『東日本大震災被災地支援競輪 伊東競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:12月10日
 本日(10日)、静岡県・伊東温泉競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設61周年記念「椿賞争奪戦奪戦」(GIII)が開幕いたしました。序盤戦から、若手機動型のスピード戦が繰り広げられる中、静岡勢が全員勝ち上がるなど地元の活躍が目立つ初日でもありました。メインの特選はそれぞれ、大塚健一郎選手、川村晃司選手、小林大介選手が1着と好スタートを切りました。2日目のメインは優秀「いで湯賞」です。残念ながらGP出場を逃した村上博幸選手は久々の9番車でのレースとなります。好調選手の激突、二次予選も含めて注目のレースが続くのでお見逃しないように。
 2日目も本場にご来場いただいたファン先着1500名様にスピードくじを配布、初日同様に市内ホテルペア宿泊券(A賞)が当たります。先着1008名様には最終レースの2車単車券(100円券)をプレゼント、ちなみに初日最終レースの2車単配当は2000円でした。場内イベントは初日に引き続きミカリン広場において、情熱サーカス大道芸人「タカシェンカ」ジャグリングショー(5・8R発売中)、専門記者による予想会・競輪トークショー、競輪学校の女子生徒紹介と盛りだくさんです。2日目も伊東温泉競輪場でお楽しみ下さいませ。
晴れ間ものぞかせた今日の伊東バンク
晴れ間ものぞかせた今日の伊東バンク
<1R>
金田健一郎選手
金田健一郎選手
 山田久徳がカマして主導権を握ると金田健一郎(写真)が差し脚伸ばし1着。ベテランの一差しで今開催はスタートした。
「(山田久徳が)強かった。作戦は前以外だったんですけどね(苦笑)。出た時に流すと思ったら、ダダダッと踏んでいったから、やばいと思って、一瞬口が開いてしまいましたよ。きつかったね。でも、このスピードで来られたのなら終わりだなと思ってました。後ろを見る余裕はなかったです。あんなにいってくれたし、最後は抜いたと思ったら、3番(小川祐司)がすごいスピードで来ていましたね。(1着は)良かったですよ。でも朝一はこたえるね(苦笑)」
 先行した山田久徳は3着で「ここに来る前の練習の調子は良かったんですよ。(勝ち上がりは)良かったです」
 7番手になるも目を直線で猛烈に伸びてきた小川祐司が2着。
「2周でスピードが上がらないまま叩かれて、これでは全然脚を使わせてないなと思いました。1番(山田久徳)がいった上をまた行こうと思ったんですけど、いけなかったです。作戦ミスで、失敗ですね。でも余裕はありましたよ。もう少しスピードが出ると思ったんですけどね」

<2R>
田中孝彦選手
田中孝彦選手
 静岡勢一番手の登場となった田中孝彦(写真)が捲りで1着、望月紀男とともに二次予選へ進出を決める。1着の田中は「最後は一杯でしたね。なんだか脚が重かったです。本当は突っ張ることも考えたんですけど、重くてバックを踏んでしまって。そこからはコーナーで休んでから捲りにいきました。(望月と一次予選突破は)良かったと思います」。
 望月紀男(3着)は「(田中)孝彦のタイミングで行ってくれれば良かったし、スタートだけ中団からで、あとは任せていましたよ。6番(鷲田佳史)の調子が良さそうだったし、苦しかったけどまずは良かったです。感じは楽でしたし、大丈夫ですね」
 主導権を握ったのは近畿勢。4回転の鷲田佳史は敗れたものの見せ場十分(7着)。
「今日は4回転で先行したかったんです。まだ要領を掴めていないから、けっこう踏んでしまいましたね。もっとペースでいければ良かったんですけど、点数がないから焦ってしまって。でも4回転は良いですね。悪かったら楢原(由将)君にもいかれていると思いますから」
 鷲田マークの木本賢二が2着。
「仕事をしないでもいけると思ったくらいに(鷲田が)強かったです。車間も切りたかったんですけどね…」

