決勝戦 レース経過 | |
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号砲が鳴ると北の2人が飛び出し菅田壱道が誘導の後ろに入る。菅田―内藤宣彦、深谷知広―柴崎淳、脇本雄太―村上義弘、郡司浩平―和田真久留―渡邉晴智で並んだ。 周回が進み青板手前から郡司が早めに上昇していくと、バックで誘導を下ろして先頭に立つ。車を下げた菅田は中団にこだわり4番手に収まり、脇本は引いて6番手で深谷は8番手。郡司は後ろを警戒したのち、赤板から全開でフカして逃げる。打鐘が入り、郡司が決死の先行で飛ばしていくと、ホームから脇本が反撃を開始。すると、和田が1センターから番手まくりを敢行した。脇本がジリジリと迫り両者で踏み合うなか、深谷が後方から襲い掛かる。脇本は2センターで力尽きるが、その外を深谷が猛然と迫ると、勢いそのまま直線外を踏み切って鋭く突き抜けた。粘った和田、渡邉の南関勢がそれぞれ2、3着となる。
今年は長いスランプに苦しんだ深谷知広(写真)だが、今回の優勝でようやく光が差し込んできた。5年連続のグランプリ進出を逃し、今年初優勝も10月大垣記念と例年になく遅くなった。それでも今回のようなスピードさえ発揮できれば、トップクラスでもなかなか太刀打ちできないのは誰もが知っている。 「いやー、もうちょっと前にいたかったんですけどね。ちょっと迷った部分もありました。それでも柴崎さんがまくれば勝てるって言ってくれてましたし。ワッキー(脇本)がいってくれて展開も向きました。かなりハイペースでしたけど、このタイミングしかなかったです」 競輪祭後には体を壊したが、それが良い方向にも向いた。準決勝後には「直前も良い練習ができました。明日もしっかりと自分の走りをします」と自信も回復していた。そして決勝でも自分の走りができた。 「とりあえず来年はG1の優勝をするだけ」 平成の怪物がここ伊東から完全復活の狼煙をあげた。 万全の態勢で和田真久留の記念初優勝はすぐ手が届くところにあった。しかし深谷のまくりによって優勝は泡と消えた。 「(深谷を)最後は見ちゃいました。仕掛けは焦らずいけたし、脇本さんを引き付けながら上手く出て行けたと思ったんですけど。(深谷の)あれはもうしょうがないですね。半分叩き合いのような形でのまくりにもなりましたし。優勝したかったです」 伊東記念初優勝を狙った地元の渡邉晴智は3着に。それでも納得の表情でレースを振り返った。 「強いですね、深谷が。すごいですよ。いやー、強い。それでも前の2人の気持ちはすごい嬉しかったです。一番嬉しい3着ですね。良い若手も出てきてますし、南関の結束も見せられたんで満足です」 グランプリ前最後のレースとなった村上義弘は6着に終わった。 「脇本が真っ向勝負でいってくれたんで。結果いききれなかったのは向こうの方が上だったってことです。現状は前検とかでいった通りです。もっと車券に貢献したかったです」 脇本雄太は競輪祭のあとワールドカップに参戦と、連戦続きだったが持てる力は出し切った。 「村上さんとワンツー決めるレースをするには、あそこでいくしかないですよね。郡司も丸々1周半駆けてるし、様子を見すぎると深谷にまくりうたれるし。かぶる前にいくしかなかったです」 南関ラインの先導役を担った郡司浩平はシンガリ負けに。 「相手が強すぎました。やることはやりました。バックまでは持ちたかったんですけどね。ちょっと焦っちゃって。こればかりはしょうがないですね」 |