『東日本大震災被災地支援競輪 花月園メモリアルin小田原(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月25日
 本日(25日)、神奈川県・小田原競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・花月園メモリアルin小田原(GIII)の3日目が開催されました。3日目のメインは決勝進出者9名が決まる準決勝3個レース。激戦となった準決勝は順に、十文字貴信選手、伊藤信選手、松岡健介選手が1着で決勝戦に駒を進めました。伊藤選手と松岡選手の近畿両者は、ともに土つかずの3連勝です。残念ながら地元の南関勢から優出者は出ませんでしたが、決勝戦は非常に楽しみなメンバー構成となりました。若手自力型からベテラン勢まで、新鮮な顔ぶれでの細切れ戦。必見です。
 最終日のイベント・ファンサービス情報です。最終日は先着1500名様に薬用入浴剤セットをプレゼント。連日行われている未確定車券によるガラポン抽選会、日本競輪選手会神奈川支部による競輪グッズ販売特設ブースのコーナーに加えてテイチクレコードの加藤茶CD販売特設ブースも設置されます。予想会も絶好調でお届け。3日目に続き地元コンサルタントによる早朝予想会、スピードチャンネル解説者によるレース展望会は井上茂徳氏(3R後)が最終日を締め括ります。そして、目玉イベントとして、4・7レース終了後に加藤茶さんが来場!加トちゃんスペシャルトークショーが予定されております。最終日も小田原競輪に全員集合!
小嶋敬二選手&女子競輪生徒のトークショー
小嶋敬二選手&女子競輪生徒のトークショー
<1R>
近藤誠二選手
近藤誠二選手

 捲った原誠宏マークの近藤誠二(写真)が差し脚を伸ばして1着。
「原(誠宏)のおかげです。ありがとう。柴田(竜史)はやる気だったけど、あんなにいくとは思いませんでした。バックで後ろに櫻井(紀幸)さんが入ったのも分かったので、先に踏んでおかないといけなかったし、『原、ごめん』と思いながら踏みました」

 柴田マークの櫻井紀幸が香川ラインの3番手にスイッチして2着。
「作戦は中団からだったんですけどね。2番(矢田晋)は後ろ攻めだと思ったら、出ていくし、(香川が)前に入るし。他地区なのに、あれだけ柴田がいってくれましたね。流したらすぐ来てしまっただろうし…自分は2車で仕事も出来ずに…。バックでは3番手に入って、気付かれないように踏んだんですけどね。でも調子は上がってきていると思います」

 赤板から先行態勢を築いた柴田竜史は9着大敗。
「本当は矢田さん、原さんがいった上をいきたかったんですけどね。あの形になったら、前に行かないと厳しいですし、8割くらいで出てホームからどこまで持つかと。矢田さんに出られないように踏んだんですけど、ダメでしたね。持ちませんでした」


<2R>
中村敏之輔選手
中村敏之輔選手

 前受けから組み立てた中村敏之輔(写真)が捲りで豪快に決めた。
「(積極型が揃ったが)自分が一番楽が出来そうな番組だったので、前受けからいきました。やりあってくれるかなと思ったんですけど、2車だと柿沼(信也)さんもさすがに先行にはいきませんでしたね。今までだったら、柿沼さんが仕掛ける前に踏めていたと思うんですけど、どうするんだろうってまだ思ってしまって。でも1着取れて、これが良いキッカケになってくれるといいですね」

 先行した戸伏康夫をマークした時松正が2着。
「恵まれましたね。戸伏君があれだけ踏んでくれましたし、良い感じでした。絶対に(捲りを)止めてやろうと思ったんですけど、すごい外を踏んでいたので止めることが出来なかったです。あそこまでは止めきれなかった…。でも久しぶりにバックをハコで回りましたね(笑)。戸伏君のおかげです」


<3R>
城幸弘選手
城幸弘選手
富永昌久が突っ張ったことで中団からの捲りになった城幸弘(写真)がS級初勝利。
「ペースも上がっていたし、昨日みたいにカマシなら一緒に出ていって突っ張ろうと思ったんですけど。もう少し早くいってくれると思っていたから、(フタをされていて)焦りましたね。捲りですけど、これがS級初勝利。欲を言えば先行が良かったが、まだ力が足りていません。捲りもスパーンと切れれば良かったけど、モコモコしてしまって感じは良くなかったですね。初勝利はもちろん嬉しいです」

<4R>
榊枝輝文選手
榊枝輝文選手
小谷田公則が先行、番手から捲りで抜け出した榊枝輝文(写真)が連勝を決めた。
「(森田進が3番手に追い上げて)あれはやりますよね。(増原の捲りは)直線に入ってしまったし、止められなかったです。でも小谷田があそこまで駆けてくれているからね。ありがたかったです。昔はちょっと番手捲りもして、逆にやられたときもあったけど、勝たないと小谷田の先行した意味がなくなっちゃうし、きっちりいかないといけないなと思っていかせてもらいました。初日はガッカリしたけど、これが良い薬になると良いですね」

