『小田原競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:8月20日


 小田原競輪開設58周年記念「北条早雲杯争奪戦」は今日が大会3日目。厳しい暑さの中、準決勝4個レースをメインに熱戦が展開された。トップレーサーの激突で見応えのあるレースの連続となったが、佐藤友和、武田豊樹、飯嶋則之らファイナリスト9名が決定。明日はいよいよ決勝戦が行なわれる。
  最終日の21日も場内では地元選手、小田原競輪のマスコットガールSUNSUN GIRLSによるお出迎えやハズレ車券5,000円以上で参加できるスーパーガラポン抽選会など各種ファンサービス、イベントが盛りだくさん。ぜひ、この機会に本場に足をお運びください。


<8R>
宇根秀俊選手
宇根秀俊選手
   1着権利の準決勝Cを制して決勝一番乗りを果たしたのは宇根秀俊(写真)だった。地元勢に人気は集中していたが、早めにまくった吉永好宏に乗って直線鋭く追い込み、3連単で50万円台の大穴配当となった。
  「何も作戦はなかったし、黙って吉永さんに付いていただけ。追い上げかと思ったら、そのまま出切ってしまったので驚きました。外からまくって来たのが見えたし、最後は思い切り踏ませてもらいました。直前に北海道に合宿に行った効果が出ました。S級は今期が2年ぶりで2回目なんですが、決勝は初めてです。S級シリーズでも決勝に乗ったことがないのに信じられませんね。今日は興奮して眠れそうにない(笑)」
  人気の五十嵐力は2着。期待に応えることができなかった。
  「予想外の展開でした。ホームでまさか来るとは…。悔しいです」
 地元作戦を粉砕した吉永好宏は「番手勝負が基本だったけど、地元勢は前を取って引いてカマす展開でしたからね。あのまま中団にいても厳しいし、思い切って仕掛けました」とレースを振り返る。


<9R>
吉川誠選手
吉川誠選手
   9レースの準決勝Bは吉川誠(写真)がマイペースで先行。堂々の逃げ切り勝ちで、2年連続の当所記念決勝進出を決めた。
  「今年は調子を崩して長期欠場したし、まだまだ本調子とは言えませんが、そういう中で地元記念の決勝に乗れて本当に嬉しいです。今日は後ろが眞原(健一)さんなので、先行と決めていました。後ろがごちゃついてくれたし、上手く自分のペースで駆けられたと思います。明日も力を出し切るレースをします」
  2着にも眞原健一がきっちり流れ込み、地元コンビで連独占を果たした。
  「前のレースで地元勢がちょっともったいないレースをしてしまったので、ここは何としても連係を決めたいと思っていた。吉川が上手い具合に駆けてくれたし、かかりも良かった。後は自分がしっかりガードするだけですからね。最高の形で決まって良かった」
  この地元コンビの三番手をさばいた山内大作が3着。
  「隙があれば三番手を狙おうと考えていました。中山(善仁)さんが踏み遅れて脚をあまり使わずに三番手を取れたけど、ちょっと余裕がなかったです」


<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
   10レースの準決勝Aは佐藤友和(写真)が豪快にまくって圧勝。今シリーズ2勝目をマークした。
  「昨日は4着ですごい悔しかったので、今日は勝ちたかった。手島(慶介)さんが安東(宏高)君のラインに付くのは予想していた。六番手を三宅(達也)さんと取り合う展開になると思っていたけど、三宅さんが三番手で粘ってくれたので恵まれました。1コーナーでは勝てる手応えがありました」
  最終バックから番手まくりを打った大塚健一郎(写真)が2着に入った。
  「前回の福井記念が終わった後に安東(宏高)君と一緒に練習したんですよ。彼が作った練習メニューをこなし、自力の脚が鍛えられましたね。強いのは知っているし、頑張ってくれました。後ろの状態は分からなかったんですが、タレて来ていたので、番手から出させてもらいました」
  岩津裕介が厳しい展開を凌いで3着入線。
  「(佐藤は)いいスピードで外を行っちゃいましたからね。レースは良く見えていたし、それに切り替える感じで追っていきました。最後の伸びも結構良かったと思います」
  強豪相手に先行した安東宏高は「バックまでの先行なら誰でもできますからね。せめて4コーナーまで持つようなレースをしたかった。このクラスだと明らかに力不足だし、ガチガチで冷静に走れなかったです。でも、勉強になったし、得るものは大きかった」。


<11R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   最終11レースは武田豊樹が突っ張り先行。飯嶋則之(写真)がまくって来た新田康仁を好ブロックし、直線鋭く抜け出した。
  「武田さんの番手だったので、気合を入れて走りました。2周駆けてさすがにタレて来ていたので、何とか残そうと必死でした。調子は全く問題ないですね」
  先行した武田豊樹(写真)は3着に敗れたが、納得の表情を見せる。
  「あれだけ踏んだから最後は一杯でしたね。きつかったです。2着に残れればもっと良かったんですが、決勝に乗れてホッとしています。こういう勝ち上がり方は先につながりますからね」
  2着に突っ込んだ鰐渕正利の伸びも光っていた。
  「吉田(敏洋)はきついところで仕掛けたし、もう無理だと思った。武田が上手く駆けたね。飯嶋がブロックして内に行こうか迷ったが、転ぶ予感がしたので、ちょっと待ってから外を踏んだ。レースの流れが良く見えていた」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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