『平塚競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:5月3日
 平塚競輪開設65周年記念「湘南ダービー(G3)」が、5月3日に開幕した。季節外れの暑さの中、トップ選手たちが白熱したレースを繰り広げた。メーンの特選は村上義弘、新田祐大に脇本雄太が勝ち名乗り。2日目は優秀戦をメーンに、二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 2日目も平塚競輪場ではイベントが盛りだくさん。早朝予想会「ウキウキモーニング」(9:55~10:15、大テント下特設ステージ)や、「仮面ライダードライブ&鎧武」ヒーローショー(10:00~、9R終了後、ログステージにて)などのイベントを予定しています。4日の2日目も「湘南ダービー(G3)」をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
 オープニングレースは、いきなり2人が落車のアクシデント。レースは矢口大樹が椎木尾拓哉を押さえて打鐘で主導権を握る。城幸弘は、矢口ラインを追って車間の空いた4番手に収まると、2コーナーから踏み上げ前団をまくり切った。
 「矢口君がいったらすぐカマして行くって作戦でした。緩めると思ってたけど、そのまま行っちゃいましたね。椎木尾君も内から復活してきたんで、避けて、まくって。(仕上がりは)大丈夫そう。踏んだ感触も悪くないし、風も感じませんでした」
 岡村潤は城をけん制するも止められず。直線入り口で矢口を交わして2着に入線。
 「止められるなら、止めたかったけど、技術不足で引っ掛けられなかった。でも、矢口が強かったですね。点数以上の脚はある。今日は矢口のおかげだし、ライン全員で勝ち上がれたので良かった」

<2R>
河端朋之選手
河端朋之選手
 後ろ攻めの大谷靖茂が河端朋之(写真)にフタをすると、打鐘で踏み上げ先行策。最終ホーム7番手に置かれた河端だったが、1センターから仕掛けると、前団をひとまくり。2着にも原誠宏が続き、中四国で連独占となった。
 「(大谷ラインが)2車だから、切って(いかせようと)と思ってたけど。ああなったら、まくりになるかなと。あとは、タイミングだけでしたね。(感触は)もうちょっといけるかなって思ってたんで、そこまで出は良くなかったですね。明日は踏み出しだけしっかりできるように調整します」
 中団を確保した吉田裕全は河端に合わせて出るも、力負けして3着。何とか二次予選進出を決めた。
 「途中車間を空けていたけど、あれで行かれちゃったら…。力負けしましたね。でも、今回は調子を維持できている。梅山(英樹)さんと上がれたし、年末の岸和田と一緒で大人数に見られてると強いですね(笑)」

<3R>
 吉川誠が打鐘で前に出ると、その上を猪俣康一が強引に叩いてレースを掌握する。猪俣はケレン味なく駆けると、最後は三浦稔希が好展開を物にした。
 「猪俣君のおかげです。早め、早めっていう気持ちの良い、気持ちのこもったレースをしてくれましたね。すごいスピードで(後ろから)来る気配がなかった。ラインで決めれれば良かったけど…。でも、今年初勝利なんで、とりあえず良かったです」
 猪俣康一が2着に粘り、中部でワンツー決着となった。
 「きつかった。吉川君も緩んでなかったんで、無理矢理いきました。吉川さんも一回踏んで脚を使っているので、叩いちゃえばって思ってましたね。(踏んだ感触は)もうちょいです」

<4R>
竹田和幸選手
竹田和幸選手
 永井清史が後方から上昇すると、先頭の飯山泰行を押さえてハナに立つ。飯山は引かずに番手で併走。永井はペースで駆けると、最終ホーム前からギアをトップに入れる。番手の竹田和幸(写真)は踏み出しで一瞬口が空くも立て直し、最後は直線で差し切った。
 「正直、はじめの踏み出しで離れていくんだなって思ってました。内で粘られはしたんですけど、併走ってだけだったんで。(状態は)正直良くないですね。6、7割ってところ。ハコ回っても1着を取れる感じがしなかったので、1着で嬉しいです」
 飯山泰行は結局4番手まで車を下げて、2センターから踏み上げるも2着まで。
 「本来、あそこは番手にいかなくちゃいけないですよね。勉強不足で後ろに迷惑をかけました。引いて、立て直してでも良かったけど、永井さんなんで。地元が付いて先行できなかったのは悔しいですね。でも、気持ち的にあそこは引かなかったから3着以内につながったと思います」

<5R>
 黒川茂高、中井勇介で激しい主導権争い。レースはもつれて、最後の直線で布居寛幸、山内大作、飯田裕次の3人が落車するアクシデント。最後方から伏兵の島田竜二が突き抜け、高配当を演出した。
 「飯田が頑張ってくれたけど、終始、踏み遅れてきつかった。もう必死だった。4コーナーから重かったんですが、最後は伸びましたね」
 及川裕奨は内に詰まる厳しい流れとなったが、最終3コーナーから大外を踏み込んで2着に突っ込んだ。
 「後ろから1回押さえて、どうするか。引いて4番(飯田)に入られてヒヤッとしたけど、4番の仕掛けに乗る形で踏めました。とりあえず勝ち上がれて良かったです」