<5R>
平田徹選手
平田徹選手

 赤板過ぎから小泉俊也が先手を取り、そこを五日市誠が叩く意外な展開。後位は混戦となるも平田徹(写真)が抜群の伸びで差し切り1着。
「1番(馬場勇)が粘ってくるのは読めていたんですけど、小泉(俊也)さんの動きが分からなかったですね。粘るのかとも思いましたよ。バックからはなんとか石井(毅)さんを目標にして付いていこうと思って、1番も遅れていたから追い上げる感じで踏みました。ギアのおかげです。昨日もそうでしたけど、だいぶ踏めていますし、また明日頑張ります」

 2着の丹波靖貴は「(混戦になり)どうしようかと思っていましたよ。外なら内にいこうと思っていたんですけど、内は詰まっていたし、それに5番(平田)がいくような気配がしました。最後は抜きたかったですけどね」


<6R>
成田健児選手
成田健児選手

 捲った岡村潤マークの成田健児(写真)が差し切り1着。
「潤が前々で頑張ってくれたおかげですね。前になっても突っ張りもあったし、昨日失敗しているから7番手にならないように、最低中団という作戦でした。松山(学)さんのおかげもあって、ラインでワンツースリーが決まって良かったです。抜く抜けないの展開になるとは考えていなかったし、(1着は)やっとですね」

 岡村潤が捲り2着で南関勢の上位独占となった。
「昨日のレースでスカスカしていたし、後ろの栗原(厚司)さんにも言われていたので、このフレームでは初めてギアを一枚あげました。良かったと思います。筒井(裕哉)さんが出切ったのも分かったし、番手に橋爪(亮)君が入ったのも分かったので、遅いとマズイと思って早めにいきました。それに地元が後ろに付いていますからね。判断できたし、体も動けていると思います」


<7R>
馬渕紀明選手
馬渕紀明選手

 今井裕介の先行を中村美千隆が捕え、中村をゴール前で馬渕紀明(写真)が交わして1着。
「今井(裕介)の動きがあって、ちょっと(中村は)酔わされた感じはあったね。あれだけ振られて波もあったし、最後はその分でしょう。成績は出ていないんですけど、今回は来る前から練習での感じも良かったんですよ。なんとか良かったです」

 2着の中村美千隆は「今井はダッシュもいいから、見て、休んでみたいになって、ちょっとペースにはまってしまいましたね。でもあそこでいかないと。荒澤(貴史)が先に捲っていったら苦しくなってしまいますし、変に邪魔になってしまいますから。あとは栗原(厚司)さんのところを乗り越えられればと思っていましたよ」


<8R>
松岡孔明選手
松岡孔明選手

 松岡孔明(写真)が7番手から捲り追い込みを決めて今シリーズ2勝目。
「今日はホームからいったら、もっと楽だったかもしれないですけど、ここは333バンクでも400バンクと同じくらいに届きますね。今日のレースを初日にしておくべきでした。いつもの仕掛けでタイミングを見ておけば、もっと自信をもって2日目もいけたと思います。昨日は自分の距離じゃないのに早駆けしてしまいましたしね。最終日も勝てるように頑張ります」

 地元勢を追走した鷲見逸喜が3番手から2着に入線。
「後ろは清水(広幸)さんが付いていたので、もっと早めにいけば良かったですね。今日は地元勢の後ろから。付いたことで、8割くらい先行になると思いましたし。すんなりだったので良かったですが、抜け出したときはヨシ!って思ったのに、すぐに黄色(松岡孔明)が来ましたね」


<9R>
十文字貴信選手
十文字貴信選手
岸澤賢太選手
岸澤賢太選手

 いよいよ準決勝戦の幕が開く。主導権争いもあり、絶好の展開になった関東ラインが抜け出すと、番手から十文字貴信(写真)が差し切り勝ち。
「昨日は実力でしたけど、初日も今日も展開ですね。いってくれた岸澤(賢太)君のおかげです。しっかり最後までスピードが落ちなかったし、阿部(康雄)さんも決まって良かったです。ありがたいですよ。(松谷が)先行すると思ったし、作戦通りになって、運も味方してくれたと思います。でも、運があるのも何とかとも言いますし。自分で言っちゃダメですけど。こういうチャンスをしっかりとものにできるように、頑張るだけです」

 関東3番手の阿部康雄が2着に突っ込む。
「最後はもう一杯でしたよ。今回は展開がよいのもあるし、伸びも良いかなと思いますね。記念の決勝は優勝した佐世保以来じゃないかなと思いますけど、ちょっと遠い話で分からないです(苦笑)。今日は捲ってくれの展開になったし、ああなったらあとは(佐々木)龍也さんを乗り越えられるかどうかでした。飛ばされたときの対処も考えて締め気味に踏んでいったし、考える余裕はありました」

