『平塚競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:4月29日
ゴールデンウィークの到来と共に幕を開けた平塚競輪場開設60周年記念「湘南ダービー(G3)」。今回は直後にSSシリーズが開催されるため、SS班の選手は不在だが、その分、勢い抜群の若手機動型が勢揃い。初日も坂本亮馬や佐藤友和、地元の桐山敬太郎らが好気合いを見せ二日目優秀へと駒を進めた。
なお、明日(30日)も専門紙記者による早朝予想会「ウキウキモーニング」(9時55分~)や「浅倉南、40歳~」でおなじみのいとうあさこさんによるお笑いライブステージ(5、8R終了後)など、豪華イベントが目白押しですので、ぜひ本場へ脚をお運びください。
<1R>
ゴール直前で各車が横一線に広がる大混戦となったオープニングレースを制したのは、先行ラインの3番手から鋭く伸びた
宮本佳樹
。3連単37万円車券の高配当を演出した。
「僕だけすんなりだったし、展開に恵まれただけ。ただ、ずっとケガに苦しんでいた中で、展開さえ向けば1着が取れることがわかっただけでも大収穫です。この勝ち上がりは大きいし、明日も集中して頑張るだけですね」
<2R>
杉山剛
がレース巧者ぶりを見せ付けた。打鐘で押えに来た房州輝也を突っ張ると、今度は強引な仕掛けで後ろが離れた片寄雄己を出させてその後位にはまり込む。直線に入ると満を持して追い込み1着をもぎ取った。
「僕がすんなり下げれば7番手だし、房州君も大ギアだから、突っ張れば絶対に引くと思っていた。ハナから前に出させるつもりはなかったですよ。単騎になった片寄さんを出させてからは、踏まずに回して脚を溜められました。余裕もあったし、落ち着いてレースが出来ましたね。ここに来る前にしっかり乗り込んできたし、今回はデキも良いですよ」
<3R>
大乱戦を制したのは
平澤秀信
。最終バック6番手から空いた内を鋭く突き抜けS級初勝利を飾った。
「かなりゴチャ付いていたけど、僕はすんなりの展開でした。流れは見えていたし、どこを踏もうか考えていたら、きれいにコースが開きました。今日はただただ、展開に恵まれただけで実力とはいえないけど、それでも1着って気持ちいいですね」
地元を連れた
鈴木裕
は果敢な先行で2着に粘りこんだ。
「最後は一杯になったけど、自分がやりたかったレースはできた。明日はもっと脚も軽くなるはずだし、また先行でしっかり結果を出したいですね」
<4R>
三浦靖
が鋭脚を炸裂させた。最終バックからまくった鈴木伸之の3番手から直線大外を桁違いのスピードで強襲し、ゴール寸前突き抜けた。
「鈴木は何でもできるタイプだから信頼して、僕はただ付いていくことだけに集中しました。最後に伸びたのはギアを上げた効果が出たのでしょうね。ギアを上げると踏み出しに離れる心配があるけど、リスクを犯さないとそれだけの結果しか出ませんからね。記念で初日に勝ち上がりを逃すと、後の3日間は地獄のような日々だし、ここをものにできたことは大きいですよ」
<5R>
旭健太郎選手
最終バックから仕掛けた坂木田雄介の番手を追走した
旭健太郎(写真)
がゴール寸前で坂木田を捕らえ1着。地元戦初日で白星発進を決めた。
「最後までスピードが落ちなかった坂木田さんを交わせたので悪くはないね。地元だと、どうしても気合いが入るし、いつもはそれが空回りしてしまうけど、今日は良い結果が出てくれて良かった。僕もいい歳なので4日間今日の状態がキープできるかはわからないけど、そこをごまかしつつ勝ち上がっていきたいです」
快速まくりを見せた
坂木田雄介
だったが、レース後は反省も忘れない。
「結果的に、ラインでワンツースリーだし、先まくりを打った内村君を利せたことも良かったけど、本来なら、打鐘の2センターでカマせる流れだったし、そこを行けなかったことが反省点。もっと集中して、明日以降は修正していきます」
<6R>
近藤誠二選手
後ろが離れ単騎となった上野真吾に阿竹智史がはまり込むと、阿竹ライン3番手の
近藤誠二(写真)
が最終4角で内を突き、直線で阿竹と上野の中を割って鋭く突き抜けた。
「4角では被り気味だったし、前の二人が外に踏んだので内に行かせてもらいました。今日はすんなり3番手を追走できたし、余裕もあった。最近は調子も良いし、86にギアを上げてからは結果も出ている。明日も狙っていきたいですね。
上野後位から追い込んだ
阿竹智史
は近藤に抜かれて2着。
「上野君が単騎だから出させたら、思いのほか口が開いてしまい、追いかけるので脚を使ってしまった。展開は絶好だったけど脚が残っていませんでした」
上野真吾
は3着の結果にもガックリ。
「後ろが離れているのはわかったけど、阿竹さんに逃がされてしまった。競走が下手すぎます。脚に問題はないので、明日はレース内容も重視した組み立てをしなくてはですね」
<7R>
立石拓也選手
天田裕輝が内に詰まり関東勢の隊列が乱れると、最終1センターから3番手の朝倉佳弘が単騎でまくり発進。これをぴったりと追走した
立石拓也(写真)
が直線で朝倉を交わし1着を奪取した。