<6R>
根本哲吏選手
根本哲吏選手
 藤井昭吾が打鐘過ぎから主導権を握ると、根本哲吏(写真)は絶体絶命の7番手で最終ホームを通過する。それでも根本は1センターから巻き返すと、大外を回して別線を粉砕した。
 「踏み出すタイミングも良くなかったし、展開的にも最悪でした。何とか届いて良かったです。でも、風も感じなかったし、普段は先行しているので、まくりはそこまで疲れない。(状態は)1着を取れてるんで、悪くはない。記念で1着は大きいですね」
 風を切った藤井昭吾は根本に屈するも、その後は誰も前に出させず2着に粘った。
 「出し切りました。坂本(亮馬)さんが切ってくれて、打鐘では駆けないと思ってた。(その後は)ペースで。力負けですね。郡(英治)さんとか付いてきてくれれば良いなって思ってたけど、いい展開でした。(状態は)2着に残ってるんで、良いんじゃないですか」

<7R>
 人気を集めた稲毛健太が打鐘で松岡孝高を叩き先行策。番手の渡辺十夢はピタリと稲毛に付けると、最後は直線で抜け出し1着。検車場に引き上げてくると、稲毛を称えた。
 「稲毛が頑張ってくれました。僕は何もしていない。それだけですね。本人的にはかかり切らなくて、納得いってなさそうですけど、僕は評価したい。稲毛が駆けてるんで、もうないなって思ってたけど。ワンツーが決まらなかったのは、ただ宿口(陽一)君が強かっただけ。稲毛はラインで決まる競走をしてくれました」
 宿口陽一は中団外併走で苦しい展開も、3コーナーから仕掛けて2着。
 「普段、ああいう練習をしているから、それが生きたと思います。まあ、稲毛がかかってないから、届いた分もありますけどね。(感触は)良かったけど、体調があんまり良くない。でも、悪いなりには走れましたね」
 その稲毛健太は3着に粘るも、浮かない表情で「出た瞬間重かったですね。中2日で、軽いギアでもがいてきたんですけど…」と言葉少なにレースを振り返った。

<8R>
 後ろ攻めの愛敬博之が矢口啓一郎にフタをすると打鐘から主導権を握る。強引に合わせて出た矢口は愛敬ラインと単騎2車を送り出し一旦中団に収まるも、最終ホームから一気に踏み上げ前団をひとまくり。力の違いを見せつけ白星スタートを決めた。
 「7番手にならないようにだけ考えていました。後の動きは自然です。明日につながるし、自分の中では納得したレースができた。自分が今までできなかったことが、できるようになって。そんなに、すごく良くなるとは思っていないし、少し良くなって、少し悪くなっての繰り返しだから、そこは諦めずにやるしかない。でも、少し良い手応えはつかんだと思います。明日から強い人と戦うんで、考えながらいきたい」
 矢口マークの木村貴宏は、踏み出しで口が空くも、気持ちで追い上げて2着に入線。
 「きつかった。6番手にでも入ろうと思ったけど、入れないし、なら前で併走した方が良いかなって。でも、矢口が強かったし、すごいスピードでしたね。(自分は)絡んだのをしのげたんで、そこだけは良い所ですね」

<9R>
武田憲祐選手
武田憲祐選手
 予選のメーンを制したのは、地元の武田憲祐(写真)だ。打鐘で前に出た谷口遼平に、岩本俊介が抜群のスピードで襲い掛かる。岩本は最終ホームであっさり先頭に立つと、最後は番手絶好の武田が差し切り。今シリーズ地元勢の初白星を挙げた。
 「(ファンの応援に)緊張しましたね。岩本君は前回弥彦のホームで離れた残像があって、何とか付け切って後ろと前に迷惑をかけないことが目標でした。最後は1着を取りた過ぎて(ハンドルを)投げちゃいました。岩本君が地元を背負った走りをしてくれて、感無量です。今日は満足。明日は切り替えて走りたいと思います」
 2着に粘った岩本俊介は変わらず好調を維持している様子。
 「平塚は軽いですね。回し過ぎちゃって、大丈夫かなって思ったけど。前回弥彦で優勝できたんで、今回の初日が本当に大事だと思ってました。結果よりもどういう走りをするか。いつもどおりの走りはできたと思います。脚の状態は弥彦より軽いです」
 谷口遼平は岩本に叩かれるも、3番手の内で粘って3着に流れ込んだ。検車場に引き上げてくると、レースを振り返り反省する。
 「いつも、切ってから考えるけど、そっからがダメですね。前に出てからの踏み上げが苦手なんです…。あれを何回もやっちゃうんで、どうにかしないと」

