『小田原競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:6月29日


 小田原競輪場で開催されている開設59周年記念「北条早雲杯争奪戦」は3日目を終了。今日は準決勝戦をメインに各レースが予定通り行われた。天気はあいにくの空模様だったが、競走は各戦ともに熱い攻防が続いた。いよいよ9名のファイナリストが決定し、明日は決勝戦が行われる。
  場内イベントは連日大盛況。月曜日は引き続き「小田原競輪オリジナルタオル」や「箱根小涌園ユネッサン割引券」のプレゼントや、マスコットガールSunSunGirlsのお出迎えや、豪華商品の当たるガラポン抽選会などが行われます。
  本場の方へもぜひお越しください。



<8R>
渡邊秀明選手
渡邊秀明選手
   8レースは準決勝C競走。1名しか勝ち上がれない狭き門を突破したのは渡邊秀明(写真)。逃げた荒澤貴史を早めに叩いた五十嵐力をマークし最後は直線で鋭く抜け出した。
  「作戦は全て五十嵐任せでした。自分はどこから踏んでも対応できるようにずっと構えてました。ここから行くってところで、見切りで踏んだけどドンピシャでしたね。あとは無我夢中でした。最近はずっとくすぶっていただけにこの1勝は嬉しい! 全て五十嵐に感謝です」 
  その五十嵐力は惜しくも優参を逃し「後ろがいるし早めに仕掛けました。車の出は良かったんだけど、末が甘いですね。もう少し余裕があれば…」と言葉少な。
  志村太賀と梶山裕次郎の両自力型はともに着外に沈み、志村太賀が「後ろから様子を見てしまい、待って待っての仕掛けになってしまった」と話すと、梶山裕次郎も「自分で切り開いていく競走ができれば良かった…」とそれぞれ敗戦の弁が口を付く。


<9R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
鈴木誠選手
鈴木誠選手
   9レースは準決勝B競走。原真司と牛山貴広が主導権を争うと、中団からすかさず海老根恵太(写真)がひとまくり。後続を寄せ付けず、鈴木誠とワンツーを決めた。 
  「前が踏み合ってたし、展開が良かったですね。後ろにいた荒井(崇博)の動きは見てなかったけど、彼だけには行かせてはダメと注意してました。今日は、一旦前を斬って足を使った分、出がイマイチ悪くてタレてしまったけど、判断は冴えていたと思います」
  鈴木誠(写真)は「海老根自身は『かかってない』と言っていたけど、そんなことは無かったよ。グングンとスピードが乗っていたし、抜ける気がしませんでした。細切れだし、動く競走になると思ったからギアを一枚下げたけどこれが正解でした」
  前田新は内に牛山がいる苦しい展開だったが、どうにか耐えしのいで確定板行きを決めた。 
  「原君が『出切るまでに脚を使ってしまった』と言ってた。彼があれだけ頑張ってくれたわけだし、しっかりと2着までに勝ち上がらないといけませんよね」
  牛山貴広は「普段押さえて駆けることが多いし、細切れ戦にうまく対応ができなかった。気付いたら原さんが横にいました。出られたくなくて、ああいう展開になってしまった。勉強になりました」とサバサバしている。


<10R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   10レースからは準決勝戦A競走。有坂直樹が離れ、単騎で逃げた小野大介を追うかたちとなった矢口啓一郎が、渾身のまくりで小野を捕らえてそのまままくりきった。
  矢口啓一郎(写真)は「小野が一車だったし、後ろから来た松田さんも一車だったから、こっちは割合落ち着いていました。ただ金子さんがいたから気は抜けなかった。それでも、踏み出しも良かったし、スピードに乗せてからもうまく駆けられましたし自分のレースが出来たと思います」と納得行く競走に笑顔を見せる。
  2,3着には神山雄一郎(写真)阿部康雄がそれぞれ流れ込み、関東三者で連を独占した。
  神山雄一郎が「少し離れ気味になってしまった。どんな展開になっても踏み出しだけは気をつけないとね。矢口が待っていてくれたみたいで、うまく付け直せた。凄いダッシュでしたよ」と話せば、阿部康雄も「付いていけずに離れるかと思った。ゼロ発進のような感じだったし、そこから一気に行ったんで苦しかった。(矢口は)ここ最近に無いデキですね。明日もやってくれるでしょう」と、ともに矢口の仕上がりを絶賛する。
  有坂直樹は小野大介のトリッキーな動きに翻弄され、連結を外してしまった。
  「小野が金子(貴志)と加藤(慎平)の間を抜けて前に行ってしまったし、あの動きには対応できないよ。思い切りバックをふんじゃったし、あれで終わりだった」
  小野大介は「慌ててしまい、レースが見えていなかった。もう少し落ち着いていれば…」と唇を噛み締める。
  金子貴志は「あれだけ矢口に突っ張られたのは想定外。脚を使ってでも一回前を斬っておけば展開は変わったかもね」と淡々と競走を振り返る。


<11R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
菅田壱道選手
菅田壱道選手
   11レースは浅井康太が打鐘から一気に前に出て主導権をにぎると、直線で山田裕仁(写真)が番手有利に抜け出した。
  「浅井はすんなり駆ければ強いですよ。今日は頑張ってくれたし、僕は(展開に)恵まれただけでしょう。内に4(菅田)が詰まってるのもわかったし、今日は番手まくりをするような内容じゃなかった」
  菅田壱道(写真)は内に包まれる苦しい展開となったが、最終2センターで空いたインコースを巧みに突いて2着入線を果たす。これが自身初の記念優参となった。
  「ホーム過ぎ、一回コースが空いたところがあったから本来ならそこで仕掛けるべきだった。最後何とか空いてくれて助かったけど、自力で勝ち上がっていないし、そこだけは悔いが残ります。明日は今日のぶんまで思い切り駆けます」
  遠澤健二は写真判定のすえ3着を確保。菅田マークからしぶとく直線で伸びた。
  「ヒヤヒヤものでしたよ。(菅田は)一回仕掛けるかなって思ったんだけど行かなかったし、どうすんのかな?って。こうなったら最後までコースを探して脚を溜めるしかないなって思ってたら2センターで何とか(行ってくれた)。俺自身調子は悪いけど、今は気持ちが入っています。明日も何とか頑張りたい!」
  浅井康太は積極策でレースを作り、山田の勝利に貢献した。
  「流すところもなく、ずっと踏みっぱなしできつかったけど、今日は菅田を前に出させたくは無かったですから。結果は大負けでしたけど、山田さんが決勝に上がってくれたし、自分自身は2日間主導権を取っていなかっただけに今日のレースは納得です」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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