『平塚競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:10月2日

 平塚競輪場で開催されている開設71周年記念「湘南ダービー(GIII)」は、10月2日に仕切り直しで改めて2日目が行われた。台風一過の晴天の下、準決勝進出をかけて争われた二次予選では、波乱の決着もありつつも、地元の郡司浩平を始めとするS班の4名、今年のオールスター覇者の古性優作ら実力者はきっちりと勝ち上がった。3日には、ファイナリスト9名を決める熾烈なバトルが展開される。
 なお、平塚競輪場は、10月に入って有観客での開催を再開しています。「競輪オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」にしたがい5000人の入場制限、検温、手指の消毒、マスク着用の徹底をいたしますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 朝倉智仁は赤板で押さえてそのままペースを上げるが、関東勢の動きに続いた岡崎智哉が間髪入れずに一気にカマしていく。朝倉は大阪コンビには出切られたが、西岡正一をさばいて3番手を確保し最終2コーナーからまくる。だが、稲川翔(写真)がこれをブロック。岡崎の余力を見ながら前に踏み込んだ稲川が、内からの中田健太の強襲もこらえて1着でゴールした。
 「岡崎が凄い強い気持ちで走ってくれました。ジャン(打鐘)で杉森(輝大)さんも口が空いている感じだったので3番手(の西岡)はきつかったと思う。もうしっかりと判断しようと。岡崎とゴール前勝負ができるように。最後まで諦めずに踏んでくれたことに尽きますね。(1日が)中止になって試したいことを試せたので。サドルが気になって、新品に換えたら気持ちよく走れましたね」
 朝倉智仁が稲川のブロックで勢いが止まると、最終3コーナーから中田健太は内に進路を取る。最後は稲川と岡崎の中割りを試みたが2着まで。
 「稲川さんがいる時点で激しいレースになるなって思っていました。(初手は)岡崎さん達より後ろからって感じでした。朝倉君も(スピードが)合った所で勝負してくれたので一車分、チャンスが巡ってきた。稲川さんは超一流ですし、朝倉君もさばいてからのまくり。杉森さんも迷っている感じだったので、申し訳ないですけど3コーナーで内へ行かせてもらいました」


<7R>

鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 押さえた小川真太郎を叩いて小林泰正が先行態勢。追い上げた小松崎大地は、小川を内に締め込んで中団を確保する。最終4コーナーを好展開で迎えた鈴木庸之(写真)は、外に張って別線をけん制してから踏んで1着。
 「(打鐘過ぎ4コーナーで)内に来たのが小川君かと思ったら小松崎さんだった。番手まで来てたけど、下げてくれたのでよかった。後ろを確認したら小川君が後ろ(6番手)にいたし、小松崎さんは脚を使っているから勢い良くは来ないだろうと思って車間を空けていた。ただ、最後に内に入られたのは下手でした。(小林)泰正が強かったし、気持ち良くいってくれたおかげです。(前日の中止が決まったのが)体が温まって、体がほぐれたぐらいのところだったし、その後は休めた。初日が軽すぎたのか、今日(2日目)は湿気もあって少し重かった」
 小松崎マークの大槻寛徳は最終バック4番手。外を踏む小松崎を鈴木が張ると、空いた内を鋭く2着に突っ込んだ。
 「(順延による車番入れ替えで)車番が悪くなっちゃったので(初手は)前か後ろから。リスクが少ない前を取りました。(小松崎は)小川君を突っ張ると思っていたんですけど、うまく走ってくれました。自分は余裕もあったので、コースだけは間違わないようにと思っていた。体は引き続きいいですね。自信を持って走れている」


<8R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 後ろ攻めの佐藤一伸は、中団の大石剣士にフタをして注文を付ける。大石が車を下げると、佐藤は赤板目掛けて勢いよく踏んでそのまま先行態勢に。大石もすかさず巻き返すが、菅田壱道がけん制。それでも大石は踏み止めず、菅田は最終ホームから番手まくりに出る。大石を退けた菅田がそのまま押し切るかに思えたが、脚をためていた吉本卓仁が豪快にまくり切った。
 「今日は何も考えていませんでした。仕掛けようとだけ思っていました。欲を言うとまだしっくりきていないですけど、フレームを換えてから3場所目で、セッティングを変えたのが今回からなので。大石君が行くのはわかっていましたけど、菅田君を連れて佐藤君がどんな競走をするかでしたね。初日に先行して、(中止順延で)1日休めたのは良かったですね」
 菅田壱道(写真)は同地区の後輩の頑張りに応えて2着に粘った。
 「佐藤君が強い気持ちで行ってくれて頼もしかったですね。自分は初めから(番手から)出るつもりとかじゃなく、大石君をけん制してそれでもダメならって感じで出させてもらいました。頑張りと気持ちを無駄にしないように。かなりきつかったですけど2着に粘れているので悪くないですね」


