『川崎競輪 アーバンナイトカーニバル(GIII)レポート』 前検日編

配信日:8月9日
 川崎競輪場を舞台に、「アーバンナイトカーニバル(GIII)」が8月9日に幕を開ける。今シリーズはオールスター出場メンバーが不在でV争いは激戦必至。鈴木謙太郎、池田勇人に地元の東龍之介らによる実力拮抗のバトルが繰り広げられる。また、ガールズケイリンも同時に開催され、ガールズケイリンフェスティバル2018に出場した3選手が中心になりそうだ。
 なお、開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されておりますが、9日は悪天候が予想されるため、先着800名様に抽選会へ参加できる抽選券を配布する「夢☆ギフト券」、「URECCO誌面おしゃれグラビア枠選抜第2弾オーディションURECCOガール&チャリバラ 車券バトルin 川崎競輪場」、「ウイニングラン」のみの実施となります。どうかご了承の上、9日から始まる「アーバンナイトカーニバル」をぜひ本場でお楽しみください。

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 佐々木龍は今期から初のS級レーサーに仲間入り。「自然と気持ちが入る」と、気合い十分で地元のGIIIに臨む。
 「厳しさを感じながら、一走一走大事にいきたいです。しっかり練習もしてきたし、あとは落ち着いてレースができれば。後方にはならないようにと考えています。良い雰囲気を作って、地元勢を盛り上げられるように」
 谷口遼平はムラのある成績だが、6月福井を113着など随所で好走。ここまでは2週間以上空いたゆとりのローテで練習を重ねてきた。
 「最近は良かったり、悪かったりですね。ここまでは乗り込みをしたり、詰めて練習をしてきました。先を見据えて真面目にウエートもやっています。今シリーズはチャンスがあると思う。初日は前々にしか考えていないので、あとは佐々木さんのやる気次第ですね」


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志佐明選手
志佐明選手
 初の記念参戦となった7月福井では、準決まで駒を進めた地元の志佐明(写真)。戦える手応えをつかんで、S級4場所目を迎える。
 「(前回の防府483着は)甘かったですね。でも、ここまで大敗も少ないので、(S級の)イメージが悪くないまま来れています。防府が終わったあとは、セッティングをいじったりしました。新車も持ってきたし、そっちも試したいですね」
 箱田優樹はメンバー表に志佐の名前を見つけて、静かに闘志を燃やした。
 「(6月函館の落車は)大丈夫です。志佐さんとは前回の最終日に走りました。地脚もあるし、強いですね。(前回は先着されただけに)今回は潰せるように。ここまでは雨もあったけど、やりたいことができたし、準備をしてきました」


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 6月武雄で地元Vを飾った山田庸平は、続く宇都宮記念でも1332着と奮闘。その後は優出こそないが、調子は変わらず良いと話す。
 「調子とか感覚は良いですよ。前回(7月弥彦記念)は、レースが上手くいかなかったです。ここ2、3カ月はあっせんが詰まっていて、疲れはないけど練習不足が気になっていますね。川崎のバンクは外が伸びたり、中バンクが伸びたり、ちょっとクセのあるイメージがあります」
 その山田に前を任せるのが田中誠。近況は優出を量産するなど、好調を維持している。
 「最近はバッチリ。気合を入れて走っています。前回(7月青森)からは、暑かったので山に合宿に行ったり、涼しいところで練習をしてきました。スピード練習を多めにして。(中22日で)レース勘が鈍るような気がするからちょっと間が空くのはイヤですね。(山田との)相性は良いですよ。勝負権のある位置まで連れて行ってくれると思う」


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 工藤文彦は今年の春から成績が急上昇。前回の岐阜でも、南潤と竹内雄作の踏み合いをまくってVを手にした。
 「良い流れには乗れていると思います。優勝したあとに師匠の筒井(敦史)さんとご飯に行って。自分のことのように喜んでくれました。早くGIに出てこいと、これからの訓示も頂きました。自分が頑張ったことで、師匠が喜んでくれるのは良いですね。初日も油断せずに」
 6月宇都宮記念を2781着など、近況は連対が増えている伊早坂駿一。当所でも信念を貫いて、全力投球を誓う。
 「脚の状態は良いし、練習でも踏めています。何も変えていないので、力が付いてきているのかな。川崎を走るのは久しぶりです。いつも通り、メンバーは気にせずに自分のレースをします」


