『東日本大震災被災地支援競輪 花月園メモリアルin小田原(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月26日
 本日(26日)、神奈川県・小田原競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・花月園メモリアルin小田原(GIII)の最終日が開催されました。決勝は伊藤信選手が主導権を握り、番手有利にレースを進めた松岡健介選手が捲りを打って見事4連勝でGIII初優勝を飾りました。今開催のシリーズリーダーと目されていた松岡選手、しっかりと主役の座を全うした優勝で、今後はさらに上の舞台での活躍が期待されるところでしょう。
決勝戦 レース経過
 誘導以下、矢口啓一郎-阿部康雄、伊藤信-松岡健介-小岩大介、松田優一-十文字貴信、岸澤賢太-有坂直樹で周回を重ねる。まず岸澤が上昇すると、矢口はすんなり引く。次に松田も上昇して前団を抑えると、赤板から伊藤が踏みあげて、そのまま先行態勢に入っていく。4番手に松田、6番手に岸澤、8番手に矢口という態勢で打鐘、最終ホームを通過。ホーム過ぎから矢口がスパートを開始、スピード良く前団に迫るも、伊藤の番手から松岡も番手捲りを打っており、矢口は粘るも後退。最終2センターでは松田が小岩の内を突き前を追い、外からは岸澤も上がってくるが、抜け出した松岡には届かず。松岡が後続を振り切って初のグレードレース制覇を4連勝で飾った。2着に十文字、3着に松田と茨城勢が続いた。


松岡健介選手と加藤 茶さん
松岡健介選手と加藤 茶さん
 松岡健介が番手から捲りを放って念願のGIII初優勝を4連勝で飾る。囲んだ報道陣を「今年はもうお腹一杯です(笑)」と笑わせる一幕も。
「今日は前の伊藤(信)君にすべて任せていました。位置は中団か後ろで作戦もなく。(矢口の捲りは)正直、見えなかったんですよ。松田(優一)だけ見ていたんですけど、誰が来たのかなと思って。出てから目一杯踏んで、そこから後ろを見たら、矢口がすぐそこにいたので、ヤバイと思ってちょっと牽制しながら踏んでいきました。来る前からも形になったという感じはありました。特選と優秀は楽な展開でしたけど、準決勝は今までで一番緊張していたんですよ。(中村)美千隆さんにも『見たことない顔してる!』と言われましたから。それに比べて、今日は気楽に走れたと思います。次も目の前のFIをしっかりと戦っていきたいと思います」

 松田優一マークの十文字貴信があいたコースを突いて2着に入線。
「今日は松田に任せて、前々で後ろにならないような作戦。番手か中団を取るように、と。その通りになったんですけど、スピードがかかっていたので、松田が捲れなかったのは仕方がないですね。結果的に2、3着で、優勝できれば一番良いんですけど、2人で頑張れたとは思います。落車あけでしたけど、日に日に良くなってきた感じだったし、2着ですけどホッとはしました。次の開催でも頑張ります」

 中団に入った松田優一が内を突いて3着入線を果たす。
「ちゃんと前々にいこうと思って、最低でも位置は近畿勢の4番手は確保しようと。駆けるのは分かっていたし、何とか後方にならずに位置取っていけたらなと思っていました。でも、きつくて、いきたかったのにいけなかったです。たまたま内があいたし、詰まっても前々に踏めば十文字(貴信)さんもいけると思って。自力でいけず内容は全然でしたけど3着は良かったと思うし、これからどんどん力を付けて先行していきたいと思います」

 近畿勢を追った小岩大介だったが、松田に内を突かれ4着に終わる。
「仕方ないですね…内をあけてますし。(松岡)健介さんはあけて走っているから、後ろで締めながらあのスピードでは回れないですからね。今開催でどこが悪いか分かりましたし、また頑張ります」

 岸澤賢太は外を伸びるも5着まで。
「伊藤(信)さんがいくと思っていたから、前々に踏もうと思っていました。初手はどこでも良かったし、後ろだったので抑えてからと。伊藤さんも緩んだしホームで詰まったので、行くならあそこでしたね。初の記念決勝でしたけど、これをキッカケにして、また乗りたいですね」

 8番手から抜群のスピードで迫った矢口啓一郎だったが6着。
「気付かれてしまいましたね…。特に位置は決めず、自分を含めて、近畿ラインを崩せればと思っていたんですけど、甘いですね。段々、良い雰囲気に戻ってきているから、良くてもダメでも自分で打破したいから自力を選びました。ダービーにいくつもりでしたからね。決勝はダメでしたけど、今開催は久々に自分のスピードを活かせた感じだったので、ちょっとは見せられたかなと思います。あそこを行き切れれば、『強い』ってなるんですけどね。次、頑張ります」

 岸澤賢太マークの有坂直樹は7着。
「ホームが緩んでいたんだけどね。いってても、前がかかっていたから、いけなかったのかな。でも、あそこでいかないとどっちにしろダメでしたね。ホームしかなかったと思います。今開催はまあまあだったと思います」

 8着は阿部康雄。矢口啓一郎との連係が崩れたことが響いた。
「離れてしまって…こういうところが甘いんだよなぁ。ちょっと流して楽になったなと思ったときに、矢口がケツをあげてギュギュギュンといったので、ちょっと想定していなかったし、スピードも良かったので離れました。展開も早かったし9番手だから嫌だなというのもあって、あの辺が歳なのかな…(苦笑)。脚自体はまあまあ良いんですけど、今日はダメでした。気持ちを入れていたのにね。もうちょっとジャンくらいまで休めれば、問題はなかったんですけど、自分と呼吸が合わなかったです」

 GIII初優出の伊藤信は主導権を握り9着も、松岡の優勝に大きく貢献。
「ええ緊張感でしたね。出たところで、出来たら後ろが良かったんですけど、一番後ろよりもその一つ前くらいが良いんじゃないかなと。作戦どうのというのは気にせず、タイミングだけだと思っていました。誰も来させられないですよ。松岡さんは僕よりも格上の先行選手だし、飛びつかれないようにだけとは思っていました。とにかく形は作らないといけないと思っていたし、結果は9着で残念でしたけど、ちょっとは信用を得られたんじゃないですかね。今まで僕は上位で走ることもなかったので、特別を走るような選手から信頼されるというのは違うし、前を任せてもらったのは嬉しかったです。SSがいるような記念でも、今開催のようなレースが出来れば良いですね」


ゴール
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