『伊東競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:12月15日


 伊東温泉競輪開設57周年記念「椿賞争奪戦」が本日開幕した。今日は晴れ間が広がったものの、一日中強風が吹き荒び自力選手を苦しめた。落車もあり波乱の開幕となったが、無事11レースを消化。明日は初日特選上位者による優秀競走「いで湯賞」をメインに、二次予選が行われます。
 なお、明日(12月16日)も場内では数多くのイベントが用意されております。明日16日はペア宿泊券をはじめ、携帯ストラップセットやキャラクターマグネットなど豪華商品が当たるスピードくじが先着1,500名様に配布されます。また、最終レース3連単車券が先着1,008名様にプレゼントされます。更には、お子様100名様にキャラクターグッズがプレゼントされますので、ご来場はどうぞお早めに。


<1R>
 1レースは徹底先行の須賀和彦がマイペースに持ち込んで逃げ切り勝ちを収めた。
 「押さえに行ったときに掛かっていったんで、このまま踏んで行ってしまえと。ジャンで服部(克久)さんが来そうな感じがしたんで、自分も合わせて踏んだら踏み止めたから助かりました。後ろを見たら大掛(愛崇)さんがいなかったからアレッっと思った。今日はすんなり駆けられたんでラッキーでしたね。押さえに行くときに脚が軽かったんで、調子も悪くないと思います」
 大掛は車間を空けて須賀を援護したが脚が一杯になって後退。服部に乗った荒木真慈が2着に入った。
 「バックで車輪を外に差していたら大前(寛則)さんに内を行かれてしまった。終わったと思ったけど、巧くコースが空いてくれました」
 敗れた服部克久は「1センターまで突っ張って須賀君に脚を使わせるべきだった。今日は前を見過ぎて、須賀君にすんなり駆けさせてしまった」と反省する。


<2R>
工藤政志選手
工藤政志選手
   2レースは田中祥隆が酒井大樹の番手に粘る。展開がもつれたところを工藤政志が一気にまくり、番手の小原則夫が追い込んだ。
 「前の工藤君が強かったし、仕掛けたときに行ってしまうと思った。自分は付いていただけだからね。恵まれました。ここ一週間、ウエイトとローラーの練習で地面を乗っていなかったから心配だったけど、前を抜けたんだから調子は悪くないと思う」
 差されたものの、工藤政志(写真)は「三番手の相原(健樹)さんも3着に入ったし、ラインで決まってよかったですよ」とホッと胸をなで下ろす。
 「6番(田中祥隆)が番手に入ったから早めに行かなければと思った。ホームで一旦、スピードを殺してからもう一回踏み上げていったからキツかったですよ」
 相原健樹は冷や冷やものの3着だった。
 「ホームで緩んだんで車輪を内に差してしまったんですよ。その瞬間に前が仕掛けたもんだから、終わったかと思った。前を見過ぎてしまったね」


<4R>
滝澤正光選手
滝澤正光選手
   4レースは同県の岡本英之に乗り、滝澤正光(写真)が嬉しい1着。S級残留に向け、首の皮一枚繋がった。
 「赤板めがけて主導権を取っていく作戦だったけど、風が強かったんで岡本君は苦しかったと思いますよ。後ろでもキツかったんだから、前はもっと苦しいと思う。出切ったあとはカマシ、まくりが来るんで巧く対応できるかどうかだったけど、8番(竹内優也)に行かれてしまう感じだったから早めに踏んでしまいました。今日は岡本君のおかげ。同じ南関地区でお客さんの声援が大きかったから凄く嬉しかった。展開の良さを生かしきれているんで、調子は良いと思います。まだS級残留を諦めていないし頑張ります」


<5R>
 地元勢の今シリーズ初勝利は富澤洋祐となった。5レースはジャンから先行した山賀雅仁を利し、富澤がキッチリと追い込んだ。
 「前を残してラインで決めたかったですね。後ろも付いてきていると思っていたけど、遠藤(勝行)さんは内をすくわれていたし。風が強いし、バックは流れないから先行選手はキツいと思う」


<6R>
三ツ石康洋選手
三ツ石康洋選手
   6レースは巧く中団を確保した三ツ石康洋(写真)がバックまくりを決めて快勝した。
 「(前にいた)橋本(強)君より先に踏んで外をかぶせるのも悪いし気を遣った。でも、橋本君が2コーナーから行くと思ったけど仕掛けなかったし、鈴木(謙太郎)君がきていたから思いっ切り踏みました。今日は長い距離を踏んでいないし、調子はよく分からないね」


