開設71周年平塚記念「湘南ダービー」は台風接近に伴う悪天候の影響で1日順延し、10月4日に最終日が行われた。稀に見る好メンバーによって争われた決勝は、厳しい態勢からのまくり追い込みを届かせて地元の郡司浩平が当所記念初Vをゲット。これで郡司は川崎、小田原と地元記念グランドスラムを達成した。
決勝戦 レース経過
号砲で新田祐大、小松崎大地の福島コンビが出て前受け。新田-小松崎、郡司浩平-松坂洋平、清水裕友-小倉竜二、古性優作-稲川翔、野田源一で折り合って周回を重ねる。
青板2センターで古性が上昇を開始。赤板で古性に並び掛けられると新田は誘導を残して下げ、古性が正攻法の位置に入る。そこをすぐさま清水が押さえて1センターで主導権を握る。これで清水を先頭に、3番手に古性、5番手に野田、6番手に郡司、8番手に新田の態勢となって打鐘。好位確保の古性はもちろん、後方の新田の巻き返しを警戒して郡司も動かない。結局、腹をくくった清水が2センターあたりからペースを上げて駆け出していく。一本棒から最終2コーナーで車間を詰めて新田がまくると、引き付けた郡司も3コーナーからようやく仕掛ける。直線に入り、清水はいっぱいとなって脚を溜めた後続の選手が殺到。清水の番手から抜け出す小倉を古性が交わすが、その外を伸びた郡司が優勝を飾った。
郡司浩平選手
東京オリンピック代表の新田祐大、復調一途の清水裕友、さらにはオールスターでタイトルホルダーの仲間入りを果たした古性優作。GI並みの好メンバーがそろい、誰が勝ってもおかしくない決勝戦。それでも、郡司浩平(写真)が地元のエースとして意地を見せた。
古性、清水の順で切って郡司は6番手の位置。すぐ後ろの8番手には新田が控えているだけに、見えないプレッシャーをひしひしと感じながらの組み立てだった。
「新田さんのカマシを警戒しながらでしたね。新田さんはすかさず引いて立て直す形だったし、連日積極的な競走をしていた。カマシに対応できなければ、あの位置は最悪の位置になってしまう」
だが、連日の組み立てとは対照的に、打鐘を過ぎても新田の仕掛けはない。腹をくくった清水がそのままペースを上げて最終周回。清水のカカリがよく、中団の古性も仕掛けられない。新田に後手を踏ませはしたが、決して郡司にとってベストな展開とは言えなかっただろう。それでも新田の仕掛けに合わせて3コーナーから車を外に持ち出すと、2センターから踏み込んだ古性のさらに外を鋭く強襲。古性を4分の1車輪交わした所がゴールだった。
「前のカカリがよくて、古性君も仕掛けられない感じだった。古性君が仕掛けるだろうなって頭になっていたから、(最終)2コーナーで詰まったところを反応できなかった。そこの詰まりと、あおりでタイミングが狂ってしまった。新田さんの仕掛けも来て、3コーナーの登りで一番車が出ないところで仕掛けた。その登りを我慢できて、伸びましたね。自然と自転車が伸びてくれました」
4月川崎記念を制して以来、通算12度目のGIII優勝。これで川崎、小田原、平塚と、3つある地元の記念を完全制覇。まさに神奈川のエースの名に恥じない活躍ぶりだ。
「平塚では昨年のグランプリでも思うような結果を出せなかったですし、平塚記念で借りを返したかった。平塚記念は何回も呼んでもらっているのに、ラインから優勝者を出せず、結果を出せていなかった。ホッとしています。(今節は)流れ自体も、仕掛けも良かったですし、次(のGI)につながる開催でした」
次走は21日からの寛仁親王牌。地元で最高の流れに乗った郡司は、GIの大舞台で更なる輝きを放つ
切って中団を確保した古性優作は、最終2センターからのまくり追い込みで勝負をかけたが、最後は郡司の強襲に屈して2着。
「(初手は)あの位置しかなかったので一回切ってから考えようと思っていました。ジャンで清水君が凄く踏んでいって。カカリとローリングにやられて2コーナーで腰が抜けた。それでバックで詰まってしまって。昨日(3日目)は結構踏んだので疲れが残っている感じでしたね。ここまで4日間(状態の)上下がある開催はなかなかないです。筋肉は締まりましたけど、体力がなかった。昨日とは全然、違いました」
清水マークの小倉竜二は、清水は交わしたものの、その外を郡司と古性に伸び負けて3着だった。
「清水君のカカリが良かったですね。ローリングも入っていましたし。誰か(まくりに)きてくれれば良かったんですけど、4コーナーまでためてって感じだったので難しかったですね。3コーナーを過ぎて、もう前に踏むしかないって感じでしたけど。まあ、でも(自分が)万全の状態でもあの2人には抜かれていたと思います」
新田祐大は後方不発で8着。今節は積極的な内容が光っていただけに、決勝の運びが悔やまれる。
「相手に単調にレースをさせてしまった。自分が動くべきところで動かなかった。結果として判断ミスです。今回の敗因を見つめ直してまたトレーニングをしていきます」
青板2センターで古性が上昇を開始。赤板で古性に並び掛けられると新田は誘導を残して下げ、古性が正攻法の位置に入る。そこをすぐさま清水が押さえて1センターで主導権を握る。これで清水を先頭に、3番手に古性、5番手に野田、6番手に郡司、8番手に新田の態勢となって打鐘。好位確保の古性はもちろん、後方の新田の巻き返しを警戒して郡司も動かない。結局、腹をくくった清水が2センターあたりからペースを上げて駆け出していく。一本棒から最終2コーナーで車間を詰めて新田がまくると、引き付けた郡司も3コーナーからようやく仕掛ける。直線に入り、清水はいっぱいとなって脚を溜めた後続の選手が殺到。清水の番手から抜け出す小倉を古性が交わすが、その外を伸びた郡司が優勝を飾った。