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 好調時のキレを取り戻した鈴木謙太郎は、6月立川で今年2V目をゲット。前回の7月小倉でも113着とオール確定板入りを果たした。今回は弟子の小酒大勇とは別線で、関東勢の先頭を務める。
 「弟子と一緒なのはやりにくいですけど、勝ち上がれるように。しっかり練習もしてきたし、調子は変わらずだと思います。最近は(成績の)波がなくなってきたので、これからコツコツ積み上げて行く感じですね。初日は、しっかり主導権を握りたい」
 志村龍己は、6月福井で内のコースを鋭く伸びて、一昨年8月岐阜以来の優勝を飾った。今回も持ち前の鋭脚を発揮できるか。
 「(福井は)たまたまコースが空いてくれました。前の人も良い位置を取ってくれたので。調子は良くないけど、直前の練習の感じはすごい良かった。(鈴木との連係は)3回目ですね。今回は(ワンツーが)決められるように」
 師匠に挑む小酒大勇が、どこまでやれるかにも注目したい。
 「師匠とは連係もあるし、対戦もあります。(今回は別線で)やりにくさはありますけど、なんとか頑張りたいですね」


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簗田一輝選手
簗田一輝選手
 5月名古屋記念を優出した簗田一輝(写真)は、続く奈良、当所で6連勝。さらに、前回の弥彦記念も無傷で優出と快進撃を続けている。
 「動いて位置を取れているし、悪くないですね。弥彦の決勝は(最終バックで)9番手だったけど、もっと脚があれば行けていました。いつも優勝を狙っていますけど、今シリーズはいつもよりチャンスがある。でも、決勝に乗らないと意味がないので、まずは初日ですね」
 5月当所での準V以降は、目立った活躍のない土屋壮登。それでも、強気に攻めて本線撃破を目論む。
 「(対戦相手の簗田は)強力ですね。でも、成績はボロボロですけど、調子は悪くないんですよ。腐らずに練習もしています。前回(5月)川崎を走ったときにフレームを換えたんですけど、今回から元に戻します。初日は先行できるように」


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 ここからはガールズ戦が行われる。坂口楓華は、7月佐世保ミッドナイトで悲願の初優勝を飾った。その勢いのまま、今回も強敵相手に好勝負を演じる。
 「うれしかったですね。やっとかってホッとしました。4日間のレースは2回目ですね。1回目(4月函館)は、すごいメンバーが濃くて何もできなかった。決勝に乗れて安心しちゃった部分もありました。4日目の疲れとかはなかったです」
 高いレベルで安定している荒牧聖未にも注目だ。
 「動ける選手もいるので、ここだっていうタイミングで仕掛けたいですね。練習はしっかりやってきました。4日間は未知ですけど、ひとつひとつ勝ち上がっていけるように」
 7月名古屋、高知を連続で優出した佐藤亜貴子。調子は徐々に上向いている。
 「調子は良いし、練習もしっかりできているけど。レースになるとなかなか…。でも、決勝に乗れてきているし、上がってはいると思います」


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細田愛未選手
細田愛未選手
 細田愛未(写真)は、前回の高松で梶田舞らを破り今年5V目を無傷で奪取。しかし、気を緩めることなく、さらなる高みを目指す。
 「前回(高松)からギアを上げて、行けるところはしっかり行けています。(決勝は梶田と踏み合いになって)ダッシュが良い人なら突っ張られていますね。でも、しっかり前で出し切るレースをすれば今後につながるのかな。逃げ切れる力を付けたい。ここまでは、立川で(小林)莉子さんとかとしっかり練習をやってきました」
 比嘉真梨代は、沖縄から初めてのガールズレーサーとして今年デビュー。ここまで白星こそないが、出走した2場所を優出とまずまずの滑り出しを見せている。
 「ダッシュとパワーには自信があります。でも、せっかくパワーがあるのに、自転車に伝えられていないと言われました。まだセッティングもそんなにいじっていなくて。細かいところを修正していければ。前々に行って、できれば先行もしたい」
 競走得点こそ劣る戸田みよ子だが、優出を量産と安定感は抜群だ。
 「最低限やることはやっています。あんまり結果にはこだわっていないですけど、結果がすべてですよね。前回の富山でドアに挟まって、脚を縫いました。でも、ここまでに抜糸もしたし、普段通りにはやれました」


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大久保花梨選手
大久保花梨選手
 昨年のデビューから、ここまで6Vを達成している大久保花梨(写真)。ここも、得意のまくりで白星スタート決める。
 「サマーナイトは、すごい力の差を感じました。そこからめっちゃ空いたので、しっかり練習はできました。セッティングが少し変わったので、そこは走ってみてですね。川崎は今回が3回目で、2回目は完全優勝したので悪いイメージはないです。優勝を目指して頑張ります」
 6月大宮で落車した奈良岡彩子だが、その後も決勝進出が続いている。レース巧者ぶりを発揮できるか。
 「落車は、擦過傷と打撲だったので軽傷でした。(近況は)決勝には乗れているけど、確定板に乗らなきゃ意味がないので。調子はいいと思うから、4日間確定板に乗れるように」
 競輪学校では、ゴールデンキャップを獲得した日野未来。ここまでの2場所は予選を突破できてないが、前回7月岸和田の一般戦では、初勝利を挙げた。
 「デビュー戦が終わって、中3日ですぐに岸和田を走って。あっという間に7月が終わってしまいました。緊張が多かったですね。でも、こうやって走りたいっていうのがわかってきたので、仕掛けどころでしっかり仕掛けられるようにしたいです」


