『平塚競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:5月6日
 平塚競輪開設65周年記念「湘南ダービー(G3)」は、5月6日に最終日を迎えた。晴天の空の下、激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が、11レースで争われた。レースは、逃げる新田祐大を3番手からまくった村上義弘が力でねじ伏せて優勝。1月立川記念に続き、今年2度目の記念優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲で新田祐大が勢い良く飛び出し、正攻法に構える。隊列は新田-成田和也が前受け、中団に村上義弘-稲川翔、単騎の岩津裕介がこれに続き、矢口啓一郎-神山拓弥-岡田征陽-朝倉佳弘が後攻めの形で落ち着く。
 赤板前から上昇した矢口を制して村上が3番手から踏み上げるが、前受けの新田はこれを突っ張る。打鐘で村上が3番手に戻ったところを今度は矢口が一気にスパート。これも楽に合わせ切った新田が後続を確認しながら軽快に逃げる。矢口が突っ張られて関東勢は総崩れ。3番手をキープしていた村上は最終2コーナーから外を力強くまくり上げる。成田のブロックを乗り越え、新田と激しいもがき合いに。新田の抵抗を力でねじ伏せた村上が直線で抜け出して優勝。最終バックで成田の内をすくった稲川翔に続いた岩津が2着に突っ込んだ。態勢を立て直して外を伸びた成田が3着。

村上義弘選手
村上義弘選手
 今年は立川記念を優勝後、全日本、ダービー、共同通信社杯と優出を逃していた村上義弘(写真)。今シリーズの前検日でも「総合的に噛み合っていない」と不安を吐露したが、連日SS班の威厳を保ってなんとか決勝に駒を進めた。そして、迎えた決勝戦。新田祐大に突っ張られて脚力をロスするも、稲川翔に迎え入れられて3番手を確保。最終2コーナーから再度踏み上げると、新田との踏み合いを制して優勝を飾った。
 「切って、流れを見てから先行しようと思っていました。翔のアシストで3番手を取れたのが大きいですね。それからも、翔が内を締めててくれて。無我夢中で踏んだんで1着かはわかりませんでした。相手も強いし、大きな声援をもらってるんで、力を出し切れるようにって。岩津君が内からすごいスピードで来たけど、(一連の動きは)見えてなかったです」
 前回の共同通信社杯から中2日というタイトなスケジュールでも「自転車には乗ってきた」と常に準備は怠らなかった。今後も高松宮記念杯競輪、さらにその先のG1へと戦いは続く。それでも村上は「魂」の走りで年末のGPまで気持ちを切らさない。
 「本当に脚力が劣るなかで、近畿の後輩が頑張ってくれている。GPだけは常に最後と思って走ってるんですけど、年が明ければ、またGPを目指して走るだけです」

 単騎の岩津裕介は、直線を鋭く伸びたが、惜しくも2着。
 「赤板で踏んだときに新田君の3番手にいけたんですけど、村上さんがもう一回まくり行った方がいいかなって思ってたんで。(2センターで)成田さんとの併走をしのいでからも、まだ行けるかなって、諦めてませんでした。単騎なんで、2着でも結果として上出来ですね。悔しいのは悔しいですけど」

 内をすくわれた成田和也だったが、何とか立て直して3着に入った。
 「頭の中では、稲川君が内に来る予定ではなかったです。矢口(啓一郎)君も来る気配はなかったし、村上さんも止められたかなって感じはあったんですけどね。今回のレースはG1だと思って臨んでました。これだけのお客さんがいるんで、良いレースをしたかったです」

 ここまで無傷で勝ち上がった新田祐大だったが、最後は村上に屈して4着。しかし、ダービー王の名に恥じない走りでファンを沸かせた。
 「取るべき人が取った感じですね。僕もまた頑張ろうって気持ちになりました。連日、力を出し切るレース組み立てが出来たんで、自信を持って決勝も仕掛けられました。最終日が一番得るものが大きかったですね」

 関東の先頭を任された矢口啓一郎だったが、新田の動きが予想外だった。
 「新田君も言っていたんですけど、俺が行くタイミングが遅かった。突っ張った時点で切り込もうと思ったけど、相手も考えるし、すんなりいかないですよね。このスピード域になれていくしかないですね」

ゴール
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