『小田原競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:8月17日
 小田原競輪開設65周年記念「北条早雲杯争奪戦」は8月17日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は南関作戦が奏功。根田空史の先行に乗った桐山敬太郎が最終2コーナーから番手まくり。後続の追撃を振り切り、地元で悲願の記念初制覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 号砲で南修二が飛び出すと、続いた浅井康太を迎え入れ中近勢が前受け。浅井―村上博幸―南―新田祐大―柏野智典―根田空史―桐山敬太郎―林雄一―笠松信幸の並びで周回を重ねる。
 青板ホームから早々と根田がアクションを起こすが、中団から合わせて新田も上昇する。しかしバックから根田が先行態勢に入ると、新田は下げて中団、浅井は7番手で戦況をうかがう。残り2周、赤板ホームから根田は一気にペースアップ。車間を切っていた浅井は反応が遅れ、さらに車間が広がって残り1周半の鐘がはいる。最終ホーム過ぎから新田がまくって出ると、2コーナーから桐山も合わせて番手まくり。新田をけん制した林は桐山の仕掛けに口が空き、新田とからみながらバックを通過する。4コーナーまで林にからまれた新田は伸び切れず、番手まくりの桐山が嬉しい記念初優勝。林のけん制を耐えた新田が2着、続いた柏野が3着で上位入線を果たした。


桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 記念初優勝をやっとの思いでつかんだ地元の桐山敬太郎(写真)。今開催の優勝までの道のりは決して自分の力だけではなし得なかった。
「本当にみんなに(毎日)おんぶにだっこでした。地元だからいいんだよと周りは言ってくれるけど…。そういう気持ちでいてくれる先輩、後輩に感謝です。南関勢で優勝できてうれしい」
 5月平塚記念の決勝は番手絶好の展開でチャンスをものにできなかった。その悔しさを胸に秘めて臨んだ決勝戦。南関勢の強い絆で悲願を達成した。
「平塚のときは絶好調であれだけのお膳立てをしてもらったのに勝てなくて本当に悔しかった。だから今回は何としても獲りたいと思っていた。同じような展開で獲れてホッとしています。本当に前と後ろのおかげです」
 松戸サマーナイトフェスティバルから中3日のスケジュール。開催中は「疲労感がある」と何度も口にしていたが、目標としていた記念優勝のために「気持ちで走りました」と厳しい状態の中で最高の結果を出した。
「今年は記念優勝とG1の決勝を乗ることが目標でした。順番的に記念優勝が先で良かったのかな。これでワンステップできたと思います。これから一歩ずつステップアップして、G1の決勝、優勝と上がっていきたいですね」
 更なる高みを目指す桐山。新たな目標に向かって戦い続ける。

 中団を確保した新田祐大は抜群のスピードで前団に迫ったが、南関勢の固い結束の前に敗れた。
「自分らしいレースはできたと思います。これで優勝できれば良かったんですけどね。林(雄一)さんが止めに来るのは分かっていたし、飛ばされずに前に踏んでいけたけど、桐山さんまでは遠かった」

 新田と即席タッグを組んだ柏野智典が3着に続いた。
「新田君がいい競走をしてくれました。踏み出しは確かに凄かったけど、しっかり付いていけました。新田君が林君に持っていかれた時に、内に入っていければ優勝できましたね。新田君ならあれでも行ってしまうと思って見てしまった。脚には余裕があったけど、気持ちに余裕がなかった。もったいないです」

 南関勢は3人それぞれがラインの役割をきっちり果たした。根田空史は青板周回のバックから果敢に飛び出して主導権を奪った。
「すごい緊張しました。地元に付いてもらったし、先行しか考えていなかった。赤板からはもう全開でしたね。きつかったけど、桐山さんが優勝で良かったです」

 林雄一は桐山に続けなかったが、新田のまくりを止めにいった。
「前の2人が頑張ってくれました。桐山か自分のどちらかが獲れればと思ってました。新田の影が見えたので、振りながら車間を切ろうと。新田にいかれてしまったけど、自分なりにやることはできたと思います」

 後方7番手に置かれた浅井康太は4着までに入るのが精いっぱいだった。
「前と車間が空き過ぎてしまった。ホームで詰めていこうと思ったけど、脚が残っていなかった。力不足です」

ゴール
↑ページTOPへ