『伊東競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:11月15日
伊東温泉競輪場開設58周年記念が開幕した。温暖な伊豆地方だが、今日は午後から小雨に見舞われ肌寒いコンディションとなった。だがバンク内は、そんな空模様を吹き飛ばすかのような好レースの連続。明日の「いで湯賞」に駒を進めた井上昌己らV候補たちが火花を散らした。
明日(16日)も先着1,008名様には最終レースの三連単車券を一枚ずつ(100円券)プレゼント。ペア宿泊券などが当たるスピードくじも配布しています。ふるってご来場ください。
<1R>
朝イチ、1番車の
森田康嗣
が、最近の不調を払拭する鋭いまくりで1着をゲットした。前回、前々回を体調不良で棒に振っただけに、ここで巻き返したいところ。
「もう体調が全く違う。千葉記念の時とは雲泥の差ですよ。今日は早めに仕掛ければラインの三人で決まると思って踏みました。どちらにしても、伊藤君が緩んだタイミングで行くつもりでしたけどね」
2着に突っ込んだ
加倉高廣
はS級残留に望みをつなぐ初日クリアとなった。
「調子は良いけど、展開がね…。今日もちょうど被ってしまったんで厳しかったんだけど、良くしのげたと思う。(S級の点数には)まだ足りてないと思うけど、勝ち上がれたから明日以降に勝負をかけられます。頑張りますよ」
<3R>
田中孝彦選手
田中孝彦(写真)
が中川司の援護を受けて堂々の逃げ切り勝ち。大得意のバンクで初日白星を挙げた。
「前回から間が空いていたけど、新人訓練とかがあってやりたい練習ができた訳じゃないんです。その割には踏めたかな。勝てたのも嬉しいけど、何よりラインで上位を独占できて良かった。自分なりにいいレースができたと思います」
<4R>
竹内公亮選手
人気の中心となった
竹内公亮(写真)
が鮮やかな中団まくりを決めた。本人も納得の手応え。明日からの戦いに明るい材料を得たようだ。
「ここ2カ月ぐらいは自力中心のレースに戻しているんです。6月ぐらいにヤケクソでイン粘りをしてみたんですけど、逆にそれがキッカケになって吹っ切れた感じ。今回は練習でもかなり良かったんですよ。でも、反省点はいくつかありますね。最終ホームで車間が詰まったときに行ってればラインの人も連れ込めたはず。その辺をもう少し積極的に行かないとね」
<5R>
人気を集めた地元ラインは後方に置かれてしまい絶体絶命。
岡村潤
はまくり追い込みで何とか2着に食い込んだが、細川秀勝との連係を決められず唇を噛む。
「早めに動いていくつもりだったんですけどね。どっかりまくりに構える訳にいかないし。何とか気持ちだけで勝ち上がれました。最近は遠乗りばかりしていたので、その分、外にへばり付いていても耐えられたんだと思います」
逃げた佐々木弘美の番手から抜け出した
佐藤幸博
が1着。実はこの二人、相性は抜群だった。
「もう何回も連係してるけど、ほとんど僕が1着を取らせてもらってますよ。A級から戻ってきたとき、点数がなくて苦しんでいたとき、佐々木君の番手で1着を取ってから流れが変わったんです。今日も本当に良く行ってくれました」
<6R>
井上辰也選手
松阪記念で果敢な先行を見せて注目を集めていた松坂洋平を相手に、
廣川泰昭
が奇襲とも言うべき突っ張り先行。結局、松坂は一度も主導権を握れなかった。廣川は「今日は7割方(突っ張りを)考えてました。それでも無理に出ようとするなら番手に飛び付いてたとおもいますけどね。もう脚がパンパン。出し切りました」。
1着は
井上辰也(写真)
だ。最終バックで車間を空けるなど最大限の援護を見せたが、4コーナーで内をすくわれかけた。
「(4コーナーで)インを空けたつもりは全くなかったから、内から来られてビックリしました。ハンドルがブレて危なかったけど、脚に余裕があったから何とか立て直せた。それにしても廣川君が突っ張るとはね。向こうのラインは競りだったし、カマシぐらいはあるかと思ってたけど」
<7R>
湊崎裕次選手
湊崎裕次(写真)
が狙い澄ましたまくりで快勝。西尾芳樹も続いて九州勢がワンツーを決める。
「踏み出した瞬間に行けると思いました。もちろん前がもつれたのもあるんですけどね。しっかり練習できているし、調整もうまくいったので楽しみだったんですが、初日から成果が出てくれると励みになります」
