『平塚競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月5日
 平塚競輪開設63周年記念「湘南ダービー」は3日目が終了。S級S班からは武田豊樹が唯一の勝ち上がり。他にも好調な根田空史、井上昌己に加え、デビューからまだ11カ月の三谷竜生と、フレッシュな顔も加わり、ベストナインによる決勝戦が争われます。
 平塚競輪場では最終日も引き続き早朝予想会「ウキウキモーニング」(9:55~10:15)を実施します。場内では浅香唯さんによるスペシャルライブ(6R、9R発売中)も予定されています。最終日のレースとともにお楽しみください。
<9R>
根田空史選手
根田空史選手
高木隆弘選手
高木隆弘選手
 ここからが準決勝3個レース。打鐘2センターで叩いた守谷陽介が意を決して先行態勢に。根田空史(写真)は後方6番手となるが、最終1センター辺りからの豪快な仕掛けを披露。2着を6車身千切る圧勝劇で決勝戦一番乗りを決めたが、レース後は不満気な表情をのぞかせる。
 「3日間とも逃げてないので。自分が先行出来ていたら、ラインの3人で決めることも出来た。勝つには勝てたけど、モヤモヤしか残っていません。1着を取ってこんな気分は初めてですよ。人気になってたのもあるけど、突っ張って逃げる勇気を持てなかったし、そんだけ脚に自信がないのかもしれません。新しいフレームは踏み出しとかは良いけど、実戦では初めてだし、固さとかの影響が身体にきてるのかもしれないですね」
 高木隆弘(写真)は根田の仕掛けに離れながらも必死の追走。2着入線で地元記念の決勝進出を果たした。
 「後ろになってしまって参ったなと思った。なんとか付いていこうとした結果2着に入れて良かったですよ。精も根も尽きてしまった感じだけど、明日(決勝で)3着に入らないと小倉(競輪祭)に行けませんからね。あと1日頑張ります」
 3着入線は三谷竜生。最終2センターでは香川雄介に身体を当てられたが、直線で再度伸び返し、デビューから11カ月で自身初となる記念決勝の舞台へ駒を進めた。
 「打鐘から行こうと思っていたら、守谷さんが仕掛けて、たまたまその3番手に入れた感じですね。とにかく必死だったので、あまり展開とかは覚えていないです。今回は実力じゃなくてたまたま決勝に乗れただけだし、課題ばかりで内容は不満だらけ。決勝はトップクラスの人と走れるし、大きい舞台を経験するチャンス。頑張りたいですね」
 山崎芳仁は菅田壱道を目標に決勝の舞台を目指したが結果は7着。
 「最終ホームで壱道が内に差しちゃってるし、そこでシビアに切り替えないと行けないんですが…。今日は前に任せていたし、まだ壱道の脚が残ってる感じだったので待ってしまいました」
 先行した守谷陽介は末を欠き8着の結果。
 「2車だったけど、順番的にも先行でしたから。着を狙うんじゃなくて、積極的に自分のレースは出来たかなと思います。攻めた結果だし、これを続けて脚を付けていきたいですね」

<10R>
牛山貴広選手
牛山貴広選手
小林大介選手
小林大介選手
 10Rは人気の深谷知広が敗れる大波乱の結末。後攻めの深谷は、打鐘で前をうかがうが、正攻法から突っ張る上野とモガき合う。最終ホームで上野を捕らえたが、深谷ラインの動きに乗った牛山貴広(写真)が最終2コーナーから仕掛ける。牛山は前団を飲み込むと、直線もしっかりと踏み切って勝利した。
 「今日は初手で中団の位置を取れたことが大きかったですね。上野君も前で頑張っていたし、今日のレースは展開も大きいですよ。初日特選で武田さんの番手で6着に敗れたことが大きかったですね。気持ちが入りました。行くしかないんだけど、自分が仕掛けた時は行けないと思いながらの踏み出しでした。まくり切ったけど、また(深谷が)外を伸びてくると思って必死でした」
 牛山をマークした小林大介はまくり切った直後に内を締めて深谷のコースを防ぐ。岡光良が3番手から追い込んで2着となった。
 「記念は初の決勝進出でうれしいですね。いつも準決勝は8、9着のことが多かった。目標と流れの良さで勝ち上がることが出来ました。仕掛けに離れそうになったけど、離れたら終わってしまうと思って必死でしたね」
 小林大介(写真)は3着の結果にも納得の表情。
 「深谷君はケタ外れに強いから、まくり切った後も内を伸びて来るんじゃないかと思ってすぐに締めました。その分伸びを欠いちゃったけど、久々に決勝に勝ちあがれて嬉しいですね。前に記念の決勝に勝ち上がったのは、準決Cを突破して優勝した久留米記念(2010年6月)。だから本当に久しぶりなんですよね」
 逃げた深谷知広は8着に沈み「自分がカカってなかったので。力不足です。力があれば乗り越えられる展開ですから」とレースを振り返った。
 上野真吾は結果的に深谷を苦しめた。
 「前からの組み立てになったので、後ろの様子を見ながらでした。牛山さんが動かなかったし、打鐘まで来なかったので突っ張りに行った。突っ張りきる脚があればいいんですが、力が無いので飛び付くしかなかった。何もせず負けたんじゃないし、やれることはやった結果。強くなるには脚を付けないといけないですね」

<11R>
井上昌己選手
井上昌己選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 武田豊樹は最終ホームからのカマシ先行で最終主導権を奪うが、井上昌己(写真)が最終バックからまくりで応戦。武田を鮮やかにまくり切って勝利した。
 「前の動きを見ながら、上手くタイミングが取れました。まくった感じは、最後の方で吸い込まれていく感じだったし、上積みが出来ているのかもしれませんね。でも前の武田さんが脚を使っていたし、展開面もよかった。前半の2日間は脚をほとんど使ってなかったし、いい感じで走れました」
 吉村和之は井上に続く形で2着入線。
 「全て理想どおりですね。昌己が上手く仕掛けてくれたのを付いていっただけですよ。深谷はガツンガツンと力で踏んで行くけど、昌己はスッと流れるように踏むんですよね。今回はみんなに頼って頼っての結果ですが、大きな舞台を走れるのは大きい」
 逃げた武田豊樹(写真)は3着に粘った。
 「苦しかったですね。荻原(尚人)君がレースを作るのが上手いし、今日は井上君がポイントとなると思ってました。流石ですよね。もう少しいい着を取りたかったが、逃げて3着だからまずまずでしょう」
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