『伊東競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月18日

 伊東競輪場で開催されている開設71周年記念「椿賞争奪戦(GIII)」は、12月18日に3日目を迎えた。ファイナルをかけた準決では、村田雅一、北津留翼、椎木尾拓哉が1着で優出した。また、地元からは深谷知広が3着で決勝にコマを進めた。シリーズ最終日となる12月19日には、33バンクの激戦を勝ち抜いた9人による決勝の号砲が鳴らされる。
 なお、伊東競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

村田雅一選手
村田雅一選手

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 渡邉雄太の動きに素早い反応を見せた寺崎浩平が、赤板2コーナーで先頭に立つ。近畿勢を追った長島大介が3番手に入るが武田豊樹は付け切れず、4番手には渡邉が入る。最終ホームを抜群のスピードで通過した寺崎は掛かり良く逃げる。車間が空いた3番手の長島が、渡邉の仕掛けに合わせて詰めるが届かない。近畿ワンツーは、番手の村田雅一(写真)が寺崎を交わして1着。
 「昨日(2日目の二次予選で寺崎に)付いてて掛かりも良かったし、今日も出切ればいい勝負ができるっていう確信はありました。武田さんだと思うんですけど、(赤板の)ホームでぶつかって失速して自分は(寺崎との連結が)危なかった。必死で追いつかないとって思って、追いつけました。寺崎は昨日よりも距離が長かったし、ピッチも上がった。それで昨日よりタレたんだと。僕もそうだし、寺崎も日に日に良くなっていると思います」
 先行策で別線をシャットアウトした寺崎浩平(写真)は、シリーズの3走すべて積極策で決勝に勝ち上がった。
 「(周回中は)前からって決めていた。あとは行けるところから緩んだらすかさず行こうって。あのタイミングで行けて粘れてるんで良かった。今日は気温が低くて、それが気がかりだった。けど、道中は冷静にいけて、状態も昨日より良かった」
 近畿勢を追いかけた長島大介は、渡邉が遅れて空いた3番手に入ったのが大きなポイント。脚力の消耗はあったが3着に入った。
 「(仕掛けた)寺崎君(のライン)に付いて行ってと思ってた。スイッチだけを考えてました。(3番手が)空いてくれて良かったです。入れてラッキーだったけど、(渡邉と併走になっても)あそこで勝負と思ってました。そこからは渡邉君のところで脚を使い果たしたんで、まくり追い込みでと。状態はいいと思います」

<11R>

北津留翼選手
北津留翼選手

深谷知広選手
深谷知広選手
 深谷知広に合わせるように中団から小川丈太が動くが、北津留翼(写真)が突っ張りそのまま先行態勢に入る。徳島勢が再び中団に収まり、深谷は打鐘から反撃に出る。中団のあおりもあって岡村潤は付け切れない。最終1コーナーで深谷が1人で出切り、飛び付いた北津留は番手からバックで踏み上げる。深谷をねじ伏せた北津留が1着。
 「前から1回は突っ張るような感じで踏んでと思ってました。どこかで深谷選手が来るだろうし、深谷選手はスピードが違うんで。自分には2車付いてくれているのがありがたい。坂口選手も(最終)ホームで振ってくれた。それ展開が良くなりました。(番手に入ったあとは)残り半周になったら、33バンクなんで踏まないとっていうのがありました。それでタレても33バンクなんでなんとかなるかなと。(シリーズで)1着が2回取れて、決勝にいけてるだけでも運が良かった」
 北津留に流れ込んだ坂口晃輔は、シリーズの3走をすべて2着。いいころの俊敏な動きが戻ってきた。
 「(北津留が)駆けてもいいくらいの感じでやってくれたんで、自分は何もしなくて良かった。深谷君が来て後ろが来てないのがわかったんで、自分は最低限の動きでした。あのスピードでやれることも少ないんで。(3日間を通して)自分としてはすごく走れている。自分のなかでは予想外なくらいのデキの良さです」
 ラインの援護を失った深谷知広(写真)は、地元での優出も反省の振り返りで表情も険しい。
 「どこからでも先行って考えてた。(徳島勢の競りを)見すぎて翻ろうされてしまいました。失敗ですね。反省点が多かったです。気持ち良く(ラインの)3人で決めたかった。(3日間で)自分のなかでパッとしてないので、最終日はしっかりと走りたい」

