『花月園メモリアルin小田原(GIII)レポート』 3日目編

配信日:6月8日
 小田原競輪場を舞台に開催されている「花月園メモリアルin小田原(G3)」も、いよいよ佳境。8日の3日目にはファイナルをかけた準決の3個レースが行われ、33バンクで激しい火花が散らされた。小川勇介が佐藤朋也と1着を分け合い、初日から3連勝を飾って決勝進出。完全Vをかけて明日のファイナルに挑む。また、地元勢からは松谷秀幸、松坂英司が勝ち上がり、他地区の強豪を迎え撃つ。
 本場では最終日も、先着プレゼント(1500名にスマートショルダーバッグ)、未確定車券ガラポン抽選会など、様々なファンサービスでお客様をお待ちしています。また、「堺すすむ」ギター漫談&ものまねショーのイベントも予定されています。ぜひ、小田原競輪場へ足をお運びください。
<9R>
小川勇介選手
小川勇介選手
佐藤朋也選手
佐藤朋也選手
 赤板手前から先頭に立った山崎将幸が、小川勇介(写真)を突っ張りそのままペースアップ。一度は外に浮いた小川だったが冷静に3番手をキープすると、最終ホームから発進。ロングまくりで、切り替え追い込む佐藤朋也と1着を分け合った。
 「3番手に入れたことがまずはよかった。連日、芦澤(辰弘)君のレースは見ているんで、芦澤君にかぶる前に行きたかった。かぶってしまったら、自分はもうないと思ったんで。体も動いてくれている」と、無傷の3連勝での準決突破にも、小川は淡々と振り返る。
 児玉広志は小川の踏み出しには離れたものの、すかさず佐藤の後ろに切り替え3着に流れ込んだ。
 「小川君のダッシュは尋常なスピードじゃないですね。何回走っても、あれに付いていくのは難しいと思いますよ。初日も田中(誠)君が離れたのがよくわかります」
 山崎の番手から佐藤朋也(写真)が、小川にスイッチ。車間を空けて小川を射程圏にとらえると直線で猛追。両者の身体が重なったところがゴールだった。
 「山崎君が頑張ってくれました。小川君がまさか後ろからすぐに来るとは思わなかった。(最終)バックくらいまで待ってくれるかなって。ただ、あのスピードで小川君が来たら、(後ろが離れて)ひとりかなっていうのがあった。そこからは車間を詰めながら行ったけど、小川君に合わされましたね。それでも感じは悪くない。(G3の)決勝はだいぶ前(08年の武雄)で、それ以来。これが2回目です」
 前受けから7番手に下げた矢口大樹は、打鐘過ぎに巻き返すも不発。白戸淳太郎は共倒れの6着に終わった。
 「33バンクで前受けじゃ(矢口も)きつかったと思う。ただ、矢口君が前からがよかったみたいなんで。(矢口が不発で)自分は児玉さんのところまで行きたかったけど…」

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守谷陽介選手
守谷陽介選手
吉岡篤志選手
吉岡篤志選手
 山本健也を連れた鈴木裕が、積極的に仕掛けて赤板過ぎから主導権。6番手の守谷陽介(写真)は打鐘の2センターで落車した坂口晃輔を避けるロスがありながら、懸命に前団を追いかけてまくりで1着まで届いた。
 「自分も攻めていこうと思ってたんですけど。前が行ってしまったんで、もう落ち着いてと思いました。踏み出しもよかったし、余裕はありました。(吉岡篤志が)繰り上がりにせよ、ワンツーですから。よかったです。1着で決勝に乗れたし、明日の決勝も狙っていきたい。ここに照準を合わせてきたんで、ここは欲をかいて1着を取りたい」
 外帯線内進入で2着入線の藤田竜矢が失格。守谷マークの吉岡篤志(写真)が 、2着で決勝進出を果たした。
 「落車を避けて(守谷と)空いてしまった。追いつかないかと思ったけど、守谷君もすぐに仕掛けていかなかったから助かった。あれで早く行かれたら、付いていけなかった。自分はもう出し切ったし余裕もない。いいのは流れだけですね」
 守谷ラインを追走した布居寛幸が、4着入線も繰り上がりで3着。
 「坂口君の落車が見えすぎちゃって、それでちょっとそのあとをちゅうちょしました。踏むのが遅かったです。4番(金澤竜二)が来ているのもわかって、それもあってタイミングが取れなかった。余裕もあるし、(決勝に乗れたから)結果オーライですね」
 単騎で一発を狙った金澤竜二だったが、最後方に置かれて見せ場を作れず。がっくりと肩を落とす。
 「落車があったけど、自分はその前にカマしたかった。単騎だといつも成績が悪いんですよ」

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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
松坂英司選手
松坂英司選手
 永澤剛がハイペースで飛ばして先行策。打鐘で7番手に置かれた松谷秀幸(写真)だったが、最終ホーム手前から強引に踏んで別線をネジ伏せた。
 「永澤君があんなに駆けるとは思っていなかった。自分としては別線が切って、切って(自分が先行だと思った)。決勝に乗るのが最低限だし。(松坂英司と)地元は2人ですね。これでG3の決勝は2回目だし、明日も前々に攻めていきたい」
 3番手を固めた内藤秀久が連結を外したが、番手の意地で松坂英司(写真)が松谷を追走。地元ラインでワンツーを決めて、感慨深い表情で静かに口を開く。
 「ヤバいかなって思いました。(松谷は)1回、行きかけてやめましたから。でも、それからまたすぐに行ったんで、これならと。自分は苦しかったけど、あれで田中(誠)君も仕掛けづらかったと思う。初日よりもよくなっている感じがするけど、決勝に乗れたのはみんなのおかげです。松谷君は本当に強くなっている」
 4番手を奪取しながらも松谷にかぶってしまった田中誠は、松谷、松坂の神奈川2車を生かして切り替え。伊藤大志との踏み合いを制して、辛くも3着で優出。
 「もうダメです。いっぱい、いっぱいですよ。(松谷が)来たのはわかっていたけど、余裕がないですね。余裕があればホームから動いて出ていってるんですけど。まぁ、それでも決勝に乗れたっていうのはうれしい」
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