラック競技支援競輪でS級初勝利をゲット。グレードレースの舞台で、再び白星を狙う。
 「(3月京王閣の落車は)指がえぐれてしまったんですけど、人差し指だったので。そんなに影響はなかったです。今はほぼ塞がりました。小松島でS級初勝利を挙げて、そのタイミングでシューズも換えたんですけど。感触は悪くなかったですね。補充で走った(前回の)京王閣でも長い距離を踏んで5着ですし。疲れも問題ないです」


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 岡崎智哉は、3月岐阜FIを318着で今年2度目の優出。しかしながら、現状に満足することなく上を目指す。
 「まだ安定していないですね。数字が悪い。自分のなかではアカンって感じではないけど。そろそろ浮上していきたい。(1着を取った岐阜の準決は)中団を取っての先まくりなので。条件が整えば1着を取れるけど、そうじゃない時に乗り越えられない。だから、ムラがあるんですよね。ここまでは個人的に和歌山の白浜にロード合宿にいってきました。それですぐに結果が出るような甘いものじゃないとは思っていますけどね」
 ホームの加藤健一は、地元記念に初参戦。「バックも少ないし、先行できるようにしたい」と、積極的な組み立てを誓った。
 「地元記念は初めてですね。準備はしてきました。前回(別府FI)も最終日が1着で、いい感じで終われましたし。直前はバンクに入らないで、いつも通り街道で練習をしてきました」
 津村洸次郎はここまで中12日空いて、きっちり仕上げてきた様子。
 「最近はあっ旋が詰まっていたんですけど、ここまではしっかり練習ができました。(近況は成績が安定しておらず)これが今の現状ですね。でも、積極性は変わっていないです。とりあえず、初日をクリアしたい」


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 なかなかリズムに乗れない小埜正義だが、2月玉野FIでは久しぶりの優出。準決は落車のアクシデントもあったが、軽快なまくりで白星を手にした。
 「ちょっとずつ良くはなってきましたね。ここまでも(中19日)空いたので、しっかり計画を立てて練習してきました。でも、ひまでやり過ぎましたね(笑)。あとは、どこかで覚醒してくれれば。久しぶりに南関の記念に正規(配分)で呼んでもらえて。神奈川の選手にはお世話になっているし、恩を返したい。そのためには、まず勝ち上がらないと」
 桜井雄太は今期が1年ぶりのS級カムバック。「自分は本当に弱いので」と、謙遜するが、コンスタントに白星を挙げている。
 「勝てているのはたまたまです。脚では負けるので、組み立てで勝負しないと。前回(玉野FIを988着)は新車で行っていろいろ試しました。成績は悪いんですけど、そこまで落ち込んでいません。ここまでは(中2日なので)疲れを取るつもりで過ごしました」


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堀内俊介選手
堀内俊介選手
 ウィナーズカップでは588着で途中帰郷となった堀内俊介(写真)。その前の玉野記念は連勝で準決に勝ち上がっただけに、悔しい結果となってしまった。
 「せっかく調子が上がってきていたんですけど、ウィナーズは疲れている状態で入ってしまって調整ミスでしたね。ここまでは支部合宿で千葉に行ってきました。今回は前回の反省を生かして、やり過ぎないように意識をしたんですけど。ちょっと疲れがあったので、前日にリフレッシュしてきました。地元記念なので、気合いを入れて頑張ります」
 大塚玲は3月高松FI、前回の福井FIを連続優出。福井の決勝は失格も、好感触を保ったまま地元記念を迎えた。
 「シューズを換えたら、それがバッチリ。(2着に入った)福井の準決も悪くなかったし、(後方に置かれる苦しい展開も)苦にならなかったです。ここまでも、ここに向けてしっかり練習をしてきました。油断せずに、ラインで決まるように」
 才迫開は、ウィナーズカップを9997着。成績こそ振るわなかったが、上位にもまれて闘争心に火がついた。
 「ウィナーズは、だいぶ思うところがありました。このままじゃダメだなって。気持ちを入れ替えるキッカケになりましたね。前回(福井FIを155着)も、ここ最近では良い感じだったと思います。ここまでも、いい練習ができました」


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 名古屋記念、小松島の国際自転車トラック競技支援競輪に続いてのGIIIシリーズとなる吉本卓仁は、上々のコンディションも実戦での課題をあげる。
 「グレードレースが続くのはいいこと。脚の感覚はいいんで、あとはどう戦うかですね。最近、逃げてない部分が出ちゃって、いかんせん(先行する)勇気がない。まくりのスピードは戻ってるんで、あとは1回でもハナを切って粘れれば勢いがつくと思う」
 メンバー最年少の新山将史は、中5日のローテに「ちょうどいい」と疲れもなさそうで笑みを浮かべる。
 「前橋(2場所前)が追加だった。その前に練習を結構、強めにやって、(前橋が)ダメだった。今回は中5日でも練習もして、調整して、休養もしっかり取れた。わりかし(状態が)いいと思います」


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 松本貴治は、玉野記念シリーズ最終日のルーキーチャンピオンレースで南潤をとらえ切れずの2着。前回の別府FIを232着でS級初優勝を逃したが、そのポテンシャルに疑いの余地はない。
 「(ラインの小川圭二と)しっかりワンツーを決めたいですね。(記念は2回目ですけど)4日間っていうのも、気にならない。最終日に脚がキツくなるっていうこともなかった。課題ですか? いまは脚力もそうですけど、ただ駆けるだけみたいのはしたくない。相手に合わせてしっかりやりたいです」
 松本後位は上田国広との競りになった小川圭二だが、近況はコンスタントに連対を果たし競走得点も103点台に上げている。
 「息子(丈太・111期)が競輪学校から帰って来て、一緒に練習ができるようになった。息子が学校にいる時は自分に腰痛が出たりしてたけど、帰って来てからは腰痛もでないし練習ができるようになった」