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鈴木裕選手
鈴木裕選手
 ここからはシリーズをリードする特選組によるレース。鈴木裕(写真)は6月取手GIIIで決勝に進出。7月小松島記念でも2度の確定板入りを果たすなど、良い状態を保っている。
 「調子は良いと思う。ちょっとだけ自信もあります。中西(大)君も真船(圭一郎)君も落車明けだし、そこには負けたくないですね。特選スタートで、気持ちも楽です。去年は初日に飛んでいるので。なるべく欲しがらないでレースをします。後ろが地元なので、積極的に」
 7月高松で落車した中西大は、ここが約1カ月ぶりの実戦。調子を確かめる上でも、積極策を示唆した。
 「落車の怪我は右肩の打撲です。骨折もしていなくて大丈夫と思ったらダメでした。高松は新車だったんですけど、自転車も一発で壊れたので前のに戻します。先行してどこまで戻っているか見たいですね」
 真船圭一郎は5月当所、さらに7月京王閣で2度の落車。当所が復帰戦も、表情は険しい。
 「怪我は右鎖骨のヒビですね。スタンディングでモガいてはいない。状態は走ってみないとわからないです。でも、3本も欠場したし、稼がないと」


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荒井崇博選手
荒井崇博選手
 6月四日市の決勝でブフリに迫って2着の佐藤幸治は、続く函館で完全Vを果たした。近況も好調ムードで期待ができそう。
 「佐世保のバンクが使えないっていうのもあって、実家(秋田県)に帰って練習をしてきました。調子は悪くないけど、街道ばかりだったので感覚がちょっと心配ですね。松岡(篤哉)さんも行きっぷりが良いし、池田(勇人)君はヨコもできるので、考えて走りたいですね」
 キメ脚確かな荒井崇博(写真)が、佐藤を目標に勝機をつかむ。
 「サトコウ(佐藤)に任せます。九州も普通に30度を超えとったから、ロードは無理やったけど、バンクでは普通に練習してきた。前次第で、4つ(白星が)欲しいね」
 6月富山で213着の池田勇人だが、その後はリズムに乗れず。ここで結果を残して流れを取り戻したい。
 「自転車のイメージと進み具合は、合ってきているかな。あとは、組み立てと展開が向けばいいんですけど。みんな力は変わらないと思うので。若手も出てきているし、自力だけではなくて、何でもやっていかないと」
 松岡篤哉は、前回の7月福井記念で2279着。ここは、持ち前の先行策で上位を目指す。
 「前回から2週間空いたので、室内を中心にしっかり練習をしてきました。状態は良いと思います。川崎の相性もいいし、しっかり先行して力を出し切りたいです」


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東龍之介選手
東龍之介選手
 春から成績を安定させている東龍之介(写真)が、今シリーズの競走得点最上位。地元勢の中心として、周囲の期待に結果で応える。
 「(堀内)俊介とかと千葉で合宿をしてきました。ここに向けてやってきたし、結果を出したい。同県の先輩達とも走るので、しっかり気も引き締めて。点数を上げられて、ここにこれたのは良かった。優勝にこだわらないで、一戦一戦のレースに集中します。そうしたら、おのずと(優勝が)見えてくると思う」
 4月静岡で今年初Vを手にした堀内俊介だが、その後は一息。それでも、十分な調整期間を経て臨む大事な地元GIII。
 「合宿に行って、いつもと違う練習ができました。感触も悪くなかったです。あとは実戦でどれだけ出せるか。練習の内容的には、今後につながると思います。ダービーが終わってからいまいちですけど、ここまでに準備はできました。こういうところ(オールスターメンバーが不在の開催)で勝てるように」
 6月松山を完全V、直前の防府を237着の久米康平が、勢いに乗って初のGIII制覇を狙う。
 「前回(防府)は疲れたままいったけど。しんどいなりに、良い感じで3日間走れました。ここまではマッサージも受けてきて疲れもないです。川崎は4月の記念も走ったし、2回目ですね。目標は優勝です」
 「怪我はない」とは、前回の弥彦記念で落車した阿部大樹。5月開催を制するなど、好相性のバンクで暴れ回るか。
 「落車でフレームから車輪まで全部だめになりました。今回は全部新品です。(新しい自転車の感触は)ボチボチですね。川崎は相性が良すぎ。良いイメージのままでいたいです(笑)」