『小田原競輪場開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:8月12日



 開設57周年小田原記念『北条早雲杯争奪戦』もいよいよ三日目。本日はシリーズのハイライトともいえる準決勝A、B、C4箇レースがメインに行われたが、大気が不安定で、準決勝Cが終わる頃には雷雨に襲われる荒れ模様に。しかし、レースは滞りなく進行し、ファイナリスト9名が出揃った。また、この日の3Rでは怪我で1年余りの欠場から6月に実戦復帰したばかりの大ベテラン江嶋康光が約1年半ぶりとなる勝利をゲット。場内のファンから暖かい声援を受けていたのも印象的だった。さて、ファンサービス、イベントの方も充実。この日は1着選手によるオリジナル扇子のプレゼントやちんどん屋さんが場内外に登場した他、昨日紹介したように「すぴRits」によるエキシビジョンレースも行われた。明日はいよいよ最終日。是非とも本場に足を運んで、迫力のレースをお楽しみ下さい。
 

<8R>
吉川 誠選手
吉川 誠選手原 真司選手
原 真司選手
   まず準決勝一発目の8R準決勝Cは決勝へ勝ち上がれるのは1着のみとプレッシャーのかかるレース。しかし、連日好気合を見せる地元吉川誠(写真)が、原真司と内田慶の先行争いを鮮やかにまくり切っての圧勝劇で、真っ先に決勝への切符を手に入れた。
  「人気を背負ってたので勝てて良かった。ただ、お客さんは僕と遠沢(健二)さんの絡みで買ってらしたので、遠沢さんまで連れて来れなかったのは申し訳ないです。あんなに早く仕掛けられるとは。ジャンで緩んだらホームガマシと思っていたので、七番手でちょっとやばいかなと思いました。内田さんが先まくりに行ってくれて実質4番手くらいになったので助かりました。あと、内田さんがすんなりまくり切る展開だと苦しかったけど、内(原)が粘ってくれたんで。記念の決勝は2年ぶり。その2年前もここだったので、相性はいいんですね。正直、昨日のレースで出し切って疲れが残ってたし、バンクも重く感じたんですけど、まくれたってことは調子もいいってことでしょう」
  2着には吉川にまくられながらも原(写真)が粘る。打鐘先行で、ホームからは内田とモガき合っての結果だから価値は高い。
  「市野(茂)さんと実質ライン2車でしたけど、ジャンからいくつもりでした。初日の9着で本来なら終わってたはずだし、昨日もみっともない競走でしたから。まあ、8番(内田)は内をフタするのに脚を使ってたみたいだし、僕も8番が来るのが見えたもんで、踏み直してペースで行けました」
  番手の市野も原の実力を称える。
  「それにしても原君が強かった。バックで(内田に)行かれるようなら、悪いけど、切り替えもって考えてましたが、踏み直しましたからね。あれが彼の本来の踏み方」


<9R>
山内 卓也選手
山内 卓也選手山田 敦也選手
山田 敦也選手
   続く9Rの準決勝Bは、始まる直前に突然の雷鳴とともに大粒の雨が降り出した。この豪雨の一戦を制したのは、中団まくりを決めた山内卓也(写真)
  「やっと出ました。谷津田(将吾)君より前にまくろう、チャンスがあれば加倉(正義)さんと二人でカマしたいとも思ってたんですが、すんなり中団が取れたから。雷が鳴ってましたけど、それより雨の中で前が(高木隆弘と成清貴之で)競り合ってたから、そっちの方が気になってました。多分、どっちかが落車するんじゃないかって。それで、車間を切って対応してたけど、良かったですよ」
  高木と加倉がモツれ、直線で空いた内を突いて2着の山田敦也(写真)は、“ヨシッ”と会心の表情を見せる。
  「高木さんが下がって来たので、もう駄目かと思ったら、たまたまコースが空いたんで。そろそろ、好きに走ってもいいって、師匠にも言ってもらってたし、決勝に乗れて良かった。こんなチャンスは滅多にないんで明日も頑張ります」
  増田利明は果敢に先行も、後ろが高木と成清の競りになったこともあり、山内のまくりに屈してしまった。
  「地元のエースとA級の時から世話になってる成清さんが競りになって、心中複雑だったけど、自分はもう先行という仕事をするだけと思って。いや、でも凄い緊張しました。後ろで仕事師二人が競ってるんだから。押さえて駆けたのは久し振りだったけど、正直それ程苦にもならなかったし調子はいいですね。いい勉強になりました」