先行した
菊谷信一
は3着に粘り込んで二次予選Aに駒を進めた。
「湊崎さんのまくりに気が付くのが遅れましたね。自分でも持っていくぐらいの気持ちで走っていたんですけど…。333バンクでの先行は得意なので、明日も強気に攻めます」
<8R>
金山栄治選手
天田裕輝のチャレンジを受けた
金山栄治(写真)
だが、さすがの貫禄で他のラインを完封。青板過ぎから飛び出して押し切る横綱相撲を披露した。
「赤井さんは早めに行くことはないし、天田君を出させないようにすれば、自分が踏む必要はないんです。しっかり内にも詰められたし、まあ良かったですね。それにしてもこの1着は大きい。最近、良くなかったですからね。その割に人気になってたから、発走前はドキドキしてました(苦笑)」
<9R>
紫原政文選手
藤田竜矢と石橋慎太郎が激しく先陣争いを繰り広げたが、この勝負を冷静に見ていた井上昌己が一気にまくった。井上に続いた
紫原政文(写真)
は新田康仁に飛び付かれそうになったが、何とかこらえて2着。ホッと胸をなで下ろす。
「あそこ(最終3コーナー)が勝負所ですからね。(井上)昌己はスピードが違ったから、新田がオレのところに飛び付いてくるだろうと思って構えてました。キッチリ付けてれば飛び付かれることもなかったんだろうけど、踏み出しでちょっとだけ間が空いてしまったのが…」
石橋慎太郎
は渋い表情。同期の藤田を相手に難しい戦いを強いられた。
「僕がスタートを取ったら、ああいう展開になりますよね。この組み合わせでもう一回走ったとしても、同じになると思いますよ。藤田さんがスピードに乗る前に行くしかないと思っていたし、あれでまくられるのは力不足ということ。今日は井上さんが強かった」
ラインを組んだ
新田康仁
も「今日は仕方ないでしょう。どっちにしても、僕がまくりを止められるかどうかの勝負になっていたと思います。昌己のスピードが良すぎて飛び付けませんでした」
<10R>
有賀高士選手
波乱のレースとなった10R。
武井大介
が主導権を握る意外な展開となった。
「仕掛けたときは、インを斬って金子さんを出させるつもりだったんですけど、一歩目が思ったより良い感じだったので、勢いを殺したくないからそのまま駆けちゃいました。今日は細切れ戦だったから、なかなか作戦もまとまらなかったんですよ。本当に久しぶりの先行だったから、『4コーナーではズッポリ行かれてるのかな』と思ってたんですけど、意外に踏めてましたね。このまま踏めば面白いかなと調子に乗って内を空けたのが失敗でした」
勝った
有賀高士(写真)
は「僕が勝つにはあれしかなかった。先行屋はなかなか内を空けないから、あのままで4、5着かなと思ってたんだけど、自在の武井君だから空けたんでしょう。バナナダイエットがうまくいってるおかげですね(笑)」
手島慶介
からは好調宣言が飛び出した。
「武井が逃げるとは思いませんでしたよ。佐藤朋也を出させて、その三番手から勝負と思ってたんですけどね。でも、あの展開で2着だから状態は良いと思います。久しぶりに、顔見せに出て行った時に脚が軽く感じました」
<11R>
稲村成浩選手
渡邉晴智選手
栗田雅也が渾身の先行で渡邉晴智をグングン引っ張る。坂本健太郎、村上義弘と別線は完全にタイミングを逸し、このまま渡邉が地元で快勝と思われた瞬間、三番手から
稲村成浩(写真)
が強襲した。
「栗田が早めに行ったからツキバテするような感じもあったんですけど、うまくペダリングでごまかせましたね。晴智さんが仕事してたし、僕は脚を溜めていただけなんでセンターから踏んだら伸びただけです。直線で接触して止まりかけたけど、余裕があった分、もう一伸びできました」
1着は逃した
渡邉晴智(写真)
だが、「僕の脚がなかっただけです。苦しかったですよ。稲村さんの方が脚はあるんだし、差されたのは仕方がない。栗田も早く行った分、どんどんタレちゃいましたしね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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