<10R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 赤板からレースが動き、地元の期待を背負った桐山敬太郎が打鐘の2センターから果敢に先制。桐山ラインを追った村上義弘(写真)は3番手外併走から2コーナーで仕掛けると、番手の松坂洋平のブロックも乗り越え勝利した。
 「(神山に)あたられないように走ってました。2コーナー過ぎに松坂が出て行く気配があって、まずいと思ったけど、戻ったんで何とかいけましたね。いつも(稲川)翔が前で頑張ってくれるんで、今日は前で自分が頑張ろうと思ってました。翔とのワンツーは久しぶりですね」
 稲川翔は2センターですくわれた松坂のあおりを受けるも、なんとか立て直し2着。徐々に感覚を取り戻しつつある。
 「けっこう見えてるんですけど、それ以上に村上さんが強かった。勉強することだらけですね。疲れは言いわけでしかないんで。自分は自分のやることをしっかりやろうと思ってました。村上さんの仕掛けるところもわかっていたけど、2センターの判断は良くなかったですね」
 3番手の内で併走した神山拓弥は最終3コーナーで松坂をすくって3着を確保するも、レースの内容に悔しげ。
 「3番手併走になって、村上さんをさばければよかったけど。そうすれば、3コーナーからまくって1着があったけど。決めきれなかったですね。(状態は)悪くない。疲れがあって、ちょっと重いけど、こういう時は、日に日に良くなっていくパターンなんで」
 桐山敬太郎は直線で力尽きて6着に終わったが、手応えをつかんだ様子。
 「洋平も後ろにいるし。カミタク(神山拓弥)がもうちょっと(村上に)抵抗してくれれば。でも、4コーナーまでちゃんと踏めたし感じは悪くない。自力で勝負できそうですね」

<11R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 石井秀治、黒田淳と前が入れ替わると、打鐘過ぎからカマした新田祐大(写真)が最終主導権。後ろの齋藤登志信は踏み出しで離れるが、北3番手に付けた真崎新太郎が追い上げて、番手にハマった黒田淳ともつれる展開に。真崎の追い上げに合わせてスピードを緩めた新田だったが、7番手から仕掛けた石井秀治に合わせて再度踏み上げると、自らブロックして、力強く押し切った。
 「(黒田が後ろに入ったのは)わかっていました。でも、石井さんはわからなかったですね。真崎さんの追い上げは見えたんで、その気持ちに応えようと。踏み上げた感じは行かれちゃうかなって思ったけど、なんとか。ブロックって形になったけど、後ろは誰も来てなかったんで。自分が走りやすいところは、相手も走りやすいって事なんで、そこらへんも考えて。中2日だけど大丈夫です」
 合わされた石井秀治だったが、その後は冷静に対処し2着で優秀戦に駒を進めた。
 「いったかなって思ったけど、(新田の)踏み直しに合わされてしまいましたね。引っ掛けたつもりが、反対に引っ掛かった。失敗ですね。その後は冷静に番手に入って。(直したフレームは)一回金属が曲がった物を直しているんで、やわらかくなっちゃいましたね。まあ、しょうがない」
 石井に続いた加藤圭一が3着に流れ込んだ。
 「いっぱい、いっぱいですね。新田君は強いですね。今日は前と後ろのおかげ。状態は良いし、戦える」

<12R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 初日のトリの激戦を制したのは脇本雄太(写真)。細切れのライン戦は激しい出入りとなり、武田豊樹が打鐘前で主導権を握る。8番手に置かれた脇本だったが、最終ホームから一気に踏み上げると、番手の岡田征陽のブロックをものともせず、逃げる武田を2センターで捕らえた。
 「今日は8番手に置かれて、やばいと思いました。ダメもとでいったらスピードに乗れて良かったです。たまたまですね」
 2着の柴崎俊光も岡田の抵抗にあうが、こちらもしのいで、中近ワンツーを決めた。
 「ワッキーがいってからも(岡田のブロックが)来て、きつかったです。何とか乗り越えられました。ワッキーが強すぎます。武田さんの先行を8番手からまくってますからね。何とか食い下がっているので、調子は良いです」
 まくられた武田豊樹だったが、3着に踏みとどまった。
 「逃げて3着なんで、少しづつ(調子を)上げていきたい。でも、まだまだですね。それにしても長い…。(優秀戦は神山拓弥が前で)いつもの競走をしてくれれば」
 中団を確保した菅田壱道は最終2コーナーから内を進出したが、7着に終わった。
 「位置はしっかり取れてるし、動けてはいる。ワッキー(脇本雄太)があの位置から武田さんをまくっていったのは誤算でしたね。番手までいければ…」
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