『小田原競輪場開設57周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:8月10日



 開設57周年小田原記念『北条早雲杯争奪戦』は本日が初日。台風7号も通り過ぎ、真夏の強烈な日差しがジリジリと照りつける中でのレースは、「周回中にクラッとするくらい暑かった」と各選手が口をそろえるほど厳しいものだったが、地元勢が奮起。全11レース中、6レースで連に絡み、参加の全選手が二次予選以上に勝ち上がる活躍ぶりだった。また、メインの11Rに「銅門賞」が行われる明日からは、昨日のレポートで紹介した各種サービス、イベントに加え(「開設57周年 扇子」の配布はありません)、話題のレディス・ケイリン・レーシングチーム「すぴRits」も登場。是非とも本場に足をお運びください。
 

<1R>
 今シリーズ開幕戦の1Rでは山田敦也―佐藤幸博―太田智洋の北日本勢が人気に応えてワンツースリーを決める。先行した長尾博幸の番手に飛び付いて勝利をもぎ取った山田は笑顔で応える。
 「(ワンツースリーが)決まってよかったです。昨日の時点では調子はどうかなって思っていましたが、思った以上に脚の感じはいいみたいです。明日以降もまた展開に応じた臨機応変な走りで頑張ります」
 2着の佐藤もしてやったりの表情。
 「(山田のイン粘りは)作戦の一つに入ってました。(山田が)1番車だったので、前を取って、あとは相手が来る位置によって飛び付くか突っ張るか。僕は全て任せてただけ。やっぱり点数を持ってて、強い選手が前だと決まるね」


<3R>
布施義憲選手
布施義憲選手
   3Rには地元勢の先陣を切って松坂洋平が登場。ゴール前での強襲を食らって勝利はならなかったが、3着で二次予選Bへの勝ち上がった。内容的にも赤板先行で粘った競走は文句のつけようのないもの。
 「僕は地脚なので、最初からフカして行かないと掛からないし、タレちゃうから、最初から全開で最後まで行きました。ただ、踏んだ感じちょっと重かったです」 このレースは布施義憲(写真)が波乱の立役者となった。目標の鈴木孝征はまくり不発に終わるも、直線中コースに斬り込んでの1着に笑顔が絶えない。
 「鈴木君が張られて外に行った時は厳しいと思って、内を見てたんです。そしたら8番の子(尾篭久則)が牽制するように車間を空けてたので、そこを目掛けて斬り込んだら、コースが空いてラッキーです。ずっと車が出てなかったので、今回からシューズを替えたんですが、本番でいきなり結果が出て良かったです」


<4R>
旭啓介選手
旭啓介選手
   4Rは旭啓介(写真)が地元勢初勝利を挙げる。納得のレース内容ではなかったが、結果を出して、ホッと一息。
 「本当は突っ張って行きたかったんですが。感触も良くないですね。すんなり4番手だったから良かったけど、まくりも合わされそうだったし、まだ本調子には戻ってないです。でも、とりあえず勝てて、気持ち的には変わってきそう」


<5R>
 続く5Rも加藤剛―川越義朗の地元勢が期待に応える。
 「僕は加藤君に付いてて踏んだだけだけど、期待に応えられて良かったです。特にここに向けて何かやってきたわけではないですが、久しぶりにいい感じで踏めました。ずっと競走が詰ってて、肉体的にも精神的にも疲れてたのが、ここの前は空いててリフレッシュ出来たのが良かったのかな」
 と勝った川越
 加藤も安堵の表情を見せる。
 「小田原は僕にとって特別なので、魅せるレースがしたかった。まくられたらまくられたで仕方ないって気持ちで思い切り行きました。1、2着でお客さんにも貢献出来たし、ホッとしました


<6R>
谷津田将吾選手
谷津田将吾選手
   6Rからは選抜戦。谷津田将吾(写真)が目が覚めるようなまくり追い込みを決めた。最終ホーム8番手と絶体絶命の位置からバックでまくり上げると、逃げ込みを図る荒木伸哉―中川司の静岡勢をゴール前で鮮やかに捕らえる。
 「あの距離なら布居(寛幸)さんも駆けると思ったんですけどね。隊列が整ってきた時は残り1周でしょ。ヤバいとおもいましたよ。届いて自分でもビックリです。シュンって車が出たから調子もいいんでしょうね。昨日の時点では(オーバーワークで)ちょっと脚が痛かったけど、いい形で結果が出て良かったです」


<7R>
 7Rは長塚智広がスピードの違いを見せ付け、まくって快勝。一方、先行してまくられた小橋秀幸も3着に踏み止まり、手応えをつかんだ様子だった。
 「凄い重くて、出切って一杯。でも、(二次予選Aに上がれる)3着と(二次予選Bの)4着では全然違いますからね。3着までいけて次に繋がったと思います」