郡司浩平選手
古性、清水の順で切って郡司は6番手の位置。すぐ後ろの8番手には新田が控えているだけに、見えないプレッシャーをひしひしと感じながらの組み立てだった。
「新田さんのカマシを警戒しながらでしたね。新田さんはすかさず引いて立て直す形だったし、連日積極的な競走をしていた。カマシに対応できなければ、あの位置は最悪の位置になってしまう」
だが、連日の組み立てとは対照的に、打鐘を過ぎても新田の仕掛けはない。腹をくくった清水がそのままペースを上げて最終周回。清水のカカリがよく、中団の古性も仕掛けられない。新田に後手を踏ませはしたが、決して郡司にとってベストな展開とは言えなかっただろう。それでも新田の仕掛けに合わせて3コーナーから車を外に持ち出すと、2センターから踏み込んだ古性のさらに外を鋭く強襲。古性を4分の1車輪交わした所がゴールだった。
「前のカカリがよくて、古性君も仕掛けられない感じだった。古性君が仕掛けるだろうなって頭になっていたから、(最終)2コーナーで詰まったところを反応できなかった。そこの詰まりと、あおりでタイミングが狂ってしまった。新田さんの仕掛けも来て、3コーナーの登りで一番車が出ないところで仕掛けた。その登りを我慢できて、伸びましたね。自然と自転車が伸びてくれました」
4月川崎記念を制して以来、通算12度目のGIII優勝。これで川崎、小田原、平塚と、3つある地元の記念を完全制覇。まさに神奈川のエースの名に恥じない活躍ぶりだ。
「平塚では昨年のグランプリでも思うような結果を出せなかったですし、平塚記念で借りを返したかった。平塚記念は何回も呼んでもらっているのに、ラインから優勝者を出せず、結果を出せていなかった。ホッとしています。(今節は)流れ自体も、仕掛けも良かったですし、次(のGI)につながる開催でした」
次走は21日からの寛仁親王牌。地元で最高の流れに乗った郡司は、GIの大舞台で更なる輝きを放つ
切って中団を確保した古性優作は、最終2センターからのまくり追い込みで勝負をかけたが、最後は郡司の強襲に屈して2着。
「(初手は)あの位置しかなかったので一回切ってから考えようと思っていました。ジャンで清水君が凄く踏んでいって。カカリとローリングにやられて2コーナーで腰が抜けた。それでバックで詰まってしまって。昨日(3日目)は結構踏んだので疲れが残っている感じでしたね。ここまで4日間(状態の)上下がある開催はなかなかないです。筋肉は締まりましたけど、体力がなかった。昨日とは全然、違いました」
清水マークの小倉竜二は、清水は交わしたものの、その外を郡司と古性に伸び負けて3着だった。
「清水君のカカリが良かったですね。ローリングも入っていましたし。誰か(まくりに)きてくれれば良かったんですけど、4コーナーまでためてって感じだったので難しかったですね。3コーナーを過ぎて、もう前に踏むしかないって感じでしたけど。まあ、でも(自分が)万全の状態でもあの2人には抜かれていたと思います」
新田祐大は後方不発で8着。今節は積極的な内容が光っていただけに、決勝の運びが悔やまれる。
「相手に単調にレースをさせてしまった。自分が動くべきところで動かなかった。結果として判断ミスです。今回の敗因を見つめ直してまたトレーニングをしていきます」
6R 競輪ルーキーシリーズ2021プラス
志田龍星選手
「車番が悪かったので後ろからになると思っていた。ほとんど山根君の先行一車だと思っていたし、山根君がいったところを誰がまくるかだと思っていた。誰かが仕掛ける前に先にいけて良かったです。風が思ったよりも強くて、みんなどこかで一発狙ってくるだろうと思った。踏んだ感じはあまりよくなくて、(バックの)直線で前の方までいって、(3)コーナーは回して4コーナーの下りの山おろしで前に出られればと思った。内から金田君が見えてけん制しようか迷ったけど、前に踏んだ方が確実だった。お客さんの前で走れて、勝てて良かった。できるだけ早くS級に上がりたい。(特別昇級が)一番理想ですけど、そんなに甘くないので頑張りたい。中部を代表できる選手になりたい。上のレース(GI)を走りたいです」
金田涼馬は打鐘で山根に叩かれるも、3番手に入り直して態勢を整える。大槇が外に張った内をすくって2着に突っ込むも、地元同士の新村穣との連係を成就させられず、レース後は唇を噛んだ。
「(打鐘で)本当は突っ張り切りたかったんですけど、踏んだ時にあまりにも自転車が重くて…。前回からセッティングをガラッと変えて、練習では良かったのに競走になると違った。最後も内にいってしまって、新村さんのコースを潰してしまった。失敗ばかりなんですけど、経験として生かしたいです」
主導権を握ってレースを作ったのは山根将太。3番手の位置から果敢にカマした積極的な競走は、今後につながるだろう。
「神奈川勢と自分達しかラインがなかったので、どちらかが駆ける展開になると思っていました。スタートは取れた位置から考えようと思っていましたけど、神奈川勢の後ろがとれたので、もういくしかないと思いました。ホームで風があってきつかったですね。(最終)バックまで踏み上げる感じでいきましたけど、2センターでもういっぱいでしたね。悔しいですけどまた練習して脚をつけたい。このメンバーで先行できたのは大きいと思う」