<7R>
 7レースはジャンでカマした志村太賀の番手に旭啓介がはまり、落ち着いて追い込んで1勝を挙げた。
 「恵まれました。今日は風が強かったけど、あの状態からスピードを乗せ切ってしまえば先行してもいいかなと思っていた。でも、まだ距離が長過ぎましたね。あれで志村君に合わせて突っ張っていればカッコいいんですけどね。番手にはまったけど、志村君は横を見ながら何度も振ってきたんで出られなかった」


<8R>
大木雅也選手
大木雅也選手
   8レースは松崎伊佐央に乗って地元の大木雅也(写真)が番手から有利に追い込み、両者でワンー・ツーフィニッシュ。
 「すんなりの番手回りだったし、今日は展開に恵まれました。2コーナーで岡田(征陽)君がまくってくるのが見えたし、落ち着いて仕事もできました。脚は軽いので状態は良いと思います」
 中団取りからまくった岡田征陽が3着に入った。
 「すんなり中団に入ったのに、思ったより車が出なかった。もう少し上積みが欲しいけど、勝ち上がれたのは良かった。明日はイメージを変えて走ります」


<9R>
 ここからは特選競走。レースのグレードと一緒にスピード、激しさも増していった。9レースはジャンからカマした稲垣裕之が五十嵐力を叩いて主導権を奪い、濱口高彰を振り切って堂々の逃げ切り勝ち。
 「今日は作戦は決めずに、流れの中で仕掛けられるポイントがあれば行こうと思っていた。濱口さんは敵に回すと手強いけど、見方となれば心強いですからね。安心して駆けられました。今日は風が強かったし、仕掛けるときに山を上る感じだったからキツかったけど、出切ってラインで決められたから良かった」
 濱口高彰は稲垣の強さに舌を巻く。
 「決して抜かなかった訳ではないですよ。稲垣君が強かった。藤原君も後ろでしっかりと内を閉めていてくれたしね」
 3着の藤原憲征は「もう少し伸びが欲しいですね。濱口さんは仕事をして脚を使っているし、自分はただ内を閉めていただけだからね。前の二人が強かったですよ」。
 五十嵐力は重たいバンクに苦しんだ。
 「(稲垣を)突っ張るつもりだった。でも、出切ってからスタンディングをしているときに重たくて突っ張れないと思ったから下げました。中団に入ったけども重たくて車が出なかった」


<10R>
志智俊夫選手
志智俊夫選手
   10レースは入れ替わりの激しい展開となったが、脚を溜めた岡部芳幸が渾身のまくりで決着を付けた。
 「吉田(敏洋)と峠(祐介)で踏み合ってたから後ろも一杯だった。それにしても入れ替わりの激しいレースだったね。休む所が全くなかったもん。志智(俊夫)に止められてもいいからどこまで行けるか一か八か踏んだ感じ。4コーナーまで我慢して山おろしをかければ行けると思っていたから、そこまでは必死で踏みました」
 吉田の番手から志智俊夫(写真)が抜け出して2着に。
 「一旦、吉田君は中団に入ったけど、緩んだら行くと言っていたから出るだろうと思っていた。岡部さんが来ていたのは気付いていたのに止められなかった。自分にテクニックがあればね。浜口さんに教えてもらいます」
 3着には斎藤登志信が入った。
 「岡部さんは3コーナーで止まったと思ったんだけど、そこからまた加速していった」


<11R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   11レースは人気を集めた石橋慎太郎、新田康仁、飯田辰哉の南関3車で上位を独占。藤野義高に競り込まれた新田康仁だったが、ダッシュ戦で決着を付ると、離れながらも懸命に前を追い、はかったようにゴール寸前で石橋を交わした。
 「外にいたから藤野さんには何とか勝てると思っていたけど、他にも牧(剛央)の飛び付きがあるからね。今日は緊張したし楽なレースではなかったよ。最後はやっと抜けた感じだったけど、1着が取れたしホッとしました」
 石橋慎太郎(写真)は検車場に戻るなりドッカリと腰を落とした。
 「脚は軽かったけど、あれだけモガいたから苦しい。今日のレースで4日間のパワーを全て使ってしまった感じです。こんなレースでは4日間体力が持ちませんよ。今日はもの凄い練習をした感じです」
 飯田辰哉もしっかりと新田をマークして3着をキープした。
 「今日はカマす作戦だったから離れないようにそれだけ注意していました。競りで前が離れたけど、新田君は脚があるし大丈夫だと思っていましたよ」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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