<3R>
富澤洋祐選手
富澤洋祐選手
 根田空史のパワー先行が炸裂!番手の富澤洋祐(写真)が差し切り地元記念で価値ある1勝。
「良かったです。とにかく根田(空史)が強かった!もう何もすることがなかったくらいでしたから。(相手が)来そうなところを全部踏み直していたし、なんだか一人でタイムトライアルでもやっているのかなという感じで(笑)。今日は寒くて、バンクも重いのにやっぱり強かったです。というか、僕は強い時の根田しか知らないので、今の成績がちょっと信じられなかったんですけどね。途中きつかったけど、残り半周くらいから余裕はありました。まずは準決勝まで勝ち上がれるように、頑張りたいですね」
 持ち味の先行勝負で根田空史は2着、南関ワンツー決着。
「しんどかった…。寒いし、重いし。抑えようと思ったけど、中団で(古川功二が)見てソワソワしていたので、抑えて脚を使いたくなかったし、一気にいきました。きつかったです。道中で少し流したんですけど、どんどん脚に来る感じがしてました。4コーナーを回る前には、もう脚が残っていなくて回らなかったですよ(苦笑)」
 捲り不発になった古川功二は9着大敗。
「ああなってしまっては…前の内にいないと話にならなかったですね」

<4R>
平石浩之選手
平石浩之選手
 河端朋之と小原太樹の同期が牽制し合う中、古屋琢晶が一気の仕掛けで主導権を奪取し、マークの平石浩之(写真)が1着。
「どうなるんだろうと思っていましたよ。でも古屋(琢晶)君はいつも先行してくれるので、本当にありがたかったです。バック、3コーナーと流れていたし、後ろで小原(太樹)君が浮いているのも見えていました。でも海野(敦男)さんに入られてしまったのが…。(1着は)嬉しいし、良かったと思います」
 関東3番手の高橋京治が2着に入線。
「自分にとっては良い展開になりましたね。前の2人に任せていたし、あとはかぶった時にどうするか。最後は前が垂れてきた分、届きましたね」
 好機を逃さず先行した古屋琢晶は3着。
「踏み合っていたし、どうなるのかと思っていました。でも、とにかく遅れないようにだけして、踏んでいきました。動けているので悪くはないですけど、いつも3着が多いんですよね。弱かったです。また明日、頑張ります」
 最後は内を突いて迫るも海野敦男は4着まで。
「(小原は)きつかったと思うけど、出が良くなかったですね。いつもの感じではなかったです。4着…明日また頑張ります」
 小原太樹は好位置に入るも8着大敗に終わる。
「付いていてそのままいっちゃって…92にしたのは影響なかったですけど、いつもなら出るんですけどね。明日から頑張ります」

<5R>
阿部大樹選手
阿部大樹選手
 内に切れ込んだ阿部大樹(写真)が3番手奪取から捲って1着突破。
「ジャンで踏もうとしたら踏んできたから、ウワーッと思って悩んでしまいました。4番手も考えたけど、それでは山田(庸平)と並走になってしまうし、並走になったら山田には勝てませんからね。それで3番手にいったら、うまくあいていてラッキーでした。強い人(山田)を7番手におこうとしたんですけどね。全部が予想外になりました。1着取れたのは良かったですけど、展開に恵まれただけだし、上がりタイムが10秒2では…ギアをちょっと考えようと思います」
山田庸平も捲りで阿部を追う形で2着。
「もう少しタテに動きたかったんですけどね。後ろがあいていたのも分かったし、あいていないなら前か阿部(大樹)のところにいくしかないと。阿部の捲りは止まると思って、付いていかなかったんですけど、踏み直していましたね」
山田マークの神開将暢が3着。
「山田(庸平)はいろいろ出来ますしね。引かれて7番手だったらきつかったですけどね。感じは悪くないし、徐々に上がっていくと思います」

