『平塚競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月5日
 平塚競輪開設65周年記念「湘南ダービー(G3)」は佳境の3日目。準決勝3個レースで、決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。武田豊樹が準決勝で敗れる波乱もあったが、SS班からは村上義弘、稲川翔、岩津裕介の3人が優出を果たし、新田祐大、成田和也の実力者もファイナルに名を連ねた。ビッグレースにも劣らない豪華メンバーによる決勝は、6日の最終日に号砲が鳴らされ、65周年記念の覇者が決まる。
 最終目も平塚競輪場ではイベントが盛りだくさん。「バイきんぐ」爆笑ライブ(5R終了後、9R終了後、ログステージにて)や、「バイきんぐVS宇賀すずほ」スペシャルステージ(7R終了後、ログステージにて)などのイベントを予定しています。6日の最終日も「湘南ダービー(G3)」をぜひ本場でお楽しみください。
<10R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
村上義弘選手
村上義弘選手
 岩本俊介が前受けの脇本雄太を赤板から押さえて風を切る。絶好の4番手を確保した矢口啓一郎(写真)は、7番手まで下げた脇本の仕掛けに合わせて最終2コーナーからスパート。番手まくりで抵抗した桐山敬太郎を乗り越え、決勝一番乗りを果たした。
 「意地でも最低中団は確保してと思ってました。チャレンジャーなんで、自分の仕事をしっかりしようと。すんなり中団を取れたのが大きいですね。初日、2日目のレース内容が間違ってなかったです。番手まくりを見ちゃうと、出ないんで、そこは気にせず行きました。(このメンバーなら)行かなきゃ目立たない存在なんで、結果より動くことを考えて。でも、デキすぎですね」
 矢口マークの岡田征陽がしっかり続いて2着。関東ワンツー決着となった。
 「(矢口が)強かったし、素直に良かったです。割とわかりやすい展開でしたね。矢口君の力を信じて付いていきました。ぴったりくっついてたら抜けなかったです。でも、真崎(新太郎)さんと3人で決まったと思ったけど…。前回不甲斐なかったんで、もうちょっと調整して。決勝は4人で確定板に乗れる競走ができればいいと思います」
 村上義弘(写真)は脇本不発の展開から直線外を鋭く伸びて、真崎との際どい3着争いを制した。
 「難しいレースだったけど、脇本が行ってくれたから最後は届いた。矢口君が強かったね。踏むのが遅かったし、ちょっと見すぎた。決勝は自力で」
 地元のエース桐山敬太郎は矢口に屈し、ホーム記念優出は叶わなかった。
 「単純に力不足ですね。矢口さんが来たのはわかったけど、自分のタイミングで踏みました。踏むのが遅かったですね」

<11R>
新田祐大選手
新田祐大選手
稲川翔選手
稲川翔選手
 打鐘過ぎに先行態勢に入った松坂洋平を新田祐大(写真)がすかさず叩いて主導権を握る。そのまま他を寄せ付けない完璧な走りで完勝。完全優勝に王手をかけた。
 「スタートの位置があそこ(中団)だったんで、タイミング待ちですね。後ろが成田(和也)さんなので、連結外れないだろうと思ってて、出切ることを考えてました。出切ってからはペースで駆けられましたね。ラインもつながってたし、後は全力で踏みました。成田さんにはいつも残してもらってるし、成田さんに差されても悔いの残らないレースをしようと思って。結果として、一緒に勝ち上がれてうれしいですね。(状態は)いつも通り大丈夫」
 成田和也は新田をピタリと追走して、2着に流れ込んだ。
 「(新田は)余裕がありそうでしたね。もう、後ろは来れないかなって思ったけど、中川(誠一郎)君も、石井(秀治)君もいますし、けん制の準備もしていました。付いて行くだけは、付いていかないと。(自分の)踏み出しも悪くないですし、(緊張感があって)良いですね。選手もそうだし、お客さんもいっぱいいて、G1みたいです」
 単騎の稲川翔(写真)は初手で地元勢に付けるも、松坂洋平の上昇を追わず福島コンビにスイッチ。そのまま3番手に続くと、まくってきた石井秀治を2センターでブロックして3着を確保した。
 「頭の中では新田君を後方に置こうと思ってたんで、(初手は)あそこにいましたね。でも、新田君に真後ろから行かれるのはまずいんで、切り替えました。まあ、褒められたレースではないですね。でも、自分なりにしっかりと修正しながらやろうと思ってます。頭と体をマッチできるように。決勝は村上さんの番手で。まずは、やれることをしっかりやってですね」
 スピードは悪くなかった石井秀治だったが、「1人だけ交わすなら、ゴール前勝負ですけど…。ちょっと力不足ですね」と言葉少なに検車場を後にした。

<12R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
神山拓弥選手
神山拓弥選手
 前受けの武田豊樹は、菅田壱道、岩津裕介(写真)と続けて前に出られるが、その度に外の選手を強引にどかして踏み上げ主導権を譲らない。最終ホームで関東分断に成功した岩津は、そのまま武田を追走。早めの追い込み勝負で力強く抜け出した。
 「(インを切るのは)あんまりやらないことだったんですけど。たまたまですね。小川(勇介)も単騎だし、カマシもあるかなって思ってましたし、切っても武田さんだったんで、行くとは思っていました。確実にはわからなかったですけど。まあ、番手争いになるところを(池田)良が迎え入れてくれたおかげですね。でも、今日勝負できたのは大きい。決勝は単騎で走ります」
 武田と連結を外した神山拓弥(写真)だったが、3番手で併走していた池田をさばくと、そのまま岩津をマークする形で2着に。
 「池田さんと、岩津さんにはさまれてしまって、付いていけなかった。追い上げにいかないといけないんですけど、さばいていっぱいでした。(状態は)そんなに悪い感じはなかったです。ただ、武田さんと2回連係を決められなくて…。決勝は矢口(啓一郎)さんの番手でしっかり走りたいと思います」
 朝倉佳弘が3着に流れ込んで、約1年ぶりのG3優出を決めた。
 「(初手が)後ろ位置だと突っ張られちゃうから、前って作戦でした。あそこまでしっかり先行できる武田さんはすごい。武田さんと、(神山)拓弥のおかげですね」
 強気の走りを見せた武田豊樹だったが、直線で力尽きて4着に終わった。
 「先頭走ってる選手って気持ちがありますし。後半戦に向けての決意表明ですね。GPを勝つために、越えないといけない。あと一戦残っているんで、頑張ります」
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