『伊東競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:12月15日
 伊東競輪場で開設71周年記念「椿賞争奪戦(GIII)」が、12月16日から始まる。シリーズ最終日にレインボーカップA級ファイナルもあり、見どころも多い。地元の深谷知広をはじめ、新田祐大、和田健太郎、北津留翼に寺崎浩平、菊池岳仁、上田尭弥らの若手が加わり、33バンクで熱戦が展開される。12月15日の前検日は、冬晴れの下バンクの感触を確かめる選手も多く、それぞれが翌日からの激戦に備えて入念な調整を行った。
 なお、伊東競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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菊池岳仁選手
菊池岳仁選手
 前回の競輪祭では一次予選1走目に落車に見舞われた菊池岳仁(写真)は、その後も走りぬき8666着。そこからは3週間空いた。
 「競輪祭は落車をしてしまって、そのあと(2走目以降)は位置取りとか仕掛けるところとかがあんまり良くなかった。それでも3走目は先行ができた。全日本トラック(自転車競技大会)もあったんですけど、練習のタイムとかもその(落車の)前と同じくらい出た。ケアも多めにやったんで、そんなに影響なかったと思います」
 内藤宣彦は前回の武雄GIIIを2434着。未勝利ながらもソツのない立ち回りから決勝にコマを進めた。
 「(そのあと)ピストシックスに参加したですけど、疲れましたし、緊張もしました。そこからは千葉に冬期移動をしているので、宮倉(勇)さんのグループでやってきました」


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 同県の青野将大とタッグを組む東龍之介は、11月の防府記念の落車からFIを2場所消化して、中12日のローテーション。
 「前回(平)は感触が良くなかった。イマイチでした。(そのあとは)日にちも空いてたので、練習もちゃんとやってここに照準を合わせる形だった。(青野とは10月の)京王閣の準決でうまく決まらなかったけど、先行をしてくれた」
 前回の武雄GIIIでも2勝をマークした田中誠は、15年に出場した伊東記念を振り返る。
 「郡司(浩平)とワッキー(脇本雄太)の2分戦の準決でワッキーの後ろに競りかけたらイナショウ(稲川翔)に落とされて準決敗退でした。(今回)自分の感触はバッチリです」


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 前回の静岡FIを716着の小林泰正は、大敗を喫した初日、準決の敗因をこう打ち明ける。
 「初日、最終日は2分戦で自分のレースができなかった。けど、脚的には良かったです。そのあと関東の地区プロがあったり、ピストシックスがあった。食あたりか体調を崩したりもしたけど、調子は戻りました」
 柿澤大貴は前回の西武園FIで141着。2勝をマークして、手応えもまずまずのようだ。
 「感触はボチボチ戻ってきたかなと。練習は普通にやってきたんで、体調面の不安はないですね。いつも練習しているところ(ホームバンク)が33バンクなんで、(伊東も)走りやすい」


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山田諒選手
山田諒選手
 前回の名古屋FIで6月の川崎FI以来、今年2度目の優勝を飾った山田諒(写真)はそこから約2週間近く空いた。
 「名古屋の前が中4日だったんで、(今回は)ある程度休んで調整をしました。(伊東は)とにかく幅が狭くて駆けづらい。33バンクのわりに直線が長いので、その辺が(指定練習で)つかめたらなと思います」
 近藤保は前回の広島記念1492着。そこから中2日の強行スケジュール。
 「(11月の和歌山FIの)落車の影響がずっとある。脚力自体は問題ないけど、手首のねん挫が治り切ってない。でも、日に日に良くなっているので、前回よりも悪いってことはないと思います」


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岩谷拓磨選手
岩谷拓磨選手
 岩谷拓磨(写真)は、9月の青森記念2819着以来となるグレードレース。その後はFIシリーズで初日予選を6戦5勝2着1回と力の違いを見せている。
 「(前回は)決勝が(優勝を)狙いすぎて、(結果的に)内容も良くないレースだった。9車立ては久しぶりですね。早めに攻めていければっていうのもあって、9車立ては嫌いじゃないです」
 久米良は近況も白星を順調に重ねて、高いレベルで調子をキープしているようだ。
 「(前回の小松島FIの112着の決勝は)いつもと変わらずの感触だったけど、(優勝した)島川(将貴)君が強かった。そのあとは期間もあったし、練習量を増やせるようにやってきました」


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 松坂洋平は前回の地元、小田原FIシリーズを737着から中3日で状態はどうか。
 「(小田原の)感触はとくに悪くなかった。小田原に向けて練習をやってたんで、(中3日で)ガツガツっていうのはない。(一次予選は)細切れでもあるし、後ろに地元の新田(康仁)さんが付いてくれるので、その辺を意識して走りたい」
 前々回の広島FIを112着、前回の取手FIを123着と乗れている中西大は、順調をアピールする。
 「最近はセッティングがまとまってきているので、そこに不安はない。最近はワットバイクで練習をしていて、(状態は)変わらないと思います」


