『平塚競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:5月1日


 平塚競輪場開設59周年記念「湘南ダービー」は3日目を終了。好天の下、準決勝4個レースをメインに熱戦が展開された。無傷の3連勝で勝ち上がった山田裕仁をはじめ、稲垣裕之や地元の高木隆弘らファイナリスト9名が出そろった。明日はいよいよ決勝戦が争われる。
  最終日も場内イベントは盛りだくさん。好評の早朝予想会(10:00~10:15)には競輪コンサルタントが登場します。ザ・ワイルドワンズスペシャルライブリターンズは8レースと表彰式終了後に予定されています。ぜひ、平塚競輪場に足をお運びください。


<8R>
小泉俊也選手
小泉俊也選手
   1着権利の準決勝Cを制したのは伏兵の小泉俊也(写真)だった。三番手からまくった小橋秀幸に乗って鋭く追い込み、決勝一番乗りを決めた。
  「記念の決勝は7年ぶり。涙が出るほど嬉しいです。北津留君や三宅君がいるからこのメンバーでは役者が違うと思っていたけど、奇跡は起こるものなんですね。自分が前でやりたいという気持ちもあったので、前後の並びはすごく迷ったんですが、結果的に小橋君に任せて正解でした。いい展開になったし、小橋君のおかげです。2日間、先行していたのが今日に活きました。あのレースをしていなければ、たぶん抜けなかったと思います」
  単騎の武井大介は俊敏な立ち回りから直線伸びるも、2着惜敗。
  「ギアを上げて失敗でした。三宅さんをどかして、自分も膨れてしまった。もう少しインベタで走れれば、いい勝負になったと思います。なかなか前を交わせなかった」
  まくって3着の小橋秀幸は満足そうにレースを振り返る。
  「三宅さんが引いてくれたので助かりました。三番手にいてもかぶってしまうし、その前に仕掛けようと思っていました。今日はちょっと重くて、車が流れなかったです。でも、小泉さんが1着で良かった。また頑張ります」


<9R>
加倉正義選手
加倉正義選手
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
   先行1車となった桐山敬太郎の後位が大塚健一郎と宮倉勇で競り合い。その後ろで脚を溜めていた加倉正義(写真)が直線で最内を強襲して1着をさらった。
  「(大塚)健が頑張っていたので、中割りは最後の手段にしようと思っていました。外は無理だったけど、桐山君が4コーナーで内を空ける癖があるのは知っていましたから。身体が上手く反応してくれました。昨日は久しぶりに三番手を回って気の抜けたレースをしてしまったし、結果が出て良かったです」
  番手を奪った大塚健一郎(写真)がゴール寸前で粘る桐山を捕らえて2着に食い込んだ。
  「今日はけっこう風があったので、道中の動きからきつかったです。加倉さんに迷惑をかけずに番手勝負できたのは良かった。調子も少しずつ上向いてきているし、結果が出たのが嬉しい」
  地元の桐山敬太郎は惜しくも3着で決勝進出を逃し、ガックリ肩を落とす。
  「カマシだと格好がつかないし、押さえて先行しようと思っていた。ペースで駆けて抜かれたのだから脚がないということ。内は全く気にしていなかった。大塚さんを見ちゃって空けてしまったんでしょう」
  まくり不発の山口貴弘は「番手勝負は考えていなかった。桐山君の仕掛けが遅いだろうから1コーナーをめがけて、まくろうと思っていたんですが、ちょうどそのときに内をしゃくられてしまって…。あれさえなければ、いい勝負になっていたはず」と敗因を語る。


<10R>
馬渕紀明選手
馬渕紀明選手
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
   稲垣裕之が抜群のスピードでカマして飯野祐太を叩き切ると、番手を回った馬渕紀明(写真)が渾身の追い込みを決めた。
  「稲垣君はすごいスピードでした。富さんが離れてしまったのは分かります。自分も三番手だったら厳しかったと思う。前回も稲垣君と一緒だったから、その経験が活きました。ワンツーの展開だったし、稲垣君を3着にしてしまったのは自分の力不足。勉強ですね。日に日に脚の状態は良くなっています」
  飯野祐太を利した内藤宣彦(写真)が直線外をシャープに伸びて2着。
  「飯野がけっこう踏んでいたし、来れないと思っていたけど、振り返ったらすごいスピードで来ていました。でも、2車でラッキーでした。展開が良かったですね。馬渕君も残し気味に踏んでましたから。3週間前にヘルニアの手術をしたけど、劇的に良くなっていますね。調子が良くても記念の決勝になかなか乗れないのに、手術してすぐに乗れるなんてびっくりです」
  稲垣裕之は若手の同型を相手に底力を見せて決勝に進出した。
  「飯野君も前回の最終日に僕にやれれているから今日はやる気でしたね。本当は自分が飯野君のレースをしたかった。末は甘かったけど、仕掛けのタイミングは悪くなかったと思います。今は新車でセッティングをいじっているし、踏み出しを重視していますから。でも、もう少しいじって、しっかり粘れるようにしたい」
  まくられた飯野祐太は「今日は押さえて先行するつもりでした。来るのは分かっていたけど、合わせ切れなかったから力不足ですね」と完敗を認める。


<11R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
高木隆弘選手
高木隆弘選手
   牛山貴広が積極果敢に先行。中団をキープした山田裕仁(写真)は七番手から早めに巻き返してきた渡邉一成の後位に素早く切り替えると、直線楽に追い込んで3連勝を飾った。
  「どちらが駆けても中団を取るつもりだったけど、牛山君の先行が理想だった。(渡邉は)もう少し遅く来ると思ったけどね。でも、上手く切り替えられたし、余裕もありました。調子はいいと思います」
  有賀高士は高木隆弘にからまれて山田に離れたが、内々をしぶとく踏んで2着に入り、結果的に中部ワンツーとなった。
  「命がけでしたね。苦しかった。内を踏んでいくしかなかったけど、重くてしんどかったです。一成がいい目標になって何とか追い込めました。今日は気持ちですね」
  高木隆弘(写真)は渡邉の踏み出しに離れたが、地元の執念で何とか3着を確保した。
  「あの仕掛けは付いていけません。内をすくわれて落車しそうになったけど、今回はツキもありますね。状態は悪くないし、明日も優勝を狙って頑張るだけ」
  渡邉一成は直線末を欠いて4着に敗れた。
  「本当は中団でフタして押さえて駆けたかったんですが、牛山さんもそれを分かってますからね。仕掛けは良かったけど、牛山さんもかかっていたから出切るまでに脚をかなり使いました。直線はもう一杯でしたね。いいレースをしただけではダメ。あとちょっとだったから悔しいです」
  牛山貴広は先行して見せ場を作った。
  「今日は小細工せずに先行するつもりでしたが、ホームで来ないと思ってペースを緩めてしまったのが失敗。スピードが乗り切らなかったです。明日も先行して見せ場は作りたい」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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