 松谷の先行に西村光太が挑む展開、作戦通りに展開をものにした岸澤賢太(写真)が関東上位独占を決める捲りで3着。
「ラインで決まって良かったです。松谷(秀幸)さんは絶対にいくと思っていたし、すんなりだといかれてしまうと思ったので、なるべく脚を使わせるようにして、あとはモガキあいになれば良いなと思っていました。(感触は)悪くないと思いますね。記念の決勝はこれが初めてです。せっかくの決勝だし、力を出し切れるように頑張ります」

 西村光太(9着)は「とにかく前々にいこうと思っていました。出れば何とかなるかなと思ったんですけど、展開ではなく、合わされてしまったことが本当に悔しいです」

 一方の松谷秀幸(8着)は「西村(光太)が前受けだったから、来るのは岸澤(賢太)かなと思っていたんですけどね。早くいっても、出てきていましたし…。きつくなりました。フタをしていれば楽だったかもしれないけど…」


<10R>
伊藤信選手
伊藤信選手
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手

 カマした伊藤信(写真)がそのまま押し切り勝ち。勢いは止まらず、これで3連勝!
「まさか3連勝できるとは思っていなかったです。初手は2つか3つ後ろが良かったんですけどね。奈良の補充から手応えを感じていました。S級に上がってからも、ただS1を取って終わりではなく、上位と戦うための準備をしてきました。まだまだ足りないところは変えていきますしね。記念の準決勝も初めてだったので、決勝ももちろん初めて。いつかはと思っていたけど、長かったですね」

 捲りで2着入線の矢口啓一郎(写真)だが、レース内容には納得がいかない表情。
「脚が無いですね。う~ん。333なので、もっと伸びたかったです。伊藤(信)君とは前回から一緒で、型にはまると強かったし、今日も若手の1周カマシだからね。それにしてもなぁ…あれは届かないと。踏めてないですね。でも決勝に乗れたのは良かったですよ。決勝は何があるか分からないですしね」

 3着は小岩大介が入線。
「3着!?やった、運がありますね。届いていて良かったです。目視では負けていると思っていたので。チェーンを張っていったのも良かったです。付いていただけで、大西君のおかげですよ。もっと力が入るのに、今は自転車と体がバラバラで乗っているんですよね。そういうときは、そういうときなりに。でも明日は決勝だし、狙うしかないです」

 タイヤ差で敗れた大西祐(4着)は「吸い込まれる感じになっていってしまって。もっとツケマイでいけば良かったです。もったいなかったです。またタイヤ差か…」

 伊藤マークで5着の中澤央治は「ちょっと見誤りましたね。仕事をして戻ろうとしたら矢口(啓一郎)も止まらず、4番(田中晴基)も来ていたので、タテに踏むしかないと思ったんですけど…。牽制しないとかぶってしまいますし。この展開で決勝に乗れないとは…」


<11R>
松岡健介選手
松岡健介選手
有坂直樹選手
有坂直樹選手

 最終レースは松岡健介(写真)が逃げる村上直久を捲りで仕留めて、こちらも3連勝。
「踏んで来たら、すんなり出させようとは思っていたんですけどね。連日、脚を使わずに一発だったので後ろになっても抑えて駆ければよいし、踏んで中団を取って牽制して踏んでいってもいいし、どんな展開になっても対応できるようにと。昨日までは重かったけど、今日は軽かったし、アップのときから調子も良かったですね。でも緊張しました。記念の準決勝は取りこぼしてばかりでしたからね。大事にいって失敗して、早めにいっても失敗して。だからあまり考えなかったのが良かったのかも」

 混戦となる中、巧みに立ち回った松田優一が2着。
「思ったような展開とは違いましたね。有坂さんと2車でも先行しようと思っていたんですよ。(村上も)叩いて自分待ちで、7番手にさせる作戦だと思っていました。でもごちゃついたし、もうあの位置しかなかったです。うまく修正できて良かったですね。後方でやばいと思いましたけど、なんとか反応できました。体が勝手に動いているし、大丈夫です。記念の決勝は、ずいぶん前にありますけど、この制度では初めてです」

 松田マークから有坂直樹(写真)が3着。
「もう脚が一杯!危なかった…。2車でも先行の作戦だったんですけどね。昨日一昨日と突っ張っていなかったのに、(松岡が)今日は突っ張ったね。でも動きも良かったですよ」

 和泉田喜一(6着)は「1車なら出させても良かったのかな。気合い入っていたから、自分も自分の仕事だけしようと思っていました。でも4番に当てられなかったし、気合いが足りなかったかな」

↑ページTOPへ