<9R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 正攻法に構えた清水裕友(写真)を、中部勢が押さえる。すかさず染谷幸喜が叩いて清水は7番手に置かれる展開。清水は最終1コーナーから仕掛けるが、中団から合わせるように長尾拳太が先まくりに出る。桐山敬太郎もまくりに合わせて番手から出るが、清水がさらに上をまくって力でねじ伏せた。
 「(最終)ホームで1回詰まった所でバックを踏んでしまった。あそこで行けていれば(ラインで)きれいに出切れたと思う。初日はそのバックを踏んだところで行けていたんですけどね。長尾さんに合わされそうだったんですけど、3コーナーでねじ込みながら、さすがに負けられんと思っていた。初日のメンバーがキツかったし、力を出し切った分疲れが残っているのかな。でも、それが分かったし、しっかりケアします」
 長尾の仕掛けに乗った岡本総は、外の園田匠を捌きながら踏んで2着に入った。
 「(初手は)染谷君ラインの後ろから。(染谷が)一番先行意欲があるし、一回動いたらすぐ飛んでくるだろうなと思っていた。あの展開しかなかったですね。(清水に)カマしてこられたら厳しかったけど、溜めてまくりだったし、長尾もいいタイミングでいってくれて(清水を)止められそうだったんですけどね。さすがに脚が違いました。ゴール前が踏み切れなかったのでそこは修正したい」


<10R>

古性優作選手
古性優作選手
 前受けの古性優作(写真)は関東勢を受けて3番手の位置に。荻原尚人が巻き返すが、番手の紺野哲也が離れると荻原は一瞬ペースを落とし、すかさず近藤隆司がカマしていく。古性は内から芦澤大輔をドカして南関勢を追うと、最終2コーナーから間髪入れずにまくり発進。南関勢を飲み込み、小倉竜二の追撃を4分の3車身退けて1着でゴールした。
 「初日よりはかなり良くなりましたね。(初日は)筋肉が締まっていなかったので。でもレースが変になってしまって。ちょっとヤバいかなって思ったんですけど。でもバック線が取れているなら良かったです。(1日の休養は)かなりプラスに働きましたね」
 古性のトリッキーな動きにも全く遅れることなく追走した小倉竜二が2着を確保した。
 「軽くはなかったですけど対応はできたと思うのでレース勘は戻ってきているのかなって。でも全く差し込めていないので。脚もまだですし、心肺機能もまだきついですね。最後、全然踏み込めていなかったですし。昨日(1日)休めたのは大きかった。昨日だったらバックで離れていたかも。付いていくことだけに集中していました」


<11R>

野田源一選手
野田源一選手
 前受けの新田祐大は、別線の上昇を受けて6番手に下げて態勢を整える。先頭の山本直がペースを上げずにいると、新田は打鐘手前から勢いよく叩いて出る。ライン3車できれいに出切った新田が快調に飛ばして別線は為す術無しかと思いきや、8番手まくりの野田源一(写真)がゴール寸前で強襲。バンクレコードにコンマ1秒差に迫る上がり10秒5の快速まくりで、前場所の共同通信杯からの連勝を5に伸ばした。
 「連勝は意識していなかったですね。新田君が相手でしたし。思ったよりも新田君が早く仕掛けたので動けなくなってしまった。タイミングがなかったですね。古屋(琢晶)君が動いたので、そこに付いていってスピードをもらえた。踏んだ瞬間は軽かったけど、いける所までと思って踏んでいた。体は軽かったし、1日休養を取れたのは大きかった。価値ある1勝ですね。自信になりました」
 強烈な踏み出しをしのいだ竹内智彦が、最後は新田を鋭く交わして2着。
 「(新田は)すごいとしか言えない。出切って回してくれて、ペースに入れてくれたので自分は余裕があった。誰も来れないと思ったんですけど、源さん(野田)が飛んできた。1日休めたのがすごいよかったですね。踏み出しだけが勝負だとおもっていたしホッとしました。初日から調子は良かったんですけど、踏み切れていないところがあった。今日(2日目)は踏み切れました」


<12R>

松坂洋平選手
松坂洋平選手
 郡司浩平は前受けから下げて打鐘で7番手。押さえ先行の川口聖二が徐々にペースを上げようとするが、郡司は打鐘過ぎ3コーナーから早くも巻き返す。松坂洋平(写真)は踏み出しで口が空き、伊藤旭にもからまれるが、なんとか追い上げて最終2コーナーで郡司に付け直す。直線は郡司と松坂の一騎打ちとなり、郡司を1車輪交わした松坂がホームバンクで1着をゲット。
 「(ラインワンツースリーで)最高の形でした。踏み出しは集中していたんですけど、口が空いてしまいました。でもそこから追い掛けて、追い付いてからは余裕を持っていけました。ホームバンク(の緊張)っていうのがあって連日余裕がない。スタート前も応援がすごくて嬉しかった。前日の休みは特に影響はない。緊張で状態はあまりよく分からないけど、気持ちで頑張ります」
 早めのまくりで別線を一蹴した郡司浩平。自身は2着ながらも地元3人での決着をメイクした。
 「メンバー的にも受けて立つ立場だったので前からしっかり組み立てようと思っていた。態勢が整えば早めにいこうと思っていたし準備はできていました。早めに仕掛けられたので次につながると思う。初日よりも緊張感があったんですけど、明日(準決勝)はもっと楽に走れると思う。(お客さんに)ラインで決まって激励してもらえて嬉しかったですね」