<12R>

椎木尾拓哉選手
椎木尾拓哉選手

松坂洋平選手
松坂洋平選手
 青板3コーナーで原田研太朗が先頭に立つと、一度は引きかけた新田祐大はインを突く。新田の動きとほぼ同時に外から大石剣士が仕掛けて主導権。南関勢に単騎の椎木尾拓哉(写真)が続いて、4番手に原田で赤板を迎える。新田は桑原大志と併走になったが、打鐘で7番手まで下げる。最終ホームから新田が強引に巻き返して、原田も合わせて出る。逃げる大石の番手の松坂洋平は、外にけん制してから前に踏み込む。松坂後位にいた椎木尾が、4コーナー手前で松坂の内から追い込んで1着。
 「(単騎だったので組み立てはスタートを)出てみてからと思ってました。大石君の3番手が取れたし、大石君が行く雰囲気もあったんでそこからと。いい流れになってくれた。大石君がいいピッチだったんで、あとは松坂さんがどうするのかなっていう感じでした。(感触は)1着なんで良かったです。昨日(2日目)は情けないレースだったんで、今日は気合も入りました」
 大石が風を切り番手の松坂洋平(写真)にとっては好展開も、原田、新田がいるだけに楽ではない。逃げる大石の余力、後続との間合いを計り踏み込んだ。
 「僕の着よりも(地元の)大石君が決勝に乗れることを考えてた。でも、最後はかばいきれなかった。あれで(別線が)カマシに来たりしてくれたら、おもしろかったですね。(脚の感触は)変わらずいいです」
 結果的に7番手からの立て直しを余儀なくされた新田祐大が、ラインを気づかいならこう振り返る。
 「道中は中途半端になってしまいました。大石君の先行もすんなりさせてしまって、原田君もすんなり中団で車間を切られてしまった。自分でダメなレースをつくりあげてしまった。(自分が)ああいうレースをしなければ、(ラインの)3人にチャンスがあった。それを自分でつぶしてしまった。(脚の状態は)自分の感覚としては、しっかりと力を出せれば問題はないかなと」

<最終日9R レインボーカップA級ファイナル>

道場晃規選手
道場晃規選手
 南関地区からはただひとりの出場、地元の道場晃規(写真)は単騎戦を宣言。来期はA級1班だけに、ここは是が非でも3着以内に入り初めてのS級をつかみたいところだ。
 「(前回の)小田原は(伊東と同じ)33バンクだったので、このレインボーカップを想定して3日間とも先行した。それでいいイメージができました。(小田原の前の)平と西武園が中途半端なレースになってしまったので、それを立て直そうと思って走りました」
 阿部将大は直近の3場所で9走して8勝2着1回。準パーフェクトの戦績で、3場所連続の優勝を遂げている。このメンバーのなかでも戦績が一枚抜けている。
 「(前回の奈良は)あんまり走りなれていない33バンクで優勝できたんで良かったです。しっかり練習はしてきた。感触はいいんで、体調は問題ない。(レインボーカップは金ヶ江勇気に)前を任せてもらった以上は、しっかりと頑張りたい」
 前回の別府初日に失格を喫した池野健太は、2週間以上空いたローテーションで一発勝負に臨む。
 「(前回は)初日に失格しちゃったんで、その分練習時間がとれた。計画を立てて、ここに向けてやってきました。(伊東は)あんまり良くなかったけど、去年の暮れに走ってキッカケをつかめたバンクです」