『伊東競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月17日

 伊東競輪場で開催されている開設71周年記念「椿賞争奪戦(GIII)」は、12月17日に2日目が行われた。勝ち上がりが争われた二次予選からは、岡村潤が勝ち星を挙げ、深谷知広、渡邉雄太、大石剣士と地元勢は4人が準決に進んだ。12月18日の3日目には、決勝をかけた準決で熾烈なバトルが展開される。
 なお、伊東競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 押さえて出た大石剣士が北日本コンビを受けて、原田研太朗(写真)は一本棒の7番手。櫻井祐太郎の先行で打鐘を通過する。3番手の大石は原田からの重圧もあって、最終ホーム手前から反撃に出る。前団の隊列が短くなって、原田にとっては好都合。最終2コーナー手前から大外をまくって、あっさりと抜け出した。
 「(別線が)押さえに来るのが遅くてビックリした。そのあともなかなか駆けなかったですから。大石(剣士)君が仕掛けてくれたんで、僕もいい感じになりました。連日、踏み込んだというより、吸い込まれていた。昨日(初日)も思ったよりタイムが出ていた。冬のわりには脚が回っているのかなと。気持ちの面でクサっていた自分もあった。徳島は若手がすごく育っていい練習環境なんで、自分の気を引き締めてやったら昔の感じが戻ってきた。連日、展開がはまっているだけで、脚はそんなに良くないかな」
 原田が初日特選と二次予選を連勝。2着に流れ込んだ同県の久米良が、後輩の復調に目を細める。
 「ちぎれるかと思った、(最終)2コーナーのところですね。加速というかダッシュというか、(原田が)本領を発揮しはじめた。(付いていけたことは)収穫がありました」


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北津留翼選手
北津留翼選手
 関東勢が主導権。しかしながら、8番手の内山雅貴が、赤板の2コーナーから仕掛ける。先行態勢の菊池岳仁もペースを上げて、最終ホーム手前で武田豊樹が内山をブロック。菊池、内山の叩き合いを1センター過ぎから踏み出した北津留翼(写真)が、次元の違う加速力でまくって人気に応えた。
 「バックの風をまともくらうと、終わるなと思っていました。田中晴基君のところが浮いている感じだったので、(最終)1センターから一気にいきました。昨日(初日)は出し切れなかったので、それよりは踏めたけどコンディションは変わらないですね」
 北津留の踏み出しに遅れた桑原大志は、車間が空きながらも北津留を追いかけて5車身差の2着。
 「(北津留が)すごいですね。それ以外はなにもない。(北津留の動きを)見て、(自分の体に)指令を送って、よいしょって動いてなんですけど。(北津留は)どんどん行って本当に違うんだなと。昨日よりは今日が良かったが、(北津留の)力とかトルクが違いすぎた」


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長島大介選手
長島大介選手
 青板4コーナーで佐伯辰哉が渡邉雄太を突っ張り、両者で踏み合いになる。タイミングをうかがていた長島大介(写真)は、赤板1センター過ぎからカマす。長島ラインの3車で出切って最終ホームを通過するが、3番手の渡辺正光が徐々に遅れる。まくりで迫る渡邉雄を退けた長島が逃げ切りの1着。
 「今日(2日目)は先行が9割方と思ってました。僕にとっては一番いい展開になりました。出る時にタイミングが取りやすかったので、自分のペースでいけました。状態はすごくいい。気持ちが前々にいってるんで、いいと思います」
 佐伯に突っ張られて脚を使わされた渡邉雄太は、最終ホームでは7番手。。そこから意地のまくりで2着に届いた。
 「あの並びだったら佐伯君が切って、(自分が)先行かなと思ってました。(佐伯の突っ張りが)想定外で無理だと思った時に、新田(康仁)さんが内をキメていてくれた。考えてた中で一番最悪の展開でした。あとはどこか行けるところで行くしかないと。結構、いっぱいだったけど、無理やり行ったら意外とスピードに乗った」


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寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 竹内翼が押さえて先頭に立つと、寺崎浩平(写真)はすんなり7番手まで下げて態勢を整える。4番手の菅原大也も車間を空けて前が遠い寺崎だが、赤板2コーナーから踏み込んで竹内から主導権を奪う。近畿ラインが出切り、3番手の椎木尾拓哉が離れながら前の2人を追いかけて、別線に出番はない。番手から追い込む村田雅一を寺崎が楽に振り切った。
 「遅くても(打鐘前の)あの位置から仕掛けたいと決めていた。行けて良かった。昨日(初日)よりも全然いい。踏んだ感じが良くて、疲労が抜けてきた。1日1本なので、競技よりも疲労は抜けると思うので明日(準決)は楽しみです」
 寺崎のカマシに対応した村田雅一が、きっちりと2着に流れ込んだ。
 「(寺崎の)出足だけ集中でした。しっかり付いていけたし、余裕もあったので状態はいいと思う。昨日も軽かったし、今日もアップ中から軽かった」