<10R>
荒井 崇博選手
荒井 崇博選手
   雨も小止みとなった10Rの準決勝Aは、荒井崇博(写真)がパワーを見せ付けて無傷での決勝進出を決めた。レースは赤板で前に出た岡村潤を、ジャンから踏み込んだ長塚智広がホームで叩いて先行するが、荒井もそのホームからすかさずまくって前団を飲み込んだ。
  「今日は押さえて駆けようと思ってたけど、誰もスタートで出らんから、“小野さんごめんなさい”って前に出てしまいました。中団は静岡勢にフタされるだろうから嫌だったし、やっぱり一番前にいるのは落ち着くね。まあ、前はモツれるだろうから、ホームぐらいから行けば、絶対に行けると思いました。展開が大きいですね、今日の勝ちは」
 2着には荒井とは今シリーズだけで3回の連係となった小野俊之が続く。
  「今回の荒井は強いからね。前回の福井記念だって、組み立てが下手やから決勝に乗れんかっただけで、脚自体は仕上がってたでしょう。これで(その福井記念からで)荒井相手に5タコですか(苦笑)。でも、僕も毎日セッティングを変えて、感覚が日に日に良くはなってきてるから」
  昨日に続き果敢に先手を奪った長塚だったが、まくられてしまった。しかし、レース後は仕方ないと言った表情で振り返った。
  「今の自分があるのは先輩(十文字)のお陰ですから。昨日いい感じだったので、勘違いしちゃいましたよ。今日のレースでも自分は残れると思ったんですけどね。荒井が空気読まないから(笑)」
  十文字も“力負け”とサバサバした感じで認める。
  「荒井君がまくって来た時にはもう一杯。止められる感じではなかったので、何とか番手に飛び付こうとしたんですが、駄目でした。堀さんが決勝に乗って、少しでも長塚の気持ちに応えられて良かった。もっと脚を付けないことには、これ以上はないですね」
  一方、3着に突っ込んだ堀政美は後輩2人に恐縮しきりといった表情。
  「前の二人のおかげ。今日も自分だけ何もせずに恵まれちゃって」
  岡村はレースを読み違えたのが敗因。
  「(長塚が来るのは)ホーム、一コーナーくらいかなと思ったんですが。もっと早めに来られたから内から慌てて踏んだけど…」


<11R>
市田 佳寿浩選手
市田 佳寿浩選手
   最終11Rは予想以上の乱戦に。赤板から五十嵐力が先行勝負に出るが、市田佳寿浩ラインの3番手から切り替えた斎藤登志信が追い上げて、五十嵐―出口真浩の後位を確保。斎藤はバック前からまくって、前の2人を飲み込んだ。
  「とにかく行ける所まで行こうと。あのまま(市田のラインに)付いていても内から当たられそうだったし。後方のままで負けるなら前に行って負けた方がいいでしょう。(まくって行って)脚の感じは今日は楽でした。まあ、人の後ろを回ってのことだから」
  市田(写真)も底力を発揮した。斎藤の後ろまで追い上げると、内から再度中川司に当たられながらも、斎藤のまくりを追って2着を確保。
  「三番手じゃ切り替えは仕方ない。僕のラインは番手しか意味がないようなものだから。ホームで行きたかったんだけど、五十嵐君もグングン掛かって行くような感じだったから。あそこ(中川に内から掬われそうになった所)はもう必死でした。でも、一発当たられて腰が入った感じ。とにかく前に踏むしかないと」
 3着に踏み止まった出口真浩は五十嵐に感謝。
  「今日は前の頑張りに尽きます。まくりは振りに行ったけど、スピードが違ってたから止められなかった。でも、悪いなりに決勝に乗れて良かった」

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