<8R>
 8Rはまたしても南関勢が3着までを独占して人気に応える。勝った真原健一は岡村潤に感謝の表情を見せる。
 「岡村君がいい感じで駆けてくれて、どうにか期待に応えられました。ここで流れをつかんで、また頑張りたい」
 その岡村は点数上位の意地を見せた格好。
 「内田(慶)君が内に行ったんで、内から先行されてはまずいと思って、早めに行きました。まあ、流れてるのは流れてるけど、最後までしっかり踏み直せてる感じではないですね。でも、その辺は練習だと思うんで。体は軽いので、明日以降も頑張ります」


<9R>
新藤敦選手
新藤敦選手
   9Rからは本日のメインである特選レースが始まった。真っ先に勝ち名乗りを挙げたのは吉川誠だ。前半戦から止まらない地元勢の勢いを見せ付けるような逃げ切り勝ち。打鐘で内を抜けて主導権を奪うと、中団に入った市田佳寿浩らに何もさせなかった。
 「打鐘で内を突いたのは一か八かの賭けでしたね。でも、市田さんに叩かれた時点で、市田さんのラインに高谷(雅彦)さんも付いて来るだろうから、引けないなって思いました。市田さんが空けたんで内に行ったが、すぐに締められちゃったんで、新藤(敦)さんまで付いて来れるかヒヤヒヤもんでしたけど、付いて来てくれたので、あとは早めでも思い切って行ってやろうと。新藤さんとはこれまでワンツーを決めたことがなくて、本当に俺とは相性が悪いなって話になってたので、今日は1着よりワンツーを決められたことが何よりも嬉しい。苦節5年、初めて二日目の優秀戦に乗れました」
 2着の新藤(写真)は一杯、一杯の表情で引き上げてきた。
 「ジャンの所のが空いてたかなって、それが気になって。躊躇しながら内に入って行ったからね。いや、それにしても強いね、吉川。掛かってたし、全然抜ける気がしなかった」
市田はかろうじて3着という結果に渋い顔。
 「高谷さんのカマシで被るのが嫌だったし、中団を取れてもホームから仕掛けるつもりだったんですが…。また福井記念の決勝みたいなレースをしてしまいましたね。“あれっ、3番手が取れちゃった”みたいな。二走続けて、何してるんだかって走りをしてしまったので、明日こそはここっていう時に踏める競走をしたい」


<10R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
   10Rも地元の五十嵐力が奮起。矢口啓一郎の逃げを鮮やかにまくり切った。しかし、荒井崇博(写真)がその地元勢の仕掛けに乗る形から怒涛のまくり追い込みで勝利をもぎ取る。
 「いつも通りでしょ。ホームで五十嵐君がいい感じで行ったんで、それに付いて行って。バッとスイッチ出来たから調子はいいですね。ってそれぐらいですね、今日のレースで言えることは」
 その荒井を追った小野俊之は僅かに届かず3着。ラインでワンツーを決められなかったことが心残りな様子だった。
 「前受けで突っ張るか五十嵐君がスーッて普通に押さえて来るようなら出させて中団って話だったので、作戦通りではなかったですね。ホーム8、9番手だから展開的には最悪でしょう。でも、荒井は前回の福井記念の時から調子は良さそうだったし、僕も脚的には日に日に上がって来てるから。最後は余裕もあったし、2着まではいきたかったけど」
五十嵐は2着惜敗も、手応えはつかんだようだ。
 「矢口君が流してる所で踏めたんで良かったと思います。今日の展開では最後まで流さず目一杯。踏み直しとか出来る展開ではありませんでした。まあ2着は十分」


<11R>
斎藤登志信選手
斎藤登志信選手
   今日は1Rから比較的順調に来ていたが、最後の11Rに思わぬ大アクシデントが待っていた。赤板手前から斎藤登志信―十文字貴信の後位で互いに牽制し合う動きを見せていた海老根恵太と吉田敏洋だったが、海老根が外の中部勢に対して強引なブロックで大量落車を誘発する。打鐘からは落車しなかった海老根―高木隆弘―斎藤―十文字の4人だけのレースとなったが、高木が抜け出して1着。2着は斎藤で、海老根が3着入線も、落車の原因を作ったことで失格に。十文字が3着に繰り上がった。
 「あの展開で1着を取れなかったら何を言われるか。もうびっくりですよ。海老根君がいなくなったのは痛いけど、二人(吉川誠、五十嵐力)のデキがいいみたいなんで何とかなるでしょう」
 と高木
斎藤(写真)はいつものように淡々と振り返る。
 「2コーナーで行かなきゃって時にあれ(落車)でしょう。前を取って、相手があまりになめるようなことをしてくれば駆けることも考えてましたが、レースが始まる以前にああいうことがあってはね。今日のレースでは自分の調子とかも分からないですよ」
  3着の十文字は、
  「海老根君が上手いペースで駆けてたので、斎藤さんがまくれなかったのは仕方がないですよ。最後は内に行ったけど、全然伸びませんでした。今回は特選に乗れたのも欠場者が出たからだし、優秀戦に勝ち上がれたのも失格があったから。失格や落車を喜ぶことは出来ませんが、チャンスは生かしていきたいです」。


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