<6R>
稲毛健太選手
稲毛健太選手
 ここは稲毛健太(写真)のワンマンショー。先行態勢に入ると、そのままラインでの上位独占を演出した。
「バンクは重く感じませんでしたよ。今日はややこしくせず、長い距離を踏もうと思っていました。ここに来る前にロードレーサーですけど、長い距離を乗ってきましたしね。フレームを変えたら京王閣で全然ダメだったので、戻したのも良かったです。まずは準決勝までいけるように、明日も頑張ります」
稲毛マークの大井啓世が2着。
「(稲毛が)強かったですね。それに後ろが付いていけるように、ゆっくりいってくれましたし。ゴールした後に、稲毛が振り返ってニコッとしてきたので、そんな余裕がまだあるのかと思いましたよ…(笑)」

<7R>
中井達郎選手
中井達郎選手
 前検日に「初日につまずく訳にはいかない」と気合い入っていた中井達郎(写真)。田中晴基の番手から差し切って1着、プレッシャーから解放されて笑顔を見せる。
「1番車だったし、いろいろ策が取れると思っていて、考えていた作戦の中でも一番良い展開になりましたね。昨日の前検日に乗ろうと思っていたら雨で乗れなかったんですけど、今朝乗ったら、自分の弱点でもあるバランスがすごく良くなっていました。2カ月前からずっとトレーニングをしていて、ここ最近は前回も決勝に乗れていて軽い感触もあったんですよ。今日は静岡勢が勝っていましたし、この1勝で気持ちがすごく楽になりましたね(笑)」
 中団から捲る展開となった田中晴基が2着。
「あんなにすんなり行くとは思っていませんでしたね。出てからはきつかったんですけど、前も一杯だったので良かったです。きつかったのは風があったのもあると思います。ラインで上に上がれたのは良かったですね」

<8R>
早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 後方から一気に前団を叩いた早坂秀悟(写真)。番手に片岡迪之が入る展開も凌いで、逃げ切りを果たす。
「4番の片岡(迪之)君が後ろに入ったのは分かっていましたよ。ああなったら、もう片岡君が踏んで来たのに合わせていく、それしかないですから。あの位置から目一杯いく展開になったけど、いかないで後悔するよりも、いった方が良いし、それでもし負けたとしたら、それは自分が弱いだけですから。また明日、頑張ります」。囲まれた報道陣から「強い!」と声をかけられるも、「いや、まだまだですよ!」
 早坂秀悟の番手に入った片岡迪之が2着。
「佐藤(亙)さんがフタをもっとして、そこをペースでいこうと思っていたんですけど、切りに来ましたね。合わせようとも思っていたんですけど、踏んでいたので。これでは7番手かと思っていたら粘っていたので、行けるチャンスがあると思って、いけるところまでいこうと踏んでいきました。合わせられたんですけど…番手があいていたので入りました。抜群のタイミングで仕掛けていったんですけどね」
 早坂マークの伊藤大志(4着)は検車場に戻るなり大の字に倒れ込む。
「とにかく強かったし、一杯でした。苦しかった…。これはギアも上げていかないとダメだ。強すぎる…」

<9R>
大塚健一郎☆選手
大塚健一郎選手
 ここから初日特選。4回転の渡邉一成が先行する流れになるも、その3番手にスイッチした大塚健一郎(写真)が直線で伸びて1着入線。
「(坂本)健太郎のおかげですね。四日市はギアを落としてダメだったし、グランプリも出場できなかったけど、今回はとにかく気持ちの上でも攻めようと思っていました。それでギアも変えずに85でいきました。まだしっくり来ていないし、これからも試行錯誤はしていきますけど、全ては来年もっと強くなるためですね」
 渡邉一成マークの内藤宣彦が2着、渡邉の強さに目を丸くする。
「4回転なのに、(渡邉は)すごいダッシュでした…。あんなの、あいつしか出来ないでしょうね。ビックリしましたし、最後は一杯でしたよ。きつかったですが、いつもは構えてしまっているので、余計なことをしないでいったのも良かったです」
 一気の仕掛けで先行態勢を築いた渡邉一成は3着で優秀戦進出を決める。
「金子(貴志)さんに見つからないように行こうと思ったら、中団が上がっていったので。全開で踏んで、出られたのでビックリする部分もありましたよ。4回転は踏んでスピードが上がっていけば、維持するのは楽ですね。競輪祭後は自転車に乗らずにウエイトをやっていたので、今日は心肺機能がちょっときつかったです」
 北ラインの3番手だった渡邊秀明は連係離れ6着。
「きつかった…これはもうギアを上げないとダメですね。地元なのに、恥ずかしかったです…」
 8着の金子貴志は「(渡邉)一成が引いてきた時は、最高!と思ったんですけど、あんな展開になるとは思わなかったです。普通に3番手に入れるのかなと甘い考えで、完全に見てしまいました」