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岡村潤選手
岡村潤選手
 後方から上昇する岩谷拓磨を制して、深谷知広が青板の3コーナーで飛び出す。南関ライン3車が出切り、真船圭一郎が4番手。浮いた岩谷は島田竜二の切り替えもあって9番手で万事休す。深谷がそのまま後続を一本棒にして駆ける。最終2コーナーから仕掛けた真船を岡村潤(写真)がブロック。直線に入るとさすがに深谷のスピードも鈍り、岡村が追い込んで1着。
 「(深谷が)この向かい風のなかで、あんなに行ってくれたのはありがたいです。あそこまで深谷が行ってくれてるんで、どうにか残そうっていうのはありました。そんなに鋭いまくりは来ないだろうっていうのもあったんで、落ち着いて(周りを)見られました。深谷は向かい風を2回踏んでくれてるんで、スピードが落ちているところもあった。今日(2日目)も深谷と(近藤)保のおかげ。(状態は)なんとかしのげているのかと。練習よりは少し上がってきている感じがある」
 真船のまくりは不発も、乗った櫻井正孝が差し脚を伸ばして2着に入った。
 「深谷が地元でヤル気だった。そのなかで真船は4番手を取れた。けど、深谷が掛かってましたね。(真船の仕掛けは)踏み出しが良くて、自分はちょっと離れた。付いていかないといけないけど、結果、真船の頑張りで2着に入れた。(人の)後ろで走るには、課題が多いです」


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小川丈太選手
小川丈太選手
 青野将大が先頭に立って主導権を握るが、藤井侑吾も間髪を入れずに襲い掛かる。赤板から叩き合いになり、藤井、坂口晃輔が出切るが西岡正一は付け切れない。最終ホームで和田健太郎が3番手に切り替える。両ラインが消耗したところを1センターから小川丈太(写真)がまくる。3番手から和田も合わせて出るが、小川が前団を仕留めて予選を連勝。
 「久保田(泰弘)君が頑張ってくれて、欲しかった前が取れたんで良かった。(別線の主導権争いの)決着がついたらすぐに行かなきゃいけないってわかってたけど、追いつくのに時間が掛かってしまった。それで決着がついてからは間があいてしまった。自分は疲れも残ってなくて、(初日の状態と)そんなに変わりがない。(連勝は)自信になります」
 藤井の積極策を利した坂口晃輔は、後続との間合いを取りながら最終3コーナーから踏んだ。
 「(藤井が青野を)フタできなかった時点でモガき合いは避けられないと思った。キツいレースになりました。あれで青野君を入れてくれたら違ったけど、和田さんが自分の後ろだったんでキツいなっていうのがありました。大振りしたら自分がしゃくられて、着がなくなるとかもあって落ち着けなかったですね。(初日に)1走してあたりがついてきた。まあまあレース脚になってきた。感覚的にすごく研ぎ澄まされてきたので、走るのがすごく楽しみです」


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上田尭弥選手
上田尭弥選手
 佐々木眞也が青板の3コーナー過ぎで先頭に立ち、中団は新田祐大と上田尭弥(写真)で併走。赤板を通過して佐々木が上がると、新田は1センターからインを進出して主導権を奪う。新田に木暮安由が続いて、松坂洋平が3番手に佐々木を迎え入れる。新田の先行。一本棒の隊列でじっと脚を温存した上田は、最終2コーナー過ぎに7番手まくりで逃げる新田をとらえた。
 「(新田に)フタをしていこうと思ってたんですけど、(佐々木が)内を空けたんで、それで新田さんが行ってしまった。ああなってしまって2コーナーから風が強かったんで、自分は脚を使っていなかったぶん、そこから行けばと。踏み込んだ時にある程度いいスピードだったんで行けるかなっていうのがあった。でも、そのあと上を行ったから、ゴール前はどうかなと思いました。落ち着いてレースが見えてるんで、調子はいいのかと」
 佐々木の余力を確かめて最終3コーナー過ぎに自ら踏み込んだ松坂洋平が2着に伸びた。
 「(新田、木暮安由に内に行かれて浮いていた)佐々木君も脚が残っている感じだったから1回入れた。佐々木君とは初連係だったんで、もう1回行けるのかを見ながらでした。佐々木君が前々に攻めてくれた結果、2着に入れた。自分は終始、楽だった」