『伊東競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:12月17日
 伊東競輪開設62周年記念「椿賞争奪戦」は12月17日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦が最終第11レースで争われ、人気を集めた長塚智広が最終3コーナーからの番手まくりで快勝。次走のKEIRINグランプリ2012に大きな弾みをつけた。
決勝戦 レース経過
 やや見合ったスタートになったが、まず阿竹智史、筒井敦史の瀬戸内コンビが誘導員を追う。これで周回は阿竹―筒井―新田康仁―園田匠―小岩大介―矢野昌彦―長塚智広―飯野祐太―内藤宣彦の並びで落ち着いた。
 青板の2コーナーから上昇した飯野は赤板前で矢野を受けて3番手を確保。単騎の新田が内を空けると、園田がすくって5番手に収まる。引いて8番手に置かれる形になった阿竹は打鐘前2コーナーから早めの巻き返しを見せるが、2センターで飯野のけん制にあって不発。この動きで内が空くと、園田はさらに車を上げ、ホームから飯野と3番手を激しく争う。これで前団がモツれると、待ってましたの新田が1コーナーまくり。好回転で前団に迫るが、すんなり矢野の番手を回った長塚に気づかれてしまう。長塚は初日と同じ轍は踏まないとばかりにバックから番手まくりを打つと後続を振り切って優勝。2着には新田、3着には園田との併走をしのいだ飯野が入線した。


長塚智広選手
長塚智広選手
 長塚智広(写真)がSS班の貫禄を示した。目標の矢野昌彦が赤板から逃げて、これ以上ない絶好の流れ。新田康仁のまくりに合わせて、番手からシビアに踏み込み、人気に応えた。
 「本当に矢野君が一生懸命頑張ってくれて、矢野君を残せればと思ったんですが、自分の力がなくて…。新田さんのまくりのスピードが良かったんで、2車だし止められないかなと思って、(番手から)出て行く反応をしました。(今シリーズは)2日目に本命に応えられなくて申し訳なかったんですが、準決勝、決勝と勝つことが出来て嬉しいです」
 今年4度目の記念制覇。最高のムードで年末の大一番を迎えられる。
 「グランプリは、昨年は失格をしてしまったので、まずは失格をしないように頭のシミュレーションをして、ゴールまで走れるように頑張ります」

 単騎の新田康仁は後方から一気のまくりで前団に迫ったが、長塚の壁は厚かった。
 「踏み遅れて矢野君ラインの3番手にスイッチできなかったのが全てですね。そこから落ち着いて態勢を立て直して思いっきり踏んだんですが、番手は長塚君ですから。地元で優勝しか狙っていなかったので、悔しいですけど、ベストは尽くしました」

 飯野祐太は突っ張り先行の準決とは一転して、3番手を狙う組み立てだった。
 「狙いどおりの走りはできました。あとはタイミングを取って仕掛けようと思っていたんですけどね。やっぱり33なので、追い上げたり、内から来る選手はいますね。何とかしのげたと思います。最後は新田さんとハウスしてしまいました」

 園田匠は内に包まれ、持ち味を出せずに終わった。
 「判断ミスです。前が流したときに内に差し込んでしまい、引くに引けなくなってしまいました」

 矢野昌彦は初日特選同様、SS班の前で迷いのない先行勝負に出た。
 「飯野君がどう動くかでしたけど、すんなり出させてもらえました。あとはマイペースで踏んでいけましたが、新田さんのスピードも良かったので仕方ないですね」

 阿竹智史は打鐘前から一気に巻き返したが、外に浮いて後退した。
 「飯野君がもう少し抵抗すると思ったんですけどね。後方になってしまったので、仕掛けました。ペースが上がっていたし、33で外に浮くと厳しいですね」


ゴール
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