『東日本大震災被災地支援競輪 伊東競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:12月13日

 本日(13日)、静岡県・伊東温泉競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設61周年記念「椿賞争奪戦」(GIII)決勝が開催されました。決勝は飯野祐太選手が宣言通りの主導権取りを敢行、番手有利にレースを運んだ渡邉一成選手が捲りを打って優勝を果たしました。これで2度目の記念制覇、今後も競輪とオリンピックイヤーを迎える自転車競技、双方での活躍が大いに期待されますね!
決勝戦 レース経過
 号砲で静岡両者が飛び出して、誘導以下、岡村潤-渡邉晴智-白戸淳太郎、市田佳寿浩-村上博幸、飯野祐太-渡邉一成-内藤宣彦、加藤慎平で周回を重ねる。青板を過ぎたあたりから飯野が徐々に上昇を開始すると、前団を叩いていく。北日本ラインが主導権を握って、加藤が4番手、市田が5番手、岡村は7番手で赤板を通過し一本棒の展開となる。飯野はハイペースで先行して、そのままの態勢でジャン、最終ホームを通過。最終ホーム過ぎに市田が捲り発進すると、渡邉は合わせて番手から発進していく。渡邉が先頭でバック線を過ぎると、市田は加藤を交わして矢継ぎ早に内藤の内に潜り込み、岡村も捲り追い込みで徐々に迫って直線を迎える。だが渡邉のスピードは落ちず、そのまま一気にゴール線を駆け抜けて優勝、2着に市田、3着に村上が入線した。

渡邉一成選手
渡邉一成選手
 盤石だった北の連係!番手から渡邉一成が捲りで押し切り優勝!
「今日は(飯野)祐太の頑張りに尽きますよ、もうそれしかないです。祐太の気持ちがこのレースの中で一番強かったですし、勝因はそこです。後輩冥利につきますね。叩いてからのスピードもずっと上がりっぱなしでしたし、ホームまでスピードが上がっていたので、これはもう後ろからは来られないなと思っていました。落ち着いて車間も開けて、そこで誘ったら来たので、合わせていきました。全部、見えていましたけど、ゴール線を通過するまでは優勝かどうかは分からなかったので、必死でした。でも気持ちに応えるためにも全開でいきましたよ。最後はあけてしまって、内藤(宣彦)さんには申し訳なかったです。競輪祭の時にもう少し良かったら良かったんですけど、今回、優勝できたのは嬉しいですね。明日から19日まで合宿ですし、そのあとは年末まではないので体を休めて、来年も頑張りたいと思います」

 4回転で自在戦に打って出た市田佳寿浩だが惜しくも準優勝。
「6番(飯野祐太)の先行とは決め付けていなかったけど、ファンの方が作戦というか、そういう走りだと思っているオッズでしたね。決め付けてはいなかったので、ノープランでいきました。ノープランは作戦に縛られないという利点もあるしね。それに(村上)博幸もいることだし、何とかしたいとは思っていました。でもギアはもう少しかけたほうが良かったのかな。思い切りがもう少し欲しかったですね」

 市田マークの村上博幸が追走の3着、今開催は大いに収穫があったようだ。
「今日は市田(佳寿浩)さんの後ろで勉強させてもらったんですけど、やっぱりすごいですね。あの倍数をかけているのに、反応もいいですし。自分も余裕はあったんですけど、最後は突っ込むコースがなかったのが…。内が開いているのか、開いてないのかも分からなかったですし。でも感触は良かったし、今回はフレームも戻して、いけそうかなという気持ちもありましたし、次(佐世保記念)に向けて、また頑張ります」

 北日本3番手を固めた内藤宣彦だったが警戒した市田の攻めの前に4着。
「難しくなかったですよ、ただすんなり付いていけなかった俺が弱いだけです。市田(佳寿浩)は中途半端な選手じゃないから、絶対に上がってくるだろうと思っていたので、一番の脅威でした。う~んという感じですね…。今開催は毎日ハコだったのでね、(優出は)前が頑張ってくれたおかげです」

 南関勢の先頭を任された岡村潤は捲り追い込むも5着まで。
「前受けから突っ張るか、粘るかのどちらかと思っていましたが、両方出来ていなかったので、どうしようもないですね。早くに抑えに来るなと思ってはいたんですけど、自分の中でワンテンポ遅く来るのかなというのがあって。あれを突っ張ると、共倒れにもなってしまいますし、飛びつく気持ちで踏もうと思ったんですけど、それもさせてもらえませんでした。ああいう並びだと、やっぱり難しかったですね。ホームでもいけたと思うんですけど、ちょっと今日の展開ではギアが足りませんでしたね」

 その岡村マークの渡邉晴智は6着、今後に向けて気合いを入れ直す。
「前受けからということで。自力-自力で並ぶと、どうしてもああなってしまう。連日、ちょっと重たかったので、ギアは下げたんですけどね。今日は上げていた方が良いレースにはなりましたが、そこは仕方ないですね。でも毎日、後ろを固めてくれた白戸(淳太郎)とかラインのおかげで決勝に乗れたので、これを機に練習をもう一回気合い入れて、脚を作っていきたいです。今はギアをかけているから、流れに乗れているだけですけど、また次に繋がる開催だったし、ラインの大切さを改めて感じました。全てラインです。また頑張りたいですね」

 南関3番手を回った白戸淳太郎が7着。
「あの展開では…。岡村(潤)君も前受けから前々だったんですけど、僕も考えていたのは赤板前の2周半くらい前から仕掛けてくると思っていたので、半周早かったですね。僕も後ろ付いていて何も出来なかったので、地元勢に申し訳なかったですね。飯野(祐太)君に完敗です。今のレースは終始離れ気味になっていたので、きつかったです」

 単騎戦だった加藤慎平は8着で今年のラストレースを終わる。
「完全に(先行の)匂いがしていたので、(北日本ラインの後ろを)初手にしていました。踏み出した時に市田(佳寿浩)さんが来て…真剣勝負だから結果は仕方ないです。今開催を終わってみて、明るい材料しかないと思うので、また一から来年に向けてですね。(来年は)元旦からなんですよ、地元なので頑張ります」

渡邉一成の優勝に貢献した飯野祐太(9着)。
「はい、今日は先行と決めてました。自分はちょっと垂れてきてしまいましたね。内藤(宣彦)さんが3着まで入れるようならもっと良かったんですけど、ちょっと自分の脚がなかったです。まずは出切ることだけ考えていましたし、一杯になってしまったので、最後は(渡邉)一成さんに行ってくれと思っていました。収穫はあったので、また次は頑張ります」

ゴール
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