『平塚競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:4月30日


 平塚競輪場開設59周年記念「湘南ダービー」は今日が2日目。初日と同様、快晴に恵まれた絶好のコンディションの中で、各レースヒートアップし、白熱した攻防が繰り広げられた。メインの優秀戦「湘南グランプリ」を制したのは山田裕仁。四角ハコの絶好の展開を生かして快勝し、明日以降へ弾みを付けた。
 場内では様々なイベントが開催されます。明日(1日)は早朝予想会「ウキウキモーニング」(10:00~10:15)や、キャン×キャンのお笑いライブ(5R、8R終了後)などが行われます。どうぞ湘南バンクにお越しください。


<5R>
斉藤正剛選手
斉藤正剛選手
   5レースから、二次予選Bがスタート。中団を確保した、斉藤正剛(写真)が二角まくりで逃げた塚本勝士を仕留めた。
 「今日は中団を絶対に取って、そこから何でもやろうと決めていました。松岡さんが来たから合わせたけど、本当はもっと車間を取りたかったですね」
 マークの金古将人は2着に食い下がった。
 「斉藤があそこから行くとは思わなかったけど、松岡(彰洋)も来ていたしね。最後、思い切り抜きに行ったけど抜けなかった。今日の斉藤は凄かったな」
 3着には塚本マークの志村勇二が入線。審議対象になったが、セーフの判定を受けてホッと胸をなで下ろす。
 「今日は展開だけですよ。最後、内にドドってこられたけど、落ち着いて対応できました。最近、持病の腰痛が段々と癒えてきて、ようやく走れる状態になってきたんです。そこで結果がでてうれしい」


<6R>
小泉俊也選手
小泉俊也選手
   6レースでは小泉俊也(写真)が大健闘。結果は3着だったものの、連日先行策に打って出る積極性が光っていた。
 「後ろ攻めは予定通り。早めに切ると中団の小岩(大介)が先行しやすくなってしまうから、どうにか小岩君に一回切らせたかった。実際そうなったし、彼が流した時点でここが勝負どころだと決めて一気に仕掛けました。2日間逃げて結果がでているし、自信になりました」
 1着は山口貴嗣がゲット。小岩が内に包まれ、仕掛けどころに窮すると、2センターから外に車を持ち出した。
 「あのまま内を踏んでも届かなかったでしょう。小岩君には悪かったけど、外に踏ませてもらいました」
 その小岩大介は「今日は先行するつもりでした。小泉さんが切ってくれれば行けたけど、全く来なかったから仕方なく切った。相手の戦術にハマってしまいましたね」と完敗を認める。
 まくり追い込みを決めた吉村和之は2着を確保し、「鈴木(愼二)さんのブロックが効いたけど、2着までに届いたわけだから良いでしょう」と納得。


<7R>
井上貴照選手
井上貴照選手
   7レースは松村友和の先行一車の展開に。松村後位がもつれると、井上貴照(写真)が好回転で松村をまくりきった。最後はマークの篠崎高志に交わされたが、「今日は目標も無いし、もつれた時点で前に踏もうと。判断も冴えていたし展開も読みどおりになった」としてやったり。
 勝った篠崎高志は「これが今期初勝利なんです。しかも勝ち上がり戦でと、最高の場面で勝てました。井上さんのおかげですよ。本当に嬉しい」と喜びを爆発させて、まるでお祭り騒ぎだ。
 一方、常川佳介は松村ラインのカマシに離れてしまい、3着入線にも「松村君が三角の登りを使って踏んだから、出脚が狂ってしまった。絶対に付いていかなければいけないのに、やってしまいました。恥ずかしいレースをしてしまった」と表情は険しい。


<8R>
飯野祐太選手
飯野祐太選手
   8レースからは2次予選A。レースは、中団三番手に入った飯野祐太(写真)がバックまくりで快勝。軒並みそろった同型を力でねじ伏せた。
 「打鐘後に石橋(慎太郎)さんと牛山(貴広)さんを叩こうとしたら、(石橋が)引いて三番手が空き気味になったんで、牛山さんのラインに付けた。あっさり良い位置が取れたのが今日の勝因ですね。踏み出しも良かったし、内容も充実していました」
 風を切った牛山貴広は末を欠き3着となったが、「昨日も含め、ここ最近は先行できていなかったので、今日は2車だろうが絶対に駆けると決めていました。3着でしたけど、先行できたし、まあいいでしょう」とさばさばしている。
 2着には牛山を利した稲村好将が。
 「最後、落車を避けたぶんスピードが落ちましたね。それでも牛山が2車で行ってくれたし、ありがたかったですよ」
 石橋慎太郎は「判断も悪かったし、レースがいまひとつ見えていませんね。感覚も悪いし、ちょっと自信を落としましたよ…」と噛み合わないコンディションをぼやく。