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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 岩本俊介(写真)は1月大垣FIの落車で鎖骨を骨折。復帰場所のウィナーズカップでは、成績以上に力強い走りを見せた。復帰2場所目に、大きな不安はない。
 「(ウィナーズカップは)怪我明けだったんですけど、まじめにリハビリをやってて良かったなって思いました。影響はまったくゼロってわけじゃないけど、走る上で問題はない。一走、一走やるしかないし、準備はしっかりやってきたんで」
 3月玉野記念を優出、前回の大宮FIは114着と好調を維持している福田知也。ホームバンクの記念だが、気負いはない。
 「暖かくなってきて、練習の感じもだんだんとマッチしてきました。久しぶりに戦える状態で地元記念を迎えられますね。(勝ち上がりよりも)目の前のレースに集中していきたい」


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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 地元のエース郡司浩平(写真)にとっては、連覇がかかる今シリーズ。周囲の期待は大きい。前回から新車を投入して、地元記念に万全の態勢で挑む。
 「去年はいろいろ経験できました。(期待に)結果で応えたいです。準備はしっかりやったつもりなんで。(新車は)走ってみて見えてくるところもあったし、時間があったんでセッティングもいじってきました。ここで勢いをつたいですね」
 玉野記念を準V、続くウィナーズカップも準決進出と好走を続ける取鳥雄吾。同型がそろった激戦区でどこまで持ち味を発揮できるか注目したい。
 「(ウィナーズカップは)動けてたし、玉野記念までしっかりやった貯金があった。でもその貯金も尽きかけてきてるんで。ダービーがあるんでいまはしっかり練習してる。(初日は)1回くらいチャンスは来るっていう感じはある。そのワンチャンスをどうにかできれば」
 石塚輪太郎は3月久留米FIを優勝。前回の3月高知FIは振るわなかったが、中5日の今回は問題なさそうだ。
 「(優勝は)自信にもなりましたし、これからにつながる。前回はちょっと調子が悪くて。中2日で詰まってた。今回は体の疲れも違う。(初日は)主導権の取り合いになりそうですね。勝負権のある位置にいないとダメでしょうね。タイミングだけ逃さないように、出し惜しみさえしなければ」


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武田豊樹選手
武田豊樹選手
 ウィナーズカップで優勝を決め、昨年の骨盤骨折から復活の狼煙を上げた武田豊樹(写真)。しかし、現在の走りにはまだ満足はしていない。
 「(ウィナーズカップの決勝は)課題が残ったレースでした。苦しかった。脚もいっぱいでした。前がイン粘りして、負けた方がどうするか見てたら離れてしまいました。走るたびに課題を感じてます。課題が多すぎますね。でも、それに楽しみも感じてきた」
 前々回の奈良記念で3勝を挙げた松谷秀幸は、その後は体調を崩したが立て直し地元記念に照準を合わせてきた。
 「(山中秀将と連係は)あります。(昨年12月)別府記念の二次予選でワンツーでしたね。奈良のあとにインフルエンザになっちゃって、力が入らないでフワフワしたけど、もう大丈夫。(状態は)今の方がいいと思います。(地元記念は)正規で呼ばれたのは初めてなんで、気合入れて頑張ります」
 山中秀将は玉野記念を優出や、ウィナーズカップでも2勝をマークと持ち味のダッシュが冴えている。初日から地元の松谷を背負ってのレースだ。
 「松谷さんだけを引き出すというよりは、2人で決められるように。協力しないと、他の地区も強力なんでどうにもならないと思う。川崎は1回優勝してるので(印象は)悪くはないですね。ここだっていうところで一発で決められるように。そうすれば後ろの人とも、決められると思う」


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浅井康太選手
浅井康太選手
 名古屋記念に続いて前回のウィナーズカップでも決勝にコマを進めた浅井康太(写真)は、グランプリから優勝がないものの、その輝きを徐々に取り戻してきている。
 「(痛めたところが)治ったのが大きい。いい感じで練習ができているし、いいトレーニングができている。ちょっとでも良くなるようにと思ってやっている。そこで止まったら終わりですからね」
 原田研太朗は2月の全日本選抜に次いで、前々回のウィナーズカップでビッグ連続優出。前回の高知FIでは923着。地元の掛水泰範らとの四国連係は決まらず反省の弁で振り返る。
 「(掛水とは)久々の連係だったけど失敗したんで、また連係できたらいいですね。初日は香川(雄介)さんとですか。このあと(静岡FI)も香川さんと一緒だし、今年は香川さんと連係が多い。自分は小松島の練習環境が冬場から良くなって、それでスピードも上がっていると思う」
 早坂秀悟は前回の大宮FIを311着で今年初V。その後は中10日以上のゆとりのローテで練習を重ねてきた。
 「時間があったんで、しっかり練習をしてきた。自分はとくに変わりないですね。このメンバーなら先手を握ろうと思えば握れるだろうし、あとは流れをしっかり見極めていきたい。(ナイター記念で)勝ち上がりが違うんで、(2日目の)優秀に乗れるように」