『平塚競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:4月29日


 平塚競輪場開設59周年記念「湘南ダービー」が今日から開幕。初日は青空の広がる絶好のコンディションの中での開催となった。メインの特選3個レースは三宅達也、加倉正義、山田裕仁がそれぞれ制した。特選で3着までに入った9選手により、明日は優秀競走「湘南グランプリ」が争われる。
 場内ではイベントが盛りだくさん。明日の早朝予想会「ウキウキモーニング」(10:00~10:15)では専門紙記者がレースの解説を行います。また、夙川アトムお笑いライブ(5R、8R終了後)も予定されています。ぜひ、本場にお越しください。


<1R>
常川佳介選手
常川佳介選手
   オープニングレースは中団からまくった辻力を常川佳介(写真)が直線で鋭く差し切ったが、辻力が4着に沈んだだけに手放しでは喜べない。
 「中団が取れて辻さんの展開になったし、ワンツーが決まったと思ったんですけどね。1レースに慣れてなかったので、少し呼吸が苦しかった。今日は辻さんのおかげ。1着は取れたけど、辻さんに悪かったです」
 七番手から大外をまくり追い込んだ塚本勝士が2着に強襲した。
 「打鐘で行こうか迷ったんですが、前も踏みそうでしたからね。前のスピードをもらえたし、最後はアタマまで見えたんが…。力が入りすぎてスライスしてしまいました」


<2R>
 田中晴基が竹山陵太を叩いて先行。番手の萩谷直正が直線鋭く追い込み、地元記念で幸先の良いスタートを切った。
 「地元で緊張しました。田中君が頑張ってくれたし、いい展開になりました。8番(米原)がまくってきたので、そこだけしっかり止めてから踏みました。明日からも少しでもいい着を取りたい」
 高木和仁は道中、米原大輔との連結が外れたが、六番手から鋭く伸びて2着に食い込んだ。
 「追い上げようか迷ったんですが…。最後は上手くコースが空いたので、何とか突っ込めました。1着まで届いたと思ったけど、それなりに走れていますね」


<4R>
 酒井大樹の先行を小岩大介が中団確保から一気にまくり切り、力の違いを見せた。
 「3着権利だし、一番人気だったから緊張しました。2コーナーで後ろを振り返ったら森田さんが来ていたので、合わせてまくりました。楽な展開だったし、恵まれましたね。でも、今日はちょっと重たかった。大塚さんとみっちり練習してきたので、腰が筋肉痛なんですが、明日になれば楽になると思います」
 中村良二がきっちり追走して2着に流れ込み、九州ワンツー決着となった。
 「付いていくのは余裕があるんですけどね。まあこんなもんでしょう。もう少し詰められてもいいけど、2週間空いていたからレース勘も鈍っていたのかな。平塚は記念で順位決定Aに乗ったことがあるし、A級初Vも飾っている相性のいいバンクなんです」


<5R>
鈴木愼二選手
鈴木愼二選手
   鈴木愼二(写真)が目標不発の展開から俊敏に内を突くと、直線で中を鋭く割って突き抜けた。
 「後方になったけど、バックで(須藤が)仕掛けてくれれば、まだ良かったんですけどね。もう内に行くしかなかった。上手くコースが空いてて良かったです。今年初勝利が地元記念ですからね。こんなに嬉しいことはありません」
 中団からまくった中石昌芳は惜しくも2着となったが、納得の表情を浮かべる。
 「作戦通りだったんですけどね。もう少しスコーンとまくれれば、ラインで綺麗に決まっていたかもしれません」


<6R>
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
   吉本卓仁(写真)が最終ホーム手前、七番手から一気に巻き返すと、そのまま後続を寄せ付けずに完勝した。
 「緩んだら仕掛けようと思っていたし、高橋(陽介)さんが流していたから出切れましたね。前々回の小倉で高橋さんと対戦したけど、そのときと同じような展開になりました。ここに来る前にかなり練習したし、いいときの状態に戻っています。これからどんどん点数を上げていきたい」
 吉本の番手にはまった高橋陽介だが、直線に入っても差は詰まらなかった。
 「押さえるのにかなり脚を使いました。1車なのは分かったんですが、結構スピードが合っていたから、突っ張るか迷いました。バック踏んで番手に入ったのできつかったです。でも、吉本君は調子いいので、こういう展開もあると思っていました」
 吉本の踏み出しに千切れた地元の小笠原弘高だが、立て直してしぶとく3着に入った。
 「もうダメだと思ったんですが、上手く内を斬り込んでいけました。3着まで何とかと考えていたけど、二次予選Aに乗れて良かった」


