『小田原競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:8月25日
 小田原競輪場で開設72周年記念「北条早雲杯争奪戦(GIII)」が、8月26日から始まる。平原康多、清水裕友、守澤太志のS級S班の3人をはじめ強豪がそろい、深谷知広、松井宏佑ら地元地区の南関勢がシリーズを盛り上げる。前検日の25日は、多くの選手が33バンクの感触を確かめて、翌日からの戦いに備えた。
 小田原競輪場では神奈川県への緊急事態宣言の発出に伴い、無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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杉森輝大選手
杉森輝大選手
 オープニングで同県の早坂秀悟とタッグを組む杉森輝大(写真)は、前回のオールスターでは3走目にまくりで白星を挙げた。
 「(オールスターは)久々のGIでもう少し戦いたかった。ただ、自力を出しながら、次につながるレースはできたかなと。そのあとは普通通りに練習してケアをしてきた」
 山下一輝は、サマーナイトフェスティバル796着、オールスター6569着と2場所続いたビッグでは成績が一息だった。
 「(オールスターには)自分のなかでは手応えがあった。自分自身も期待していたけど、甘くなかった。返り討ちにあいました。課題を見つけて、そこを埋められるようにやってきた」

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川口公太朗選手
川口公太朗選手
 近況はFIでの戦いが続いている久木原洋は、3場所前の富山Vを含めて高いレベルでまとめている。
 「(前回は)ちょっと空いてたんで、レース勘とかが初日は良くなかった。そのあとは雨とかもあったけど、バンクにも入れたし、やれることはやってきた。33バンクは今年に入って成績がいいんで、(33バンクとの相性は)いいのかなと思います」
 勝ち星こそ挙げられなかったオールスターだったが、川口公太朗(写真)にとっては1走、1走が貴重な経験になった。
 「(オールスターは)みんなが強くて、自分もまだまだだと。悔しい思いもして、勉強になりました。(オールスター後は)1、2日休憩してから、気持ちの切り替えをして(練習を)やってきた」

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 前回の岸和田FIでは17年9月の青森FI以来の優勝を飾った堤洋は、岸和田の決勝で積極策に出た同県の三ツ石康洋をたたえる。
 「5月くらいに元のフレームに戻したら、調子がいいです。(岸和田の優勝は)三ツ石のおかげです。久しぶりだったし、ビックリですね。(そのあとは)雨も多かったり、(小松島が)開催中でバンクではあんまり乗れなくて、室内とウエートトレーニングでやってきた」
 前々回の前橋FIでS級2度目の優勝を遂げた染谷幸喜は、前回の伊東FIを142着。
 「3場所前の弥彦からフレームを換えた。それでスピードが出るようになったけど、踏んだりやめたりが難しい感じがありますね。(初日も)仕掛けどころを逃さないようにしたい」

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野田源一選手
野田源一選手
 落車明けだった前回の防府FIが746着だった野田源一(写真)は、そこから中12日。状態はどうか。
 「(落車の影響は)自分的にはないと思ってたけど、多少なりともあったのかもしれない。(前回は)2分戦みたいな形も多くて、なかなかまくりが決まらなかったし難しかった。(初日はラインが)3車ですし、緩んだら(仕掛けて)行きたい」
 稲村成浩は直近の2場所の岐阜FIを223着、京王閣FIを633着とまずまずの成績を残している。
 「(中6日で)日程なりのトレーニングをして、(体調は)普段と変わりはない。(小田原は)普通の33バンクなんで、クセはないと思います。(初日は)あとはもう(小林)令にお任せです」

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 6月末の久留米記念の決勝で落車に見舞われた吉本卓仁は、復帰場所となった前回の別府FIの176着から中20日で今シリーズを迎える。
 「(落車の怪我は)骨盤とか肩(の打撲)がひどかった。別府が終わってからは、体が動くようにはなってきたけど、まだちょっと痛いところもある。それにフレームが壊れちゃったのも痛い。別府から新車なんですけど、なかなかセッティングが出ないですね」
 オールスターでは53586着と思い通りの成績を残すことができなかった柏野智典は、冷静にこう分析する。
 「ちょっと自分のレベルと周りとのレベルの差を感じました。そこに対応していかないと、いまのままだと厳しいかなと。(初日の吉本とは)最近はないけど、何回も(連係が)あります」

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小原佑太選手
小原佑太選手
 小田原に初登場となる小原佑太(写真)は、久々の33バンクでの戦いだが、伊東を例にあげてプラスにとらえる。
 「デビューしてから結構、伊東が入ってた。そこでの(33バンクの)感覚が鈍ってなければ(小田原でも)っていうのがあります。ナショナルチームの方で練習をやってきて、(感触は)全体的には悪くなかった」
 オールスター678着と一息だった要因を佐藤友和は、こう打ち明ける。
 「僕のなかでこうしたらいまの競輪合うんじゃないかと思ってやったことが、みごとに外れた。(前々回の落車は)全然大丈夫で、トレーニングの仕方が間違っていた。だから、そのあとからトレーニングを変えました」

