『小田原競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:8月18日


 小田原競輪開設58周年記念「北条早雲杯争奪戦」が本日18日から開幕した。今日の小田原競輪場は朝から厚い雲に覆われていたが、バンク上では熱戦が展開。メインの特選3個レースは新田康仁、佐藤友和、出口眞浩がそれぞれ快勝。明日は特選で3着までに入った選手により優秀競走「銅門賞」が争われる。
  明日19日も地元競輪選手によるお出迎えや好評のスーパーガラポン抽選会など、ファンサービス、イベントが盛りだくさん。ぜひ、本場に足をお運びください。


<1R>
安東宏高選手
安東宏高選手
   オープニングレースは安東宏高と鈴木誠で1着同着。マイペースで逃げ切った安東宏高(写真)は笑顔でレースを振り返る。
  「ラインの先輩が全部作戦を考えてくれたお陰です。レース中はもう必死で、ガムシャラに走っただけ。踏んだ感じとかは全然判りませんね。ゴールして横を見たら4着だと思ったんですが、S級で初めて初日をクリアできて嬉しい」
  五日市誠のまくりに乗って大外を強襲した鈴木誠も好気合だ。
  「三三バンクで後方の展開だからもうダメだと思いましたが、五日市君が諦めずに踏んでくれたので、そのスピードをもらって突っ込めました。体調はいいので、明日も頑張りたい」


<4R>
 4レースは高比良豪と吉元邦洋で周回中から中団の取り合い。正攻法の梅澤謙芝が打鐘過ぎから先行し、末良く逃げ切った。
  「最近は初日大敗が続いていたので、久々に勝ち上がれて嬉しい。前のレースが同じようなメンバー構成で、小林(裕司)がいいレースをしていたので、それを参考に駆けました。1着が取れたし、調子はまずまずだと思います」


<5R>
 5レースは地元のトップバッターとして登場した高橋武が鋭脚を発揮。目標の手嶋靖が不発の展開から内に斬り込み、直線で粘る米原大輔を差し切った。
  「ケガの影響が残っていてまだまだ万全の状態とは言えないけど、今日は地元ファンの声援の後押しで何とか勝つことができました。コースも上手く開いてくれましたね。明日からも車券にからめるように頑張ります」


<6R>
 6レースの選抜戦は人気の埼玉コンビで連を独占。三番手からまくって1着の藤田竜矢だが、レース内容には満足していない。
 「本当は先行したかったんですが…。思った以上に小川(勇介)君の勢いが良かったので、出させたけど、すぐに巻き返すつもりでした。明日からは持ち味の先行で勝負します」
 新井秀明は藤田を抜けず苦笑い。
 「藤田はやっぱりデキがいいですね。ホームで松山(勝久)さんがいいスピードで来てヤバイと思ったけど、三番手からすかさず仕掛けてくれた。最後は抜けると思ったけど、踏み直されてしまいました」


<7R>
旭啓介選手
旭啓介選手
   7レースは地元の旭啓介(写真)が大外を豪快にまくり、混戦を制した。
  「レース内容としては最悪でしたね。全ての場面でワンテンポ反応が遅れてしまいました。前の北野(武史)さんがバックぐらいから仕掛けてくれたので、それに乗って何とか4着ぐらいまでと思ったんですが、思った以上に車が進んでくれました」
  まくった稲川翔に乗って追い込んだ酒井耕介が2着。
  「北野の切り替えがはやかったね。あれがなければ、もっと早く出切れていたと思うけど、稲川が想像以上に強くてびっくりした。前回のふるさと函館の時は落車の痛みが残っていたが、今回は大丈夫です」
 直線末を欠いて4着の稲川翔だが、表情は明るい。
 「先行しようと思っていたけど、フタをされてしまいましたからね。まくりになっても早めに踏むつもりだったし、出切れて良かったです。明日につながるレースはできました」


<8R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
   8レースは人気の桐山敬太郎(写真)が2コーナーから鮮やかにまくって完勝。ライン3車で上位独占を決めた。
  「ちょっと危ない展開になったけど、車を外に持ち出せれば大丈夫だと思っていました。ここを目標にずっとやってきたし、調整も上手くいきました。脚は軽かったし、絶好調と言っていいと思います。明日も1着を狙って力を出し切るだけですね」
  地元コンビ追走から直線外を伸びた中村浩士が2着に入った。
  「桐山君はあんな不利な展開から良く届きましたね。九番手でも信頼して付いていくつもりだったし、脚を使わなかったので、最後は良く伸びてくれました」


<9R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
   特選一発目の9レースはコマ切れ戦。三宅達也が先行する意外な展開となったが、位置取り上手い新田康仁が四番手キープから力強くまくり切った。
  「仕掛けのタイミングがつかみにくかったけど、1着が取れてホッとしました。落車後だったので、多少不安はありましたからね。でも、全然影響はなかったです。小田原は相性がいいし、やっぱり走りやすい」
  三宅を利した岩津裕介(写真)が2着。
  「新田さんがすんなり四番手に入ったし、勢い良くまくって来たけど、三宅さんも踏ん張ってくれてましたからね。何とか止めようとしたが、行かれてしまった。今日は三宅さんのお陰に尽きます」
  先行して4着の三宅達也も納得の表情を浮かべる。
  「ライン3車だし、とりあえず前に出て、誰か来れば3番手、来なければそのまま駆ける作戦でした。こんな先行は本当に久しぶり。練習では想定してやってるけど、実戦はやっぱり全然違いますね。全然かかっていなかったけど、岩津が後ろで頑張ってくれた。岩津だけでも優秀戦に乗れて良かった」


<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   10レースは佐藤友和(写真)が六番手から豪快にまくり、きっちり人気に応えた。
  「できれば三番手が欲しかったけど、無理に取り合っても仕方ないし、六番手まで下げました。落ち着いて走れたし、今回は間隔が空いて気分的にリフレッシュできていたので、それがいい方に出てくれました。まくれたので、調子はいいと思います」
  内藤宣彦がしぶとく2着に流れ込み、ホッと胸を撫で下ろす。
  「人気がかぶっていたので、とにかく離れないよう付いていくことだけに集中していました。もうちょっと別線に抵抗されると思ったけど、(佐藤が)強かったです」


<11R>
出口眞浩選手
出口眞浩選手
   最終11レースは五十嵐力が先行。番手絶好の展開となった出口眞浩(写真)が勝機をモノにした。
  「吉田(敏洋)君を叩き切ったけど、武田(豊樹)君が必ず外をまくって来ますからね。それだけが心配だった。もうちょっと五十嵐君を残せれば良かったんですが…。自分の調子は悪くないと思います」
  七番手に置かれた武田豊樹は3着までが精一杯だった。
  「萩原(操)さんに踏まれて前が壁になってしまったし、今日は本当に苦しかった。届かなかったけど、感じは悪くない」
  先行した五十嵐力は「もう少し流して駆けても良かったかもしれません。かかりも今ひとつだったし、ゴール前でタレてしまいました」と不満顔。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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