『静岡競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月5日

 静岡競輪場で開催されている開設69周年記念「たちあおい賞争奪戦(GIII)」は、2月5日に3日目を迎え、バンクでは熱戦が繰り広げられた。ファイナルをかけた準決では、S級S班の平原康多、清水裕友や地元の深谷知広が敗退するなか、郡司浩平が3連勝で優出を果たした。2月6日の最終日には、郡司、佐藤慎太郎のS級S班2人をはじめとした熾烈なバトルを勝ち抜いた9人による決勝が行われる。
 なお、静岡競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。予定されているイベント、ファンサービスなどは、都合により中止になる場合もありますのでご了承ください。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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諸橋愛選手
諸橋愛選手

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 4車の関東勢の先頭を務めた吉澤純平が切って出ると、その上を鈴木陸来が勢い良く飛び出して打鐘で主導権を握る。3番手に飛び付いた吉澤が、願ってもないポジションをキープする。7番手に置かれた清水は、前と空いた車間がなかなか詰らない。吉澤が最終2コーナーからまくって、田中晴基のけん制を乗り越える。吉澤、諸橋愛(写真)で逃げる鈴木をとらえて、諸橋が楽に交わした。
 「もうちょっと悪い展開を想定していたけど、結果的に(自分たちに)理想的な並びでした。あとはどこで鈴木君が来るかだった。鈴木君が思い切って行ってくれたんで、あとは3番手で(吉澤)純平が仕掛けてくれれば決まるかなと。僕は日に日に良くなってるし、風が強かったのも僕的には良かった。ラインが長いのが、清水君も難しくなってたんじゃないかと。練習はウソをつかないですね、練習だけやってたんでいい状態です」
 後方の清水のプレッシャーを感じながらも、吉澤純平(写真)は3番手まくりで諸橋とワンツー。うれしい誤算といえる好展開を振り返る。
 「あの順番ならしっかり切ってと。一番そうなるとは思ってなかったけど、、一番いい形になった。(最終)2コーナーじゃ清水君も来るっていうイメージをしていた。自分も2コーナーじゃ出なくても、出ていくしかないと。(田中)晴基も横に動いていたけど、なんとか乗り越えられて良かった。感触自体は初日より良くなっている」
 最終バックでも清水は前団との車間が空いたまま。小倉竜二は、2センターから内よりのコースを踏んで直線で強襲。3着に届いた。
 「(最終)ホームでは清水君も車間を空けすぎたのかなっていうのがある。いつもなら詰めていく感じだけど、いつもと違いましたね。そのあと自分はもう5、6(着)かなっていうのがあった。もう外(のコース)はないんで、内を狙ったら思った以上に空いた。最後は運ですね。(今回は)疲れが心配だったけど、日に日にマシになっている」

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荒井崇博選手
荒井崇博選手

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 単騎の村上義弘が赤板過ぎに切って出ると平原康多が続いて、前受けの深谷知広はすんなりと下げる。荒井崇博(写真)、伊藤旭は南関コンビを追走して、6番手の深谷が打鐘から反撃に出る。2番手で車間を切っていた平原も合わせて出るが、最終ホームで深谷が叩いて先行策。南関勢が出切ったところを荒井がすかさずまくる。後方から迫った小川真太郎とのハンドル投げのゴール勝負は、微差、退けた荒井が1着。
 「よくまくったね。あそこはぶっちゃけ狙ってた。流すところはあそこしかないから。3番手を平原と勝負するか、深谷の先行と勝負するかだった。隙だけを狙っていた。体力が残っていることを願いながら寝ます」
 最終ホームでは後方ながらも、小川真太郎(写真)が荒井を目標にまくりで強襲した。
 「風がめちゃくちゃ強いので、(最終)2コーナーのまくりを狙っていた。一番後ろになってもいいくらいの気持ちで脚をためていた。踏んでる感触が出ているし、ペダルを踏めているので調子はいい」
 それぞれ単騎だったにもかかわらず、伊藤旭は勝負どころでは荒井を追走。流れ込んで3着をキープして、記念の決勝に初めて進出した。
 「単騎だったので、落ち着いて(最終)2コーナーから行こうと思っていたところを荒井さんが仕掛けていった。それで付いていった。(記念は)二次予選も通過したことがなかったので、たまたまです。自分の力を出せずに決勝に乗ったので、今後は自分の力を出して決勝に乗りたい」

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郡司浩平選手
郡司浩平選手

浅井康太選手
浅井康太選手
 後方から切って出た浅井康太を、郡司浩平(写真)がじわりと押さえる。7番手まで下げた吉田昌司は、赤板2コーナーから巻き返す。関東3車が出切り、吉田が逃げる。郡司は4番手をキープする。最終1コーナーから浅井が踏み上げて、郡司も合わせるようにまくりを打つ。武井大介が遅れて、郡司、松谷秀幸で関東ラインをとらえて、浅井が続く。直線を迎えて松谷はいっぱい。郡司が1着で3連勝の優出。
 「流れのなかで最低限の位置は取って、あとは浅井さんが来る前に仕掛けようと。(浅井の)動きが気になってた。(最終)2コーナーくらいまで見えなかったんで、自分のタイミングで仕掛けました。踏み出してから、いい加速感でいけたんでいいと思います。自力を出しての1着だし、昨日(2日目)言ったように日に日に良くなってる」
 周回中、7番手からの組み立てを余儀なくされた浅井康太(写真)だったが、瞬時に頭を働かせて最終1コーナーから踏み上げる。郡司のまくりも織り込み済みで、冷静な判断で2着に伸びた。
 「芦澤(大輔)さんのスタートが早くて、出遅れたんで(周回中の並びは)想定外でした。でも、後方になった瞬間から、自分のなかで組み立てをしていた。郡司君の動きもセオリー通りで想定内だし、郡司君、吉田君の動きだけを見ていた。(7番手になって)郡司君が仕掛けてからだと遅れるんで、まず(自分が先に)踏んでと。それで郡司君が仕掛ければ、松谷さん、武井さんにからめにいけるんで。初日、2日目よりも、今日(3日目)の方が(体の状態が)良くて、昨日と今日のパフォーマンスは全然違った。(腰の)打撲みたいな痛みが取れたのが大きい」
 浅井マークの佐藤慎太郎は、直線で中のコースを踏んで3着。
 「(浅井に)任せる形だったし、厳しいメンバーのなかで良くしのげた。思ったよりも(過密スケジュールによる)脚のロスはないのかなと。レースのなかで保っていけてる。高いレベルで保てているのかなと思います」