『小田原競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:6月30日


 小田原競輪場で開催されていた開設59周年記念「北条早雲杯争奪戦」は6月30日に無事全日程を終了。本日は9人のファイナリストによる決勝戦が行われた。レースは混戦となったが、それを制したのは海老根恵太。前回6月函館に続く記念連覇を遂げ、このさき控える寬仁親王牌に向けて弾みを付けた。

決勝戦 レース経過
 鈴木誠がスタートを取り、目標の海老根恵太を迎え入れる。隊列は海老根-鈴木が前団、山田裕仁-渡邊秀明、菅田壱道-遠澤健二が中団に入り、矢口啓一郎-神山雄一郎-阿部康雄が後方待機の順で落ち着く。
 青板バックから矢口がゆっくり上昇。赤板で誘導員を交わして先行態勢に入る。この四番手に海老根がすんなり入り、菅田は六番手、山田は八番手の態勢で打鐘を迎える。矢口は一旦ペースを緩めるが、鐘と同時に菅田がスパート。最終ホームであっさり矢口を捕らえて主導権を取り切る。菅田ラインを追った山田はバック手前からまくり上げるも、その上を海老根が豪快にまくり切り、後続を千切って圧勝。前回の函館に続き、記念連覇を達成した。鈴木が神山にからまれながらもしぶとく2着に流れ込み、千葉コンビで連独占を果たした。三番手からまくった山田は3着。



海老根恵太選手
海老根恵太選手
 勝った海老根恵太は、ゴール後、右手をぐっと高く突き上げた。表彰式を終え、検車場に引き揚げると、満足そうに汗をぬぐいながら記者の取材に応じた。
 「菅田か矢口が主導権を取りそうなのは分かっていたけど、ホームで山田さんに前に入られたのは予定外でしたね。あそこで山田さんの前に入っておきたかった。そのあとは山田さんを追いかけるように目一杯踏みました。三角を登るところがかなりきつかったですね。あれを乗り越えてからはスピードもあったしいけると思いました。2場所連続Vは初めてだし嬉しい。滝澤さんの引退があって暗くなりかけたけど、石毛さんが優勝したり武井の調子が良かったりと千葉が良い流れが続いていただけにそれに乗れてホッとしてます。次は親王牌ですが、予選スタートなので、初日に負けないよう気を引き締めてまた頑張ります」
 鈴木誠は連結が離れそうになったが、しぶとく食い下がりなんとか2着に流れ込んだ。
 「今日は展開どうあれ海老根任せでした。海老根は一番きついところから行って、あの山を越えるのは相当しんどかったと思うよ。離れかけたけど、そこは執念で付いていきました。最近、決勝で彼とワンツーが無かっただけに嬉しいですね」
 3着入線の山田裕仁は、マークの渡邊秀明が離れてしまい「作戦は俺に任せてくれと渡邊には言ってありました。2車で行けてれば違った展開だったかもね。ただ後ろに地元が付いてくれた以上、ブチカマす競走で、とにかく4角まで精一杯踏むことだけを考えていました。今日は仕方ないね」とサバサバ。
 矢口啓一郎は早め早めの仕掛けだったが、菅田のカマシに屈した。 「菅田に合わせようと思ってたけど、ラスト1周で自分のペースだったし、もう来ないだろうと。そうしたら思い切り来られてしまった」
 神山雄一郎は矢口に前を任せて共倒れ。
 「矢口が行ききれず、苦し紛れに前に切り替えたけど、結構離れていたし、ただ追いかけただけでしたね」
 記念初優参の菅田壱道は地元・遠澤健二を引き連れ、2車ながら果敢に先行した。
 「矢口さんが早い段階であんなに全開で踏むとは思わなかった。自分の仕掛けどころはバッチリだったと思う。バックも取れたし、“先行した”ってことには納得してるけど、あれで残れないんじゃ力不足です」
 地元の遠澤健二渡邊秀明は別線勝負だったが、ともに着外に沈んだ。
 遠澤健二は「菅田は昨日の失敗にめげずに、迷いなく行ってくれた。そんなあいつの気持ちを思うと、俺は絶対に離れられなかった。付いてはいけたけど、山田が横にずっといてきつかったですね。そうしたら海老根に横をシューと行かれてしまい、これじゃあ無理だと」。
 渡邊秀明は山田から離れてしまい「昨日浮かれすぎたかな。気合が空回りしてしまった。ただ、この失敗で課題が見つかった」と反省モード。


ゴール




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