<10R>
川村晃司選手
川村晃司選手
 先行は坂本貴史で、後続はややもつれる形となるが、態勢を立て直した川村晃司(写真)が豪快な捲りで一閃。検車場で観戦していた選手からも「強い」の声が。
「後ろからの組み立ても考えていましたよ。やらかしたと一瞬思ったんですけど、何とか仕掛けられて良かったです。ラインで決まったのも大きいですね。後ろのおかげですよ。調子も悪くないですし、ここは相性が良いですね。明日も頑張ります」
 川村マークの村上博幸が2着。道中は厳しい流れになるも、判断力が光った。
「何とかなるなという気持ちの余裕はありましたよ。内に進むようならきつかったですけどね。1回ごちゃついてバックも入ったんですけど、(番手を)取り切れたし、連結が戻って良かったです。(川村は)なんかサーッと周回みたいに踏んでいきましたね。今年はずっとやりたいこととやらなくてはならないことがマッチしていなくて。(SSパンツを脱いで)一走目は大事だし、気合いが入っていました。前のフレームも悪くはなかったけど、フレームも変えて感じは良いですね」
 近畿ラインに必死に食らいついた坂上樹大が3着に入る。
「前の2人は脚が違いますね、強い、強い…。(村上)博幸がよく判断して頑張ってくれたのが良かったです。昨日よりは良いけどきつかったし、何より今日は展開がきつかったです。(ラインで決まったのは)良かったです」
 岡本潤マークの村本大輔(7着)は「坂本(貴史)君が先行するのは読めていたんですけどね。ちょっと中途半端になってしまいましたね」

<11R>
小林大介選手
小林大介選手
 最終レースは飯野祐太と永井清史が激しく火花を散らす。これで展開が向いた小林大介(写真)が近況のギアアップの力も借りて捲りで1着。
「333は相性が良いですね。仕掛けの位置とかも良かったと思いますが、感触はあんまり良くなかったです。(渡邉)晴智さんと並んで、最後は一杯でした。でもそこから我慢できているのは、大ギアのいいところかもしれないですね。1着を取れているので悪くはないと思いますけど。明日も自力で頑張ります」
 目標の飯野が永井清史に叩かれて厳しい展開になるもマークの渡邉晴智は巧みに切り替えて2着。
「(小林を)抜いたと思ったんですけど、抜けなかったですね…。重かったです。みんなに助けられているからこそ着があるので、今日は1着が取りたかったです。苦しかったし、見てもらった通りですね。明日も白戸(淳太郎)君に任せてもらったし、頑張ります」
 渡邉晴智を追走した白戸淳太郎が3着。
「早くゴール来い!と思ったのに、4コーナーからゴールが長かったですね(苦笑)。踏み出しは重かったですけど、そのあとは大丈夫でした。内にもいたし、ビビッて踏めるかなと思ったけど、いきました。きつかったけど、展開にも恵まれましたね。晴智のおかげです。これは大きいですよ」
 敗れた中部勢。先行した永井清史(9着)は「競りは気にしていなかったんですけど、ちょっと流しすぎてしまいましたね。それがいけなかったです。調子的には問題ないと思います」。
 マークの加藤慎平(7着)は「永井(清史)もほぼ2周を全開で先行しましたからね。大ちゃん(小林大介)に捲られてしまったけど、先行屋ありきの追い込み屋なので、今日は競り勝っただけですよ。あの展開では厳しかったです」
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