『小田原競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月6日
 小田原競輪場で行われている開設63周年記念「北条早雲杯争奪戦(G3)」の3日目は、雨が降ったり、やんだりとバンクコンディションが目まぐるしく変わった。好メンバーの激突となった準決の3個レースでは、33バンクを舞台にハイスピードバトルが繰り広げられファイナルへ進む9選手が決まった。63周年記念も大詰め、最終日の7日に決勝を迎える。
 本場ではオリジナルカラータオルを先着1200人にプレゼントなど様々なファンサービスと、イベントでお客様をお待ちしています。7日の最終日には「加トちゃんトークショー&ジャンケン大会」や「早朝予想会」などが行われる予定です。ぜひ、小田原競輪場に足をお運びください。
<9R>
桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 赤板で飯野祐太が伏見俊昭を連れて先頭に立つ。福島ラインに続いた桐山敬太郎(写真)は、三宅達也と3番手を併走するも一瞬の隙を突いて伏見から番手を奪取。飯野のハコからまくりを放ち、地元で気迫溢れるレースぶりを見せた。
 「(三宅と)あそこを取り合いになるかと思った。それで(飯野を)叩こうかと思ったら、内が空いたんでああいう形になりました。絶好調とまでは言えないけど、その中でやれることはやれている。最低でも決勝と思ってたんで。(決勝は)欲を出すと勝てないんで、あんまり欲を出さないでやります」
 伏見との併走に続き最終ホームでの新田康仁の追い上げも凌いだ三宅達也が、桐山のまくりに乗って追い込み1着。
 「もうあそこは引けないと思ってたら、桐山君が伏見さんのところまで行った。その後も新田さんが来たけど、もうやるしかないんで。たまたま前にいただけ(笑)。あとは桐山君に付いていけば、3着まではあると思って。駆け出しのところで車間が空いてしまって、今日もそこを桐山君に入られた。調子は悪くないけど、そこだけは注意しないと」
 今シリーズ2度目。初日に次ぎ桐山に番手を明け渡した伏見俊昭(写真)は、優出にも表情は険しい。
 「(飯野)祐太に申し訳ない。自分だけ勝ち上がって…」と、言葉少なに振り返る。

<10R>
高原仁志選手
高原仁志選手
井上昌己選手
井上昌己選手
 永井清史が赤板から主導権。4番手に入った井上昌己を高原仁志(写真)は追走するが、長塚智広に執拗に絡まれ大きく後退。最終的には井上も7番手まで下げ再度ドッキングするが、踏み出しで遅れた。
 「絶体絶命だった。それでもあきらめずに踏んだのが…」と、大汗をぬぐう高原。最終3コーナーから内を進出し、直線でしぶとく踏んでの3着には納得の顔。
 「(井上)昌己さんは行ってしまうだろうけど、僕はダメだと。無理して付いていって、浮いてしまうくらいなら内を行ってと。昌己さんに迷惑だけはかけないようにって思ってた。(五輪の)メダリストを相手に乗れたんで、自信になりますよね」
 7番手まで下げて立て直した井上昌己(写真)は、準決も次元の違うまくり脚であっさり前団を飲み込んだ。
 「調子は変わらず悪くないと思うんですけど。あそこで(7番手まで)引いていっちゃったら、上では通用しない。引き切ったのが1コーナーですからね」
 永井を利した伊藤健詞は、井上を懸命にけん制。止められずも追い込んで2着。
 「いろいろなケースは想定していたけど、今日は一番いい展開だった。あれ以上の展開はないですよね。恵まれました。そこからもうひと伸びっていうのが永遠の課題だし、それは年のせいにもできないんで」と向上心をみせる。
 直線で失速した永井清史は4着惜敗も、連日の積極策で手応えを感じている様子だ。
 「(中団が)もつれてくれてラッキーでしたけど。もう少しですね。(逃げて)確実に1周半もつ脚をつくっておかないと。そのための感触はある程度つかめました」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
濱口高彰選手
濱口高彰選手
 打鐘の4コーナーから巻き返した浅井康太(写真)が、山崎芳仁を叩いて出る。先行策で別線に反撃の隙を与えずの完封劇。濱口高彰と並んでのゴールは、長い写真判定の末1着同着。
 「出切った感じはいい踏み応えがありました。33バンクで仕掛けるタイミングがイマイチだけど。今日は落ち着いて走れました。体調的には大丈夫ですよ。明日(決勝)もいつも通りゆるんだところを行くだけです」
 濱口高彰(写真)は浅井との同着に目を細める。
 「いっぱいになっても浅井君は出てくれるんで。今日は何か浅井君はいつもと踏み方が違いましたね。それでも粘るんだからたいしたもんです」
 踏み出しで浅井、濱口に離れ気味だった澤田義和だが、なんとか3番手をキープして流れ込む。
 「(浅井は)何回か踏んでやめてだったから。出脚がいいのもわかっていた。それでも2コーナーからは思ったより(浅井が)伸びていった。なんとか前に追いついて、後は抜かれないようにって。久しぶりの(記念の)決勝だし、恵まれました」
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