『平塚競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:5月2日


 ゴールデンウィーク恒例の平塚競輪開設59周年記念「湘南ダービー」は本日5月2日が最終日。大観衆が見守る中、激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終第11レースで争われた。レースは先制した稲垣裕之の番手がもつれたところを山田裕仁が一気にスパート。そのまま力強くまくり切り、完全優勝を達成した。2着には稲垣が粘り、稲垣の番手を死守した大塚健一郎が3着に流れ込んだ。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると内枠を利した内藤宣彦がスタートを決めて小泉俊也を迎え入れ前受け。以下、山田裕仁―馬渕紀明―有賀高士―稲垣裕之―大塚健一郎―加倉正義―高木隆弘の隊列に落ち着いて淡々と周回を重ねる。
  赤板で稲垣が上昇すると高木までが続き、稲垣は打鐘と同時に誘導を斬り先頭に立つと、小泉も踏み込んで稲垣の番手で粘った。ホームで高木が外を追い上げ稲垣の後位は三者併走となる。これを見た山田が一気にまくりを放つと、稲垣も合わせてスパート。馬渕は一瞬踏み遅れて、大塚にさばかれた高木の煽りを受け外に浮き、高木は大塚の後位に割り込んで立て直す。懸命に逃げる稲垣を、山田がバックで捕らえ、直線に入っても後続を振り切ってVを飾った。大塚は伸びを欠き、逃げた稲垣がそのまま2着に粘り込む。


山田裕仁選手
山田裕仁選手
 SSの選手が不在の混戦シリーズだったが、主役に期待された山田裕仁が連日、強力なタテの脚と自在性を存分に発揮。無傷の4連勝で文句なしの優勝を飾り、貫禄を示した。
  「稲垣の先行1車ですんなり駆けられては厳しいと思っていたけど、トカ(高木)がいたのが良かったです。地元で稲垣の番手に行ってくれるだろうし、その流れを利用した組み立てを考えていました。追い上げのつもりで踏んだけど、稲垣が流していたから、そのまま行きました。稲垣が踏んでれば、あのままトカに任せて三、四番手をキープするしかなかった。この優勝賞金はでかいけど、それよりも記念の優勝が今年2回目で、結果を積み重ねることができたのが大きいです。この後も一戦一戦をしっかりこなしていくだけです」

 先行1車の稲垣裕之は後攻めから押さえて先行したが、山田のまくりに屈して2着に終わった。
  「今日はカマシも考えたんですが、大塚さんも高木さんもマーク屋だし、押さえて先行した方がお互いに競りやすいと思ったんです。三車併走になって山田さんの動きが見にくかったですね。山田さんの仕掛けに合わせ切れなかったのが悔しいです。あれを合わせ切れるぐらいじゃないと記念の決勝では勝てませんね。まだ調子もそこまで良くないし、これから練習して状態を上げていきたい」

 大塚健一郎は稲垣の番手を死守したが、3着に流れ込むのが精一杯だった。
  「小泉さんのイン粘りも考えていました。地元の高木さんは必ず来ると思っていたけど、脚を使わずに絶妙のタイミングで追い上げてきましたね。アンコになったから厳しかったけど、何とか死守できました。稲垣君を援護してからの直線勝負だから仕方ないですね。調子は上がってきているので、これからです」

 地元の高木隆弘は目標不在のレースとなったが、勝負どころで稲垣の番手に追い上げ、見せ場は作った。
  「やることは決まっていた。道中はサラ脚でいたかったから四番手に付いていたけど、小泉君が粘らなくても、追い上げるつもりだった。読みどおりの展開になったし、決まったと思ったんですけどね」

 前受けからイン粘りに出た小泉俊也はこうレースを振り返る。
 「作戦は考えていなかったし、出たとこ勝負。イン粘りは全く考えていなかった。打鐘で内を突いて前に出れれば良かったんですけどね」

 山田に付け切れなかった馬渕紀明は「山田さんが2コーナーで休んだと思って内を見たときに、高木さんに当たられてしまった」と話す。

ゴール




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