『小田原競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:8月31日


 小田原記念開設60周年記念「北条早雲杯争奪戦」は3日目を終了。台風直下で横なぐりの雨がバンクを叩きつける最悪のコンディションのなか、各戦ともに激戦が繰り広げられた。本日のメインレース、準決勝からは岩津裕介、荒井崇博、佐藤友和らが勝ち上がり、これで9名のファイナリストが出そろった。
 場内イベントは明日も行います。豪華景品の当たるスーパーガラポン抽選会やチアリーディングチームによるイベント、SunSun Girlsらとのフォトブースでの記念撮影、競輪グッズの販売などが行われます。どうぞ小田原競輪場へお越しください。


<8R>
佐久間仙行選手
佐久間仙行選手
    8レースは準決勝C。一名しか勝ち上がれない狭き門を突破したのは佐久間仙行(写真)。伊勢崎彰大のまくりにスイッチすると、最後は直線で追い込んだ。
  「廣川(泰昭)君が(逃げた田中俊充ラインの)三番手に入ったでしょう。あれで藤野(光吉)くんが追い上げたので、ひとまず目標にして付いていきました。そうしたら1センターから伊勢崎君が仕掛けた。彼が当日にギアを上げていたのを知っていたし、すかさず切り替えました。落ち着いて反応できましたね。今回は繰り上がりで準決勝に乗れたし、ツキがある。明日も楽しみですね」
  伊勢崎彰大は、当日の朝にギアを4回転に上げて虎視眈々と一発を狙っていた。
 「宮倉(勇)さんが付いてくれたし、何かしなければ駄目でしょう。さすがに先行は考えていなかったけど、まくりなら決まる可能性があると思った。でも準決Cで2着では意味がないですよ」
  廣川泰昭は前受けから一旦は田中俊充を突っ張ったが、結局田中を出させて田中ラインの三番手に入った。
 「今日は先行を考えていたし、全部突っ張るつもりでした。だけど、打鐘で迷ってしまい結局(田中を)出してしまった。三番手に入ってからも少し躊躇してしまいましたね。それに、そのあとすぐに藤野さんが追い上げてきたでしょう。ああなると自分は苦しい」
  先行した田中俊充は「廣川君に突っ張られた思っていたら、前に出られた。もう駆けることしか考えていませんでした。引いても意味がないですから」とレースを振り返る。



<9R>
山口貴弘選手
山口貴弘選手
山口貴弘選手
橋本紀彰選手
   準決勝Bは、立石拓也の後位で川崎健次が粘って混戦になると、山口貴弘(写真)が好回転で前団を飲み込んだ。 
  「少し早めの仕掛けだったけど、昨日もがいていた分、身体が動いてくれました。打鐘で松山(勝久)さんが単騎で前にいたし、本当は動きを待とうと思ったけど、行かないみたいだったから迷わずに踏みました。練習での感じがずっと良かったし、今回はやれる自信があったんです。結果にも出ているし、明日も続けばいいですね」
  橋本紀彰(写真)は今開催一番のラッキーボーイだ。山口にピタリと張り付き2着をキープ。初の記念参戦で優参を決めた。
  「もう今年のツキを使ってしまったでしょう(笑)。今日は先輩の後輪を見て、付いていくことだけでした。道中は内を閉めることに集中するあまりレースが見えていませんでした。ゴール後に、『えっ、2着?』って感じでした」
  小田原のエース・川崎健次は健闘むなしく着外に。レース後も「今日は後方からだったし、一旦自分が動いてレースを組み立てたかった。立石さんが叩いてきたけど、ベタっと流したからもう粘るしかなかった。もしも一気に叩いていれば、中団に入れたし、どうにでもなったのに」と悔しさを滲ます。


<10R>
池田良選手池田良選手
荒井崇博選手
荒井崇博選手
    ここからは準決勝A。先手を奪った五十嵐力の番手で天田裕輝が粘ると、もつれをかい潜った荒井崇博がひとまくりで前団を飲み込んだ。すると、荒井マークの池田良(写真)が直線を猛然と追い込み1着をさらった。
  「今日は荒井さんに付いていくだけでした。ホームで前を見たら、併走状態だったし、荒井さんが仕掛けるタイミングも分かっていました。記念の決勝はこれで3回目。まだ5回しか走っていないのに、これだけやれてビックリしています」
  荒井崇博(写真)は「メンバーがメンバーだし、池田に前を任せても、お互いに力を出し切れないと思った。この並びで正解だったね。今日は五十嵐が先に来たら突っ張ったけど、天田なら出そうと。そうすれば天田はサラ脚だし、五十嵐相手に前で何かやってくれるでしょう。こっちからすれば良い展開になった」と2着にも納得げ。
  3着は藤原憲征が確保。連係した天田裕輝の競走を大いに評価する。
  「天田が粘ってくれたから、新田(康仁)さんが相当脚を使ったでしょう。あれが無ければこっちは総崩れだったかもしれない。自分は脚にも余裕があったし、最後は目一杯突っ込みました」
  新田康仁は「あの展開で粘られると厳しいですね。結果的に荒井のまくり頃になるし」と言葉少なかった。



<11R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
萩原孝之選手
萩原孝之選手
    11レースは、ホーム前からスパートした菅原晃を交わした岩津裕介(写真)が1着に。これで岩津は3連勝を達成。レース後は、前を任せた菅原晃をしきりに労いながらレースを振り返る。
  「今日は菅原さんを信頼していました。浦山(一栄)さんが出切って流していたところを、すかさず外併走から叩いてくれた。三角を過ぎて、残せると思ったんですけどね。残せずに申し訳なかった。でも連日良い展開でここまで来れているし、明日も頑張りたいです」
  佐藤友和は3日間勝負強さを遺憾なく発揮している。レース後のコメントも、憎らしいほど余裕しゃくしゃくだ。
  「今日は雨が気になったから、コーナーやブロックのきついところではスピードを殺しながら踏みました。雨が降っていなければもっと余裕でしたよ。身体も動いているし、反応も良いです」
  萩原孝之(写真)は、バック最後方に置かれる苦しい展開を耐えしのぎ、最後は大外を強襲して3着に食い込んだ。
  「もう半分諦めかけていましたし、(順位決定Aの)6着までに入れればいいかなと、正直それくらいの気持ちでした。もう大外しか踏むコースが無かったし、わけもわからず踏んだけど、友和のスピードをもらっていたし良く伸びました」
  菅原晃は末の粘りを欠き、惜しくも4着に沈んだ。
  「仕掛けるのが少し早すぎました。打鐘で友和が内にいたし、慌てずにもう少し待てば良かった。出切ってからも、いつ友和が来るか分からないから流せなかった」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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