『川崎競輪 アーバンナイトカーニバル(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月12日

 川崎競輪場で開催されている「アーバンナイトカーニバル(GIII)」は11日に3日目が行われた。準決勝3個レースでは、佐々木雄一、鷲田佳史、池田勇人が勝ち名乗り。他にも荒井崇博、地元の佐々木龍、岡光良らが優出を決めた。12日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。また、「アーバンナイトヴィーナス」も準決勝2個レースが争われ、優勝候補の大久保花梨、荒牧聖未、細田愛未らがファイナルに駒を進めた。
 最終日も本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。浮き輪・水鉄砲が当たるキッズ抽選会や、川崎競輪イメージユニット「Sinquacious」によるミニライブ(4R発売中)、「中川樹海」さんによる沖縄民謡ステージ(1R、6R発売中)などのイベントを予定しています。最終日も「アーバンナイトカーニバル」をぜひ本場でお楽しみください。

<8R>

荒牧聖未選手
荒牧聖未選手
 ガールズの準決勝は2個レース。打鐘の2センターからカマした矢野光世が、後続を突き放して逃げる。4番手の荒牧聖未(写真)が最終2コーナーから踏み込むと、矢野を追いかけた2番手の細田愛未も、追いつきざまに仕掛ける。2センターではサイドバイサイドの展開となったが、荒牧が直線半ばでまくり切って無傷の優出を決めた。
 「3コーナーで(細田と)合ってしまったけど、自分の感触が良いので乗り換えられると思いました。本当はもう少し早く行きたかったけど、外に6番(齊藤由紀)がいたので。そこは冷静に待って、浮いた瞬間に行った感じでした」
 細田の後位にいた坂口楓華が、直線で追い込んで2着。
 「予想通りの展開になりました。ただ、荒牧さんより先にまくれれば良かった。自分の壁を越えようと思ったら、あそこは先に行かないと。結果が出る時は、自分の組み立てが上手くいっている時なので。あとは仕掛けるだけ。早く自信をつけたいです」
 佐藤亜貴子は、終始荒牧を追って3着に入った。
 「(荒牧と)車間が空かないようにと思って。そこだけでした。最後は、全力でハンドルを投げましたね。(準決勝が)身体的には1番良いのかな。疲れが取れてきた感じです」

<9R>

大久保花梨選手
大久保花梨選手
 隊列に変化なく打鐘で誘導が退避。5番手の大久保花梨(写真)は仕掛けどころを見極めると、2センターから一気に踏み込んで先頭に躍り出た。そのまま3番手以下を突き離して駆けると、2番手に付けた中西叶美の追撃も許さず逃げ切り。
 「自分から動けて良かったです。誰もいかなかったら、自分で動こうと思っていたので。ただ、最後は粘り脚がなくてキツかったです。中西さんがピッタリ付いてきたし、焦りもあったと思います。決勝は絶対優勝しようと思っています。オールスターに出られなかった分も晴らせるように」
 初手から大久保を追走した中西叶美が2着を確保した。
 「(初手で)大久保が出てきて、自分の前に入ったので。最初だけ集中して付いていけばと思っていました。(追走は)得意なほう。疲れも思ったよりないです」
 スタートを取った比嘉真梨代だったが、最終ホームで踏み遅れて4番手。さらに、奈良岡彩子と併走になって外を踏めない苦しい状況。それでも、2センターで3番手の戸田みよ子が空けたインを突いて3着に入った。
 「(最終ホームの)踏み出しで遅れてしまって。前に入られてしまいました。ガチャガチャしていたけど、負けたら終わりという気持ちがあったので最後まで我慢しました。決勝に乗れて、本当に嬉しいです」

<10R>

佐々木雄一選手
佐々木雄一選手

佐々木龍選手
佐々木龍選手
 後ろ攻めから上昇した佐々木龍は4番手の高久保雄介の外で止まってから赤板の2コーナーで踏み上げる。前受けの真船圭一郎はこれを突っ張って先行策を取る。絶好の展開となった佐々木雄一(写真)が後方からまくってきた中本匠栄をけん制しながら抜け出した。
 「(真船と)決めたかったんですけどね。申しわけないです。この展開で勝たないといけないですからね。脚はいいんですけど、2日目に腰をひねって少し違和感はありました」
 突っ張られた佐々木龍(写真)は高久保雄介との中団争いに勝って4番手を確保。態勢を立て直してからの追い込み勝負で2着に入った。
 「中途半端に行ったら突っ張られてしまった。巴(直也)さんに入れてもらえたのがすべてです。今回は地元でチャンスだし、何が何でも巴さんと2人で決勝にって思ってました。僕が勢いよく行ければ巴さんまで連れ込めたはず。あそこの位置に入ってからは落ち着いて脚を回して溜めて、突っ込むしかないと思ってました。決勝はしっかり力を出せるように」
 中本のまくりに乗って外を追い込んだ荒井崇博がきわどい3着争いを制した。
 「(中本が)踏んだ瞬間はちょっと中途半端かなって。途中からググって伸びていって、ヤバイ、付いていかないとって思った。外を抜けてるから良かった。よく出たほうでしょう」
 突っ張り先行の真船圭一郎は8着まで沈んだ。
 「(佐々木龍が)前まで来なかったので、ここで引いてもと思って突っ張りました。引いて3番手でもよかったけど、なめられたくなかったし、先行が持ち味なので。キツかったです」