<9R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
   9レースは地元・松坂洋平、渡邉一成、北津留翼、石川雅望にラインができる四分戦。入れ替わりの激しい攻防を制したのは渡邉一成(写真)。中団三番手をキープすると、逃げた石川を豪快なまくりで抜き去った。
 「今日は中団を取って、どうやって仕掛けるかを考えていました。あとは北津留より先に仕掛けたかった。バックから仕掛けましたけど、結構脚を使っていたし休む間がなかった」
 内藤宣彦は小笠原弘高に内をすくわれるなど苦しい展開となったが、耐えしのいで2着に食い込んだ。
 「一旦連結を外してしまったけど、人気を集めていたのも分かっていたし、必死で追い上げました。再び付けられて良かった。どうなるかと思ったよ」
 松本大地が北津留マークから直線外コースを鋭く伸びて3着に。
 「2センターで翼が外に踏んだから、内に行こうとも思ったけど、外をあれだけ踏んでくれていたわけだから付いて行きました。スピードをもらって良く伸びましたね」
 地元勢は、松坂に吉川誠と小笠原弘高が付ける磐石な態勢だったが、空中分解してしまった。
 「今日は前に任せていた競走だったし、仕方がないでしょう。脚には余裕があっただけに勿体無かったです…」


<10R>
富弥昭選手
富弥昭選手
   10レースを勝ったのは富弥昭(写真)。単騎で俊敏に立ち回ると、ショートまくりを決めて別線をまとめて粉砕した。
 「桐山(敬太郎)が先行したから南関の後ろにいたけど、三番手の武井がずっと内を締めていたから外を踏んだ。武井が内を差していて踏むコースができたのも好都合でした。単騎で気楽にやれたのが良かったですね」
 藤野義高(2着)は富弥昭のまくりにスイッチし、直線を鋭く伸びた。
 「ちょうど良いタイミングで富君が仕掛けてくれたので乗っていけた。流れにうまく乗っていけましたね。直線での伸びもここ最近には無いほど良かったし、今は走っていて手応えがある。明日以降も続けばいいですね」
 高橋陽介を叩いて先手を奪った桐山敬太郎は、ゴール前で失速し着外に沈み、「何としてもラインで決めなければいけない展開でした。もっと積極的なレースがしたかった。本当に悔しい…」と唇を噛む。
 桐山マークの遠澤健二が辛うじて3着に入線。しかし「最後、桐山がかなりタレていたけど、苦しい展開をしのいで先行してくれたわけだから、何とか残したかった。外をひとりくらい突っ込んでくると思ったけど、まさか2車に行かれるとは(苦笑)」と苦笑い。


<11R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   11レースは優秀戦「湘南ダービー」。最終ホーム手前で三宅達也に車体故障のアクシデントが発生。さらに松岡貴久を後方に置き、稲垣裕之がペース駆けに持ち込むと、最後は山田裕仁(写真)が番手有利に抜け出した。
 「今日は付いているだけだったし、展開一本でしょう。稲垣の強さは分かりきっていることだし、付いていけただけで十分でしょう」
 ライン四番手を固めた有賀高士(2着)は、「自分の前輪が三宅君の後輪と接触したみたい。あそこで巻き込まれず、うまく立て直せた。それで2着なら良しとしないとね」。
 稲垣裕之は着外となったが、「今日はラインがしっかりしていたし、どんな展開になっても逃げようと。久しぶりに先行らしい先行ができました。明日はもっとよくなると思う」と清々しい表情。
 松岡貴久はバックからまくりを放つも不発に終わった。 
 「打鐘で稲垣さんが三宅(達也)さんを突っ張ったのが予想外でした。本当なら三宅さんが切ったその上を叩こうと思っていたわけですから。バックから仕掛けたけど、かかっている稲垣さん相手じゃきついですね。スピードが足りないな…」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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