『小田原競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:8月19日


 小田原競輪開設58周年記念「北条早雲杯争奪戦」は今日が大会2日目。優秀競走「銅門賞」をメインに、二次予選A、B合わせて計6個レースで準決勝への生き残りを懸けたサバイバルレースが展開された。優秀競走の11レースは新田康仁が俊敏なレース運びから抜け出して快勝した。明日はファイナルへの最後の関門となる準決勝が行なわれる。主力級が順当に勝ち上がり、白熱したレースになるのは間違いない。明日20日も場内では様々なファンサービス、イベントが予定されています。ぜひ、本場にお越しください。


<5R>
 二次予選一発目の5レースを勝ったのは安東宏高。稲川翔との90期同期対決となったが、会心の逃げ切りで連勝を飾った。
 「稲川君の方が格上だし、前で駆けるしかないですからね。今日もラインのお陰。ただ一生懸命踏んだだけで、全く余裕はなかったです。前期A級の時の落車でまだ本調子ではないけど、調子は上がってきています。明日は準決Aを走れるので、勉強させてもらいます」
 2着にはマークの木村勉が流れ込んだ。
 「普段は目標がいない時が多いけど、今回は恵まれている。今日は粘られる可能性もあったし、番手だけは死守するつもりだった。安東が頑張ってくれたので、気合が入った。最後に抜けなかったのは情けないけど、ワンツーが決まって良かった」


<6R>
高橋大作選手
高橋大作選手
   6レースは女屋文伸が小川勇介を突っ張って先行。番手の高橋大作(写真)が直線楽に抜け出した。
 「女屋君が上手い具合に駆けてくれました。小川君はずっと外に浮いている感じだったし、いいスピードでは来れないと思っていました。できれば女屋君を2着に残したかったけど、ライン3人で決まって良かった。落車の影響などで最近の成績はあまり良くないけど、徐々に調子は上がってきている」
 3着に逃げ粘った女屋文伸も満足そうにレースを振り返る。
 「大作さんは同期ですごく仲がいいし、先行することしか考えていませんでした。今日はリラックスして走れたし、いい追加になりました。やっぱり前回の最終日に1着を取れたことが大きいですね。あれで自信を取り戻しました」


<7R>
梅沢謙芝選手
梅沢謙芝選手
   7レースは前団がもつれたところを梅沢謙芝がタイミング良くカマして先行。番手の三浦稔希がゴール前できっちり捕らえた。
 「作戦通りの展開になりました。梅沢さんが絶好のタイミングで仕掛けてくれたし、もう誰もまくって来れないと思いましたね。記念の決勝に乗ったことがないので、明日は一発を狙います」
 梅沢謙芝(写真)も連日先行策に出るなど、好調をアピールしている。
 「あまり車が前に進んでいる感じはしないんですが、ここという場面で身体が動いてくれています」


<8R>
鰐渕正利選手
鰐渕正利選手
   8レースの二次予選Aは吉田敏洋が先行。番手を死守した鰐渕正利(写真)が直線で鋭く差し切り、通算200勝のメモリアル勝利を飾った。
 「牧(剛央)君は7割ぐらいの確率で粘ってくると考えていたし、レース前から気合が入っていました。3場所前にフレームを換えたけど、それからずっと感じ良く踏めている。レース中も余裕が出てきましたね。長かったけど、200勝を達成できて良かった」
 鰐渕の勝利に貢献した吉田敏洋も表情は明るい。
 「大ギヤの旭(啓介)さんのカマシを警戒して踏みました。後ろも鰐渕さんが一撃で決めてくれてたみたいだし、ワンツーで最高の形になりました」
 吉田の番手に飛び付いた牧剛央は完敗を認める。
 「番手は流れの中の1つの作戦。でも、吉田君が踏む瞬間に鰐渕さんにひじをかけられ、半車身遅れてしまった。やっぱり鰐渕さんは上手いですね。内をもう1回踏んで行ったけど、ダメだったので、三番手勝負になりました。脚が一杯でそこから仕掛けられなかった」


<9R>
手島慶介選手
手島慶介選手
   9レースは大本命の手島慶介(写真)が貫禄の違いを見せつけた。
 「松田(優一)との連係が失敗してしまい、申し訳なかったですね。いつでも仕掛けられる態勢だったけど、松田が前で頑張っていたので、少し様子を見てから踏みました」
 地元の桐山敬太郎は松田優一を強引に叩き、6着で準決Cに進出した。
 「中団に入ったが、内から来られてしまったし、すぐに先行に切り替えたのが良かった。あそこで中団にこだわっても仕方がないですからね。松田君は潰せる自信があったし、何とか準決勝に乗れて良かったです」


<10R>
佐々木龍也選手
佐々木龍也選手
   二次予選最後の10レースは五十嵐力のまくりに乗った佐々木龍也(写真)が直線シャープな差し脚を披露した。
 「五十嵐君とは普段から練習を一緒にやっているし、強いのは知っているので、信頼して任せるだけでした。出切る時のスピードは次元が違いましたね。残せなかったのが残念です」
 藤田竜矢を目標にした藤原憲征は切り替え策からまくり追い込み3着に入った。
 「藤田が頑張ってくれたお陰。後ろに自分より点数を持っている飯嶋(則之)さんが付いていたし、ダメでも仕掛けるしかないですからね。今日はちょっと踏んだので、明日は少し楽になると思います」
 直線末を欠いて5着に終わった五十嵐力は首を捻る。
 「今日も最後タレてしまいました。出てから少し流したんですけどね。調子が悪いのかもしれません」


<11R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   最終11レースの「銅門賞」を制したのは新田康仁(写真)だった。出入りの激しいレース展開となったが、持ち前のレースセンスで混戦を切り抜けた。
 「打鐘からすごいハイペースになってびっくりした。ぐちゃぐちゃの展開だったし、前の山内(大作)君も飛ばされたので、とにかく前々に踏んでいっただけ。今日は目標がいたから気持ちが楽だったし、身体が自然と反応してくれた。脚自体は全く問題ないです」
 先制した吉川誠ラインの三番手をさばいた武田豊樹が2着。
 「前々に踏んで後は臨機応変に走りました。いい位置取りができたし、車はあまり出なかったけど、踏んだ感じは悪くない」
 一方、見せ場なく終わった佐藤友和は「レースをちょっと見すぎてしまい、仕掛けのタイミングがつかめなかった」と振り返る。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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