<11R>

鷲田佳史選手
鷲田佳史選手

大坪功一選手
大坪功一選手
 打鐘で松岡篤哉が先頭に立つも、佐藤幸治がすかさず仕掛けて最終ホームで主導権を奪取。3番手となった松岡は、まくってきた簗田一輝に合わせて2センターから踏み込むも、車が進まない。中近ライン3番手の鷲田佳史(写真)は内に進路を取ると、佐藤と大坪功一の間を鋭く伸びて白星を挙げた。
 「こんなことがあるんやね。松岡さんが3番手に入ったので、まくったらワンツースリーが決めるかなと。良い位置を取ってくれたので、自分も3番手でしっかり内を締めておいて、チャンスがあればと思っていました。最後は、林(巨人)が行かないコースをと思って。そこまでしっかり見えていました。前の2人(松岡、林)がレースを作ってくれたお陰です」
 2着は、先行した佐藤幸治と大坪の九州コンビで同着。佐藤はラインが2車ながら、果敢に逃げて決勝進出を果たした。
 「自分の順番が来たら、すかさずと思って行きました。出切れて良かったですね。最後も踏み直せたし、自分の競走ができて良かったです。(状態も)良い方向にきていると思います」
 大坪功一(写真)は、「内は見えていなかった」とレース振り返った。
 「今回は先行が有利だし、(佐藤を)どこまで残そうとかと思って外を見ていました。あれはしょうがないですね。このレースは、そんなに積極的に行くやつもおらんやろうけん、(初手の位置は)前から2番目で絶対大丈夫やと思いました。サトコウ(佐藤)が勇気を持って行ってくれたお陰です」
 8番手に置かれた簗田一輝は最終1センターから反撃に出るも、林のけん制で失速して8着に終わった。
 「警戒されるのはわかっていたのに、あれで行けなかったのは脚力不足です。焦って自分のタイミングで行けなかった」

<12R>

池田勇人選手
池田勇人選手

岡光良選手
岡光良選手
 後ろ攻めの堀内俊介が動くと、合わせて踏んだ中西大は堀内を突っ張って出させない。前受けの池田勇人(写真)が3番手を確保し、堀内は車を後方に下げて最終ホームを一本棒で通過。池田は落ち着いて2コーナーからまくると、抵抗する中西を直線入り口でとらえた。
 「中団は譲れなかったです。(単騎の山田)庸平が来たらペース次第で考えましたけど、自分たちの後ろにいたので。(1着が取れて)ホッとしましたね。今回から新車にして良くなかったので、(準決勝は)乗り方を変えようと。セッティングも微調整しました。これで、しっくりきましたね。車が出ていたので、自分に原因がありました。これで不安のない状態で決勝を走れます」
 池田の仕掛けに続いた岡光良(写真)は、2センターで大外をまくってきた堀内をブロック。最後は交わせず2着も、池田を援護して優出を果たした。
 「池田君が思い切り行ってくれて良かった。出切れる感じだったので、あとは外から飲まれないようにと思って。(今回からの)新車は初日から(セッティングを)いじっていないです。状態は決勝に乗れているので悪いことはない」
 中西の番手から、伊藤正樹が追い込んで3着に入った。
 「中西君が強くて。何もできずに申し訳ないです。2車だからなかなか。G3の決勝は、去年のここ(8月川崎)で乗って以来。1年ぶりです」
 元の7番手から立て直しとなった堀内俊介。最終1センターから踏み込んだが、前団をまくれずシンガリ負けに終わった。
 「早めに動いたけど、中西に出て来られてしまって。ちゃんと切れば良かったですね。まくりのスピードは悪くなかったけど、岡さんにもらってしまいました。力不足ですね。地元ってことで結果も求められていたし、(連日)消極的になってしまいました。もう少し先行を増やしていきたい」