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大石剣士選手
大石剣士選手
 ホームバンクの記念シリーズに気持ちが入る大石剣士(写真)は、平塚FIの732着から1カ月以上空いた。静岡バンクで深谷知広とのトレーニングも積んでいたようで、その効果にも期待したい。
 「ちょっとだけ腰痛が出てしまって、(豊橋FIは)大事を取って休んだ感じです。もう腰痛の影響はないと思います。練習もしっかりとやれた。静岡の方で深谷さんのグループで練習をやらせてもらいました」
 田中晴基はGIの競輪祭も含めて、ここ3場所で勝ち星がない。前回の西武園FIでは244着と、いまひとつだった。
 「西武園の感触は良くなかった。西武園の前はいつも行っている整体に行けなくて、(原因は)そこかなと。今回はいつも以上に(整体に)行ってきました。それと練習もやってきました」


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上田尭弥選手
上田尭弥選手
 上田尭弥(写真)は直近の5場所でFIを3度の優勝。持ち前のスピードにさらに磨きがかかっている。
 「(前回の和歌山FIは)自転車もしっかりと出た。先行で優勝をできたのが良かった。33バンクはあんまり走ってないので、今日(前検日)の指定練習でしっかりと乗りたい。でも、(33バンクとの相性は)そんなに悪くないと思います」
 前回の競輪祭を36652着の桑原大志は、そのあとの別府FIを欠場した理由をこう説明する。
 「(別府は)微熱が出たんで迷惑を掛けるといけないと思って欠場しました。(結果的には)なんてことなかったです。やれることをしっかりとやってきたつもりです」


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 前回の豊橋FIでは541着と決勝進出を逃した長島大介だったが、感覚はそれほど悪くなかったようで、表情はいつもと変わらず笑みを浮かべる。
 「(前回は)着以上に感触がすごく良かった。それからも変わらずにいつも通り(練習を)やってきました」
 前回、地元の取手FIを242着の武田豊樹は、中9日で追加配分の今シリーズを迎える。
 「(追加配分は)5、6日前だった。今年は記念をあんまり走ってないので、(追加が来たので)せっかくなので走ろうかと。9車立ては久しぶりだし、やっぱり9車立てはいいですね」


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寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 ナショナルチームに所属している寺崎浩平(写真)は、全日本自転車競技選手権大会トラックを経ての今シリーズとなる。
 「疲労がすごくたまっているので、(前検日は)しっかりと休みたい。休めば疲労も抜けてくると思います。急に気温が低くなってきたので、そこが気になります。ただ、(一次予選は)しっかりと主導権を取るだけです」
 上昇カーブを描く椎木尾拓哉は、初日は寺崎とのタッグに集中する。
 「自分は一時に比べたら良くなっていると思います。体調面の不安もありません。あとはしっかりと(寺崎に)付いていけるように」


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 一次予選のトリを務めるのは、地元の渡邉雄太。3週間空いたゆとりのローテーションで、深谷知広らと汗を流して仕上げてきた。
 「深谷さんとかと静岡で練習をしてきました。順調だと思います。あとは結果を出すだけだと」
 前回の競輪祭では落車を喫して途中欠場を余儀なくされた岡村潤は、地元記念に気持ちをスイッチする。
 「落車もそこまでひどくなくて、練習自体は計画通りにできた。(前回から)気持ちを切り替えてやってきました。深谷の練習グループのカリキュラムをしっかりとこなせた」


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深谷知広選手
深谷知広選手
 新田祐大は伊豆のベロドロームで行われた全日本自転車競技選手権大会トラックの1キロメートルタイムトライアルで大会新記録となる1分0秒107を記録。そこから実質的には中1日となる。
 「全日本トラックに関しては、松山記念が終わってそんなに日にちがないなかで大会が始まった。調整というより練習の一環として大会に参加した。そのあとは1日休んで、ここに来ました」
 17年の青森以来となる、久々の優勝を11月の当所FIで遂げた深谷知広(写真)は、今年1月に静岡に移籍してから初の地元記念を迎える。
 「全日本トラック(自転車競技大会)に向けて練習をしてました。順調にできたと思います。あとは疲れだけだと思うので、しっかりとケアをして準備をしたい。競輪用の自転車の感触も(これから)確かめたい。(伊東は)前回も優勝をしているけど、もちろん今回の方が気合が入っている。あとはカラ回りをしないように」
 14128着と決勝では一息だった前回のホームの競輪祭を北津留翼が振り返る。
 「(決勝は)ちょっと情けなかった。気合を入れてたんですけど…。。そのあとはすごく時間があったので、トレーニングのみでした。いつも通りのトレーニングができました。33バンクは苦手なので、遅れないように気をつけます」