「朝倉君が良いタイミングで仕掛けてくれて、スピードがもらえました。やっと、展開に恵まれた。日ごろの行ないの良さがようやく実を結びましたね(笑)。それでも最後はやっと交わせたって感じ。一杯一杯でしたよ。これで今期2勝目。今日の勝利がきっかけになればいいですね」
最後は立石に交わされた
朝倉佳弘
も好回転のまくりで存在感を示した。
「天田が後ろに下がってきたのが見えたし、僕は追い込みではなく自在なので割り切って踏ませてもらった。こういう動きを見せていれば僕ももっと良い位置を回れるはずだし、納得のレースです。最後に抜かれなけば最高だったんですけどね」
<8R>
脇本雄太選手
打鐘でハナに立った
脇本雄太(写真)
が好ペースで別線を完封。この日唯一の逃げ切りをマークし、記念デビュー戦を白星で飾った。
「ずっと競技に専念していたので、久々のピストは正直不安もあったけど、朝の指定練習から思いのほか感触は良かったです。レースも上原さんに突っ張られることだけが不安だったけど、すんなり引いてくれたし、後は落ち着いてペースで駆けられました。今の僕は挑戦できる立場だし、残り三日間も先行で頑張ります」
中団確保の
上原龍
は、全く車が進まず6着。レース後はガックリとうなだれる。
「脇本とやり合っても仕方ないし、今日は最初から中団狙い。ただ、位置を取った時点で思いのほか、脚を使ってしまった。まくるどころか、どんどん前と離されてしまった。こんなに車が出ないとはちょっとまずいですね」
<9R>
三宅達也選手
佐藤朋也の先行に対し、最終1角で5番手から仕掛けた
三宅達也
(写真)がまくりきった。
「前の吉川が仕掛ける素振りもなかったので、腹を括って自分で仕掛けました。落ち着いて踏み込めたし、感触もここ半年では一番良かった。ただ、今日は加倉さんが好リードしてくれたし、二人でワンツーできれば最高だったんですけどね」
最終バック最後方だった
南修二
が内コースを突き直線で鋭く伸びた。2着に食い込み優秀戦へ駒を進めた。
「あそこからもし松岡さんが届いたとしても、自分の着はないので割り切って内に行かせてもらった。脚の状態も悪くはないけど、きれいにコースが開いたし、あそこを踏めれば誰だって突き抜けられますよ」
3着は加倉正義から、三宅達也の番手を奪取した
武井大介
が入線した。
「三宅さんは止められるスピードじゃなかったけど、ちょうど3角で加倉さんと車が合いそうだったので、そこを狙って見ました。加倉さんは外併走のスペシャリストなので厳しいと思ったけど、ダメ元で思い切り行ったら、ちょうど良いタイミングで当たれました。自分で動いた結果だし納得ですよ」
佐藤慎太郎
は絶好のハコ展開をものにできず「追走で脚が一杯。思った以上に調子が良くないのかな…」とガックリ。
<10R>
佐藤友和選手
巧に3番手を取った
佐藤友和(写真)
が最終2センターから踏み込むと、直線で豪快に差し切った。
「脚も使わずに3番手を取れたし、僕が3番手に入った事で、前の牛山も流し辛くなったと思う。思い通りの展開になりましたね。新フレームも感触は悪くないし、ギアが少しスカスカしたけど、軽い分にはいくらでも修正できますからね。また、明日も頑張れそうですよ」
最終バック9番手で万事休すかと思われた
加藤圭一
は、すっぽり空いた内を付いて2着に強襲した。
「『石橋のスピードをもらって内』と決めていたけど、思った以上にみんなが車を外に出し、きれいにコースが開きました。脚の感触も悪くないし、何より優秀戦に進めたことが大きいです」
柴崎淳がまくり不発に終わると、すかさず内に切り込んだ
吉村和之
が3着。
「3番手だと気楽に走れるし、脚を溜められた。最後は良いコースがあいたし、これで点数も上積みできますね」
<11R>
坂本亮馬選手
先行した桐山敬太郎に対し、3番手に入った
坂本亮馬(写真)
が直線で鋭く追い込み鮮やかに抜け出した。
「疲れがたまっているし、ケアもできていない。決して万全とはいえないけど、その中で結果は求められるし、それに応えなくてはいけない。細切れ戦は得意だし、うまく組み立てでカバーできました。最終2センターから踏み込んだけど、飛んだかと思うほどきつかった。アップアップだったけど、なんとか勝ててよかったです」
ライン2車も果敢に先行した
桐山敬太郎
が2着に逃げ粘り、自身初の二日目優秀へと勝ち上がった。
「元に戻したフレームも感触は良かったし、ここに向けてしっかり調整をして、その上で結果を出せたことは大収穫。今日は風が強かったけど、その中で先行して残れた事は自信になりますね。全員格上の選手を相手にこの結果が出せたし、明日も頑張れそうですね」
香川雄介を内からどかし、坂本亮馬の番手を取りきった
岡田征陽
だったが、タイヤ差の4着で優秀戦進出はならず。
「流れも読みどおりだったし、上手く坂本の番手を取れた。そこまでは良かったんですけどね。最後に色気を出して内を見てしまった。あそこを素直に外に踏んでいれば間違いなく3着に入れていたはずだし、そこだけが悔やまれますね。やっぱ、優秀に乗れれば気持ち的にも一気に楽になりますからね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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