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渡邉一成選手
渡邉一成選手
 オールスターで5走をこなした渡邉一成(写真)は、2勝をマークしたものの、シンガリも2回経験した。
 「(オールスターではコンディションが)日に日に変わってきたんで、その辺はうまく付き合っていかないとっていうのがあります。雨で練習ができない日もあったけど、基本的にはやりたいことはやってきました」
 芦澤辰弘は、5745着のオールスターを振り返り、自身の現状を見つめ直す。
 「(オールスターは)みんな強かった。自分はほぼ、すべて流れ込みで、いいところがなかった。そのあとはとりあえず(6日間開催の)長丁場だったんでゆっくりして、あとは1日も休まずに(練習を)やってきました」

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 東京五輪、ケイリン種目のペーサーを務めた伏見俊昭は、その後の地元のオールスターを7325着。
 「地元のGIがあったので、練習にも身が入ってた。直前にオリンピックの誘導で2日間くらいそこに費やした。それがどうなるかと思ってたけど、自分としてはプラスにとらえていました。(オールスター後は)雨も多かった。でも、普通に練習ができました」
 前回の西武園FIでは準決で落車に見舞われた渡辺十夢だが、最終日は2着に入った。
 「最終日は(松岡篤哉に)付いていくだけみたいになったけど走れた。そのあとはしっかりと練習もできたし、回復しているかなと。もう(落車の影響が)ないつもりで来ました」

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 前回の地元、西武園FIではオーバーワークの影響もあった阿部大樹だが、134着と成績をまとめた。
 「(西武園の前が)30日くらい空いてたんで、その前にすごく追い込んで練習をやってた。西武園はその疲れが出ちゃったのかなっていうのがあります。(西武園のあとは)平原(康多)さんに練習をみてもらったり、セッティングをみてもらったりして、良くなってきたかなと」
 当所との相性が上々の志村太賀は、昨年3月が524着、9月が234着と小田原バンクで堅実にまとめている。
 「自分の感触は悪くないですね。小田原はいつもいいかなと思うし、それくらいの成績なら自分としては十分です。(阿部)大樹君は久々ですけど、信頼して付いていきます」

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 前々回の高知記念で通算2度目のGIII制覇を遂げた長島大介は、前回のオールスターから中9日。
 「(オールスターは)自分なりに最低限の走りはできたかなと。状態は変わらないし、そのあともいつも通りやってきました。(初日に対戦する)城戸(俊潔)君とは初めてなので、しっかりと自分のタイミングで仕掛けていきたい」
 3場所前の前橋FIに次いで前回の伊東FIでも優勝を飾った齋藤登志信は衰え知らず。しかしながら、齋藤自身は慎重にコメントする。
 「もう年なんで感触がどうとかじゃなくて、いつも同じように乗るだけですね。年齢なりに、自分なりに努力はしている。雨もあったりしたけど、やれることをやってきた」

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渡部哲男選手
渡部哲男選手
 サマーナイトフェスティバル981着、オールスター8238着と納得できる成績ではない渡部哲男(写真)だが、自身も物足りなさを感じている。
 「最近はずっと悪いんですけど、オールスターに関して言えば少しは上向いてきたかなと。ずっと試してきたことがあって、それを煮詰めてきた。ここは33バンクなんで、難しい流れにはなると思ってます」
 オールスターの3走が989着だった佐々木豪は、大敗後に気持ちの切り替えをして今シリーズに臨む。
 「みなさんの強さというか、自分の立ち位置みたいなものがこういうもんなんだって。しっかり気持ちの整理はしてきた。全体的に力不足ですけど、自分がやってきたことと、みなさんがやってきたことを比べて煮詰めてきました」

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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 落車明けのオールスターだったが、決勝にコマを進めた平原康多は、単騎での決勝は4着に終わった。
 「(練習中の怪我で)骨折をしてから2カ月くらいだったんで、(オールスターは)そのなかで最低限の状態で戦えたかなと。そのあとは練習もしたし、落車の影響をなくすためのケアをかなりしてきた」
 オールスターではドリームレースを制した清水裕友だったが、一次予選2のシンガリが尾を引いたのかシリーズを19498着と2走目以降は精彩を欠いた。
 「(オールスターは)2走目ですね、仕掛け自体が雑になった。あそこでしっかりとしたレースができていれば、また違ったかもしれない。あれがすべてでした。それを引きずって気持ちの弱さが出た。33バンクも好きだし、初めて記念の決勝に乗ったのもここだし、初心に返るじゃないけど、そういう気持ちで走りたい」
 昨年の当所記念準Vの松井宏佑(写真)は、決勝でラインを組んだ郡司浩平、和田真久留がともに欠場。今シリーズは地元記念の重責を担う立場だ。
 「(オールスターは)準決までは結構いいレースができたけど、大事なところで…。新田(祐大)さんっていうすごい強い人を相手に、競輪の甘さが出た。脚だけじゃ勝てないっていうのを感じました。オールスターが終わってからは、ナショナルチームでオフをもらって、自分で練習をして今週の月曜日からまたチームで始めた。郡司(浩平)さん、和田(真久留)さんがいなくなった穴は大きいですけど、しっかりと(優勝を)狙っていきます」