『被災地支援競輪平塚競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月14日
 平塚競輪場開設66周年記念「被災地支援競輪 湘南ダービー(G3)」は後半戦に突入。メインの準決3個レースでは決勝進出を懸けて白熱のレースが展開され、稲垣裕之、山崎芳仁、浅井康太がそれぞれ勝利した。いよいよ明日は最終日。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が行われます。
 なお、開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。最終日は「ミニ縁日」(ログステージ対面)や、「キャベツ確認中」によるお笑いライブ(5R、9R終了後、ログステージにて)などのイベントを予定しています。ぜひ、平塚競輪場へ足をお運びください。
<10R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
山口富生選手
山口富生選手
 木暮安由の上昇に合わせた近藤隆司が赤板で前に出ると、徐々にペースを上げて先行態勢へ。木暮は佐藤龍二をキメて3番手を奪取。内から佐藤、そして単騎の服部克久が追い上げて中団がゴチャつくと、最終ホームを8番手で迎えた稲垣裕之(写真)が2コーナーからスパート。軽快なスピードで進むと、番手を奪った木暮のブロックも耐え凌ぎ前団をまくり切った。
 「激しい展開でした。近藤君が木暮君まで突っ張って出ると思っていなくて。3番手に木暮君がいるのは頭になかったです。流れは判断ミス。最終ホームの(服部の)切り替えで仕掛けるタイミングも遅れました。ラスト半周はあまり覚えていないです。体の調子は復帰後で一番まし。でも、今日もすごくしんどかったので、体のケアをきっちりします」
 稲垣のまくり屈した近藤隆司だったが、2着に粘って決勝進出を決めた。
 「今日は、合わせて出て駆けようと思っていました。ただ、木暮君に3番手に入られて迷った分、余裕がなくなってしまった。残り1周で体力がなくなってきて、あとは桐山(敬太郎)さんにお任せしようと。結果2着で良かったです。ただ、自分だけになってしまったので、今日の反省をして決勝を頑張ります」
 山口富生(写真)は稲垣と連結を外してしまうも、追い上げてドッキングに成功。最後は快速まくりに付け切って3着に入る。
 「赤板で空いてしまって、追い上げました。2センターで稲垣が絡まれたけど、様子を見て4コーナーからいこうと。稲垣に付いていけて十分です。デキも悪くない。(記念の決勝は)いつ以来か覚えてないですね」
 3番手の木暮は内から追い上げてきた佐藤を最終ホームでキメると、1センターで桐山をすくって番手を奪う。まくってきた稲垣をブロックするも、服部がインを進出して2センターは3車併走に。その後ろで武田豊樹は直線勝負にかけたが、届かず4着まで。
 「(木暮は)先行を含めて、何でもする感じだったんじゃないんですか。戦っているわけですし、見捨てるわけにはいかないので。難しいですね」
 木暮にすくわれてしまった桐山敬太郎は、昨年と同様に準決勝で敗退。
 「信頼しきっていたので、後ろに佐藤がいると思い込んでいました。外しか見ていなくて…。冷静じゃなかったですね」

<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
新田祐大選手
新田祐大選手
 赤板前から上昇を始めた中村一将ラインを追って矢口啓一郎が3番手に続く形に。地元の郡司浩平は新田祐大に蓋をして打鐘を迎えると、3コーナー目掛けて一気に踏み込む。しかし、新田がすぐさま巻き返して前団を軽々と叩きラインで出切る。そのまま軽快に風を切ると、最後は新田マークの山崎芳仁(写真)がゴール寸前で差しきった。
 「初日は抜き過ぎてしまったから反省を踏まえて脚を回しながらでしたね。新田に付いていけて良かった。いくって分かっていれば付いていけそうですね」
 2着の新田祐大(写真)は別線を完封する力強い先行を見せた。
 「3人で立てた作戦通りに仕掛けられたし、タイミングも良かったと思う。(今シリーズは)先行もまくりもできているので感じとしては悪くない」
 和田圭はライン3番手の仕事をしっかりとこなし、3着に続いた。
 「新田君は出切ってしまえば強いですからね。外を踏みたかったけど、空けたら誰か来そうだったので締めていました。その後は夢中だったから分からないけどきつかった」
 地元の郡司浩平は力を出し切れずに終わってしまいガックリと肩を落とす。
 「矢口さんが斬ったところをと思っていたんですけどね…。見てしまいました。結果的に後ろを引き出す形になってしまった。悔しいですね。力を出し切って終わりたかったです」

<12R>
南修二選手
南修二選手
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 先に斬った松坂洋平の上を、山田庸平が叩き打鐘で前に出る。山田はそのまま先行態勢に入り最終ホームは一本棒。すると、車間を詰める勢いで7番手の吉田敏洋が1コーナーからスパート。小川勇介は番手まくりで抵抗するも吉田を止められない。吉田ラインの仕掛けに続いた鈴木庸之も大外をまくり上げるが、浅井康太のけん制で勢いが止まる。浅井は内の小川、外の鈴木の動きを冷静に見ながら、直線で抜け出してアタマ。
 「鈴木君が良いタイミングできて、やばいかなって思ったけど止められましたね。小川君も内にきたけど、踏みすぎず、踏まなすぎずでうまく対応できました。4コーナーからはどうやって(吉田を)残そうかなと。吉田さんも残せたし、ラインで決められて良かった」
 浅井をしっかりと追走した南修二(写真)が、2着に入った。
 「きつかったです。でも、浅井なので安心して付けられました。付いていけて良かったです。ダービーである程度セッティングが出ましたし、(状態も)悪くないと思います」
 吉田敏洋(写真)が粘って3着。「自分のタイミングで仕掛ければ大丈夫だと思った」と力強い走りでラインを上位独占に導いた。
 「強引に見えるかもしれないけど、(仕掛ける所は)あそこしかなかったですね。南関勢に波を作られる前に仕掛けないとと思って。そういうのを考えて走れました。3人で決まって良かったですね。決勝も思い切って力勝負します」
 番手まくりを敢行した小川勇介は最後まで抵抗を見せたが、強敵を撃破できず4着。
 「やれることはやれました。単純に力負けと技量不足です。相手は今、自力で一番強い相手。これくらいの感覚で踏めば対応できるっていうのの、はるか上をいかれてしまった。前と後ろに迷惑をかけてしまいましたね」
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