『静岡競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月24日

 静岡競輪場で開催された、開設67周年記念「たちあおい賞争奪戦」は、2月24日に最終日が行われた。決勝戦を制したのは、最終バックからまくった浅井康太。一昨年12月四日市以来、26回目の記念制覇を果たした。また、6レースで争われた「S級ブロックセブン」は、直線で外のコースを伸びた近藤保が優勝を飾った。

決勝戦 レース経過

 号砲と同時に佐藤慎太郎と浅井康太が飛び出すが、内枠を利した佐藤がスタートを取る。小松崎大地を迎え入れ北日本勢が前団。これに浅井-志智俊夫の中部勢が続き、単騎の鈴木竜士。渡邉雄太-郡司浩平-岡村潤-松坂洋平の南関カルテットが後ろ攻めとなった。
 赤板前の2センターから渡邉率いる南関勢がゆっくりと上昇。赤板で小松崎に並びかけると、小松崎はすんなり車を下げた。浅井は動きを見せず、渡邉-郡司-岡村-松坂、小松崎-佐藤、浅井-志智、鈴木の一本棒で打鐘を通過。残り1周の4角で小松崎がスパート。小松崎は前団に迫るが、再三にわたり郡司にブロックされて出切れない。すると満を持していた浅井が最終2角を立ち直ったところから仕掛ける。浅井は好スピードで南関勢に襲い掛かると、2センターでの郡司のブロックを余裕で乗り越え完全Vを達成。浅井に続いた志智が2着で中部ワンツー。郡司は渡邉を交わして懸命に踏み込むも合わせ切れず3着まで。


浅井康太選手
浅井康太選手

 3連勝で勝ち上がった浅井康太(写真)が、復活の優勝を飾った。赤板過ぎに主導権を握った南関勢に小松崎大地が反撃に出ると、隊列が短くなったところを最終バックから一気に飲み込んだ。
 「小松崎さんがあとツーテンポくらい遅ければ、自分で行こうとは思っていました。郡司が行き切るところで脚を使おうと思っていたんで。理論と練習をしっかりしているので、その結果が出たんだと思います」
 昨年は失格や落車が続き、鎖骨と肋骨を9本骨折。思い通りの結果が出せない時間も、自分自身としっかり向き合った。
 「むりやり走ったところもありましたけど、鎖骨を折って自分と向きあえたので、復帰戦の平(記念の初日特選)で1着が取れたんだと思う。間違ってなかったんだなと思いました」
 今回が一昨年12月四日市以来、26回目の記念V。今年は8年ぶりに赤のS班パンツを脱いだが、ここからの巻き返しを誓う。
 「ここに来る前から獲れるんじゃないかなって思っていたので、自分を信じれば良いのかなと思っていました。これで何かが変わったっていうよりも、これを機にもう一回何かが変われば良いですね。あとはGI、GIIで活躍できるのがベスト。今回はタイトルを獲った清水(裕友)君と対戦したいなと思っていたんですけど(欠場になったから)、次の玉野記念にはいると思うので勝ちたいですね」
 さらなるレベルアップを図り、年末の大舞台を目指す。

 浅井マークの志智俊夫が2着に続き、中部ワンツーが決まった。
 「ラインで決まって良かったです。(浅井を)抜いてやろうと思ったけど、全然抜けなかったですね。今年は地元の記念を優勝したい。でも、あれ(浅井)を抜かないといけないですかね(笑)。とにかく浅井君がすごかったです」

 小松崎を止めた郡司浩平だったが、中部コンビに飲み込まれて3着でゴールした。
 「(渡邉雄太の番手から)出ていくだけなら簡単だけど、今後(渡邉)雄太とは何度も連係があるし、全てやってから出るべきだと思っているので、やれることをやってからと思っていました。雄太の気持ちに応えるなら、出ていかないとダメでしたけど。(小松崎)大地さんを合わして、初日(特選)みたいな感じでしたね。その上をこられて同じミスをしてしまった。浅井さんのことは見えてなかったです」

 南関勢4車の先頭で風を切った地元の渡邉雄太は末を欠いて8着。
 「前半からフカし過ぎましたけど、一本棒にした方が郡司さんも(番手から)出やすいと思ったので。やるべきことはやったので、仕方ないです」

 最終ホームから仕掛けた小松崎大地は、郡司に合わされて9着に敗れた。
 「仕掛けるのはあのタイミングしかなかったですね。郡司が迷うようなところで並べないとチャンスはないと思っていたので。それで結果、浅井さんに展開が向いてしまったので、力が足りなかっただけです」







次回のグレードレースは、2月27日~3月1日まで奈良競輪場において奈良競輪開設69周年記念春日賞争覇戦(GIII)が開催されます。

オールラウンダー平原康多と松浦悠士、村上博幸のS班3名をはじめ、地元からは三谷竜生・将太・政史の3兄弟が揃って出場する今開催。
最終日第6レースはS級ブロックセブンもお楽しみに!
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