『小田原競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:8月24日


 小田原競輪開設61周年記念「北条早雲杯争奪戦」は8月24日に全日程を終了した。V候補筆頭の村上義弘が2次予選で敗退したが、代わって九州勢の若手が奮闘し開催を盛り上げた。注目の決勝は海老根恵太、永井清史のSS班に、九州勢の機動型が4人でまとまり挑んだ。レースは九州の連係は崩れたものの、坂本亮馬が落ち着いて中団からまくって優勝した。

決勝戦 レース経過
 スタートはけん制状態から海老根恵太が前を取ると新田康仁が続く。中団に永井清史-小倉竜二-吉永好宏、後攻めが豊岡哲生-坂本亮馬-松岡貴久-田中誠の九州勢となって周回が進む。青板過ぎの1角から早くも豊岡が上昇を開始。永井も合わせて踏み上げ、海老根を押さえて両者で壮絶にモガキ合う。結局ダッシュに優る永井が赤板から先行となり、豊岡は出切れずに2角で小倉にさばかれ打鐘で外に浮いて後退。坂本が4番手、海老根は7番手でラスト一周を迎えた。絶好位置を確保した坂本は車間を詰める勢いで2角から好回転でまくり発進。スピードに乗った坂本はバック手前では永井を交わし、直線に入っても松岡の追撃を振り切って、神奈川全場の記念制覇を成し遂げた。


坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 坂本亮馬の勢いが止まらない。7月に川崎記念を優勝して神奈川四場の記念制覇にリーチを掛けると、前回の富山記念から中3日の日程にも関わらず、追加配分で当所に殴り込んできた。そして、当所では連日、圧倒的な強さを発揮。「制覇しにきました」との前検日の宣言通り、見事に神奈川グランドスラムを達成した。
「九州で優勝者が出ればと思ってたけど、優勝できて嬉しいですね。今日は後ろから普通に押さえて駆ける作戦でした。永井さんに突っ張られるのも想定内だったし、中団が空いていたのも見えてたんで下げました。(豊岡)哲生が永井さんの脚を消耗させてくれたんで、あとは後ろにもチャンスを作るために早めに仕掛けました。最後は神奈川のツキもあって勝てましたね」
次の平オールスターは「ドリームレース」からと勝ち上がりが断然有利。悲願のG1制覇に向け、いつもの強気な「亮馬節」が飛び出した。
「今回の記念とオールスターはまた別だけど、これで弾みが付きましたね。自分はどんなレースでも毎回毎回、優勝を目指して来てるんで。今は調子も良いし、平ではいつも通りのレースで頑張ります」

 松岡貴久は必死で追い込んだが坂本を交わせず。記念初優勝はならなかった。
「永井さんが相手ではああいう展開になると思ってたけど、(坂本が)もう半周早く行ってくれればチャンスがあったかも。2コーナーまくりでは今の調子では抜くのは厳しいですね。4コーナーからまた伸びていく感じだったし、亮馬が上手だったし強かった。とても抜ける感じはしなかったね」

 海老根恵太は踏み遅れが致命傷となった。
「やり合う展開になると思ってたけど、前の踏み出しが良すぎて離れてしまい、そこに亮馬に入られてしまった。ああなっては巻き返せない。しっかり付いてないとダメだし、こういうミスをなくさないといけない」

 永井清史は力で真っ向勝負を挑んだが、坂本にすんなり中団に入られては成す術がなかった。
「九州勢を出させては面白くないんで突っ張りました。亮馬が引くのも頭にあったし、中団で(坂本が)海老根さんとからむかなと。そうなれば面白かったけど、すんなりではどうしようもないですね」

 小倉竜二は坂本を止められず。
「永井は掛かってたよ。でも、最初から永井は結構踏んでたんで、後半は厳しいよね。自分も脚が一杯やった」

 豊岡哲生は先輩の優勝に貢献し満足げ。
「どっから行っても結果(突っ張られる)は同じだったかも。永井さんとは力が全く違った。でも、亮馬さんには高校のときから世話になっているし、先輩に貢献できたんで良かったです」



ゴール




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