<7R>
藤野義高選手
藤野義高選手
   最後の直線で4人が落車する波乱のレースとなったが、藤野義高(写真)が鋭脚を発揮して先頭でゴールを駆け抜けた。
 「小泉(俊也)君があんなに早くカマすとは思わなかったけど、その展開も想定していたし、いい展開になったんですけどね。ちょっと自分が焦って中に行ってしまい、小林(弘和)君が落車してしまったのが…。調子はいいですね」
 石川雅望は後方の七番手から豪快に外をまくり上げ、二次予選Aに進出した。
 「小林さんがやる気だったし、打鐘で前に出られてしまって引くのが遅れてしまいました。でも、余裕はあったし、4コーナーではいけるスピードだったんですけどね。ぶつかって止まってしまいました。踏んだ感じは前回より全然いいと思います」


<8R>
新藤敦選手
新藤敦選手
   松坂洋平が松村友和を突っ張って先行。新藤敦(写真)が絶好のチャンスをモノにし、今年初勝利を飾った。
 「洋平は練習でも強いので、信頼していた。一生懸命に駆けてくれたし、後ろの宮倉(勇)さんにしっかりガードしてもらった。今日は本当にラインのおかげ。ラインで上位独占できて嬉しい。抜けないと思ったけど、何とか抜けました。練習の成果が出たと思います」
 先行した松坂洋平が末良く2着に粘り、地元コンビで連を独占。
 「駆けた感じは悪くなかった。でも、最後はスカスカして新藤さんに差されてしまった。普段の練習じゃ抜かれないのに悔しいですね(笑)」


<9R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
   飯野祐太と松尾淳の先行争いを見ながら中団で脚を溜めていた三宅達也が好回転でまくって快勝した。
 「人気になって緊張したので、勝ててホッとしました。流れが向きましたね。1センターぐらいから踏んで、バックで出切り、そのあとも流れてくれました。ケンボウ(大塚)とワンツーが決まって良かったです。平塚は成績が悪いので、これで流れが変わってくれるといいんですけどね」
 大塚健一郎(写真)はゴール前で鋭く迫ったが、届かなかった。
 「結構練習してきたけど、感じは悪くないですね。今日は達也が強かった。でも、ハンドルを投げるのが少し早かったかな。抜ければベストだったけど、修正すれば問題ないと思う」
 まくり不発の石橋慎太郎は首を傾げる。
 「いつもと違って、何カ月もレースを走っていないような感覚でした。流れにも乗れなかったし、重く感じました」


<10R>
加倉正義選手
加倉正義選手
   松岡貴久がカマして先行。加倉正義(写真)は踏み出しで離れたが、付け直して直線一気の追い込みを決めた。
 「松岡が強かったです。内から(富弥昭に)来られて見ているときに踏まれたので、離れてしまった。でも、追い付いて1着が取れたんで調子はいいと思います。久しぶりの記念でどれだけ戦えるかと思っていたけど、いいスタートが切れました」
 地元の高木隆弘が2着に突っ込んだ。
 「最近は脚を使わないで四角を迎えることがないけど、その割には良く伸びている。今日も桐山(敬太郎)を迎え入れてから踏んだけど、伸びは悪くなかった」
 逃げた松岡貴久も3着に粘り、優秀競走への切符を初めて手にした。
 「あのままなら中団で良かったんですが、内から来られて前に押し出されたので、そのまま行ってしまいました。前もまだ踏んでなかったですから。身体の反応は良かったと思います」


<11R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   三番手からまくった稲垣裕之を山田裕仁が楽に追い込んで1着。ファンの支持にきっちりと応えた。
 「人気になっていたので、緊張しました。稲垣が前々に踏んでくれたし、上手いレースをしてくれた。結構かかっていたし、強かったけど、自分も余裕はありました。前回がオーバーワークだったので、今回がちょうどピークの感じですね」
 稲垣裕之(写真)は直線末を欠いて3着。
 「三番手をすんなり取れたし、無理に行く必要はないですからね。思った以上にホームで北津留(翼)君に踏まれてしまったので、ちょっときつかったです。2着なら良かったんですが、最後、有賀(高士)さんに差されてしまったので、いいとは言えませんね」
 2車でも果敢に主導権を奪った北津留翼は「今日は自分の調子を確かめる意味でも先行しようと思っていました。ホームは流れてくれたけど、バックで踏めていない感じがしました。修正するポイントは分かったし、明日また頑張ります」と気持ちを切り替えた。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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