『小田原競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:8月21日


 小田原競輪開設58周年記念「北条早雲杯争奪戦」は今日21日が最終日。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終第11レースで争われ、佐藤友和が会心の逃げ切り勝ち。今年2月の奈良以来となる通算2度目の記念Vを飾り、来月のオールスターに大きな弾みを付けた。

決勝戦ダイジェスト
 スタートで多少出渋りはあったが、佐藤友和が踏み上げて誘導員を追った。佐藤―岩津裕介―大塚健一郎―宇根秀俊で前団。中団に武田豊樹―飯嶋則之―鰐渕正利が入り、吉川誠―眞原健一が後方待機で周回が進む。
  青板では早くも吉川が上昇を開始。吉川は、武田のアウトで止まり、執拗な牽制。しかし、青板バックでは武田が吉川をこじ開けて踏み込み、赤板で佐藤を叩く。すかさず吉川が叩き返すと、武田は突っ張らずに吉川を受けるが、打鐘では更に佐藤がカマシ気味に仕掛け、吉川を叩いて主導権を奪う。吉川が中団、武田は七番手となるが、吉川は踏み遅れて前との車間が大きく開く。すかさず武田が仕掛けて、その中団に入り込み、更に詰めた勢いでバックからまくり上げるも、佐藤のスピードは全く落ちずに不発。ゴール前で岩津が懸命に差し込むも、佐藤は末脚強靭に堂々と逃げ切った。



佐藤友和選手
佐藤友和選手

 武田豊樹と佐藤友和。88期ライバル対決に注目が集まったが、打鐘から果敢に逃げた佐藤友和(写真)の完全勝利という結果に終わった。
  「予想していた展開になったし、あの形なら先行しようと思っていました。吉川さんが自分の先行はないと思っていたのが勝因でしょう。後ろがラインの選手じゃなかったけど、それは気にならなかった。僕も残りたいから、ずるく駆けましたよ。でも、ゴールするまで優勝は分からなかったです。久々の先行でかなり苦しかったけど、優勝できて嬉しい。オールスターに向けても最高のアピールになったと思います」

 四角番手の絶好展開となった岩津裕介だが、佐藤を交わせなかった。
  「佐藤君が駆けてくれましたからね。いいかかりだったけど、武田さんが絶対まくって来るだろうし、それだけは止めようと思っていた。普通なら抜ける展開だけど、付いたことがない選手なので、踏み方がちょっと分からなかった」

 3着にも三番手を回った大塚健一郎が流れ込んだ。
  「佐藤君が先手取れなければ切り替えるつもりだったけど、意外とすんなりした展開になりましたね。佐藤君は強かったし、踏み方を知っている。でも、自分が番手を回れば、きっちり抜いていたと思う。今回は決勝に乗れたし、復調のいいきっかけをつかめました」

 まくり不発の武田豊樹は「吉川(誠)君の動きが予想外だった。あれで友和のいい展開になってしまったね。前との車間が開いていたし、追いつくので一杯だった。友和が強かったということでしょう」とサバサバとした表情で振り返る。

 地元の吉川誠は見せ場を作ることができなかった。
  「今日は2車だからカマすことしか考えていなかった。でも、中団が取れなくて中途半端なレースをしてしまいました。結果的に友和をアシストするような形になってしまい、悔しいですね」

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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