『静岡競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月2日

 静岡競輪場で開催されている令和6年能登半島地震復興支援競輪・開設71周年記念「たちあおい賞争奪戦(GIII)」は、2月2日に2日目が行われた。二次予選では、地元のS級S班、深谷知広が初日特選から連勝を遂げた。また、深谷以外のS級S班、清水裕友、佐藤慎太郎の2人も順当に勝ち上がった。シリーズもいよいよ勝負どころ、2月3日の3日目には決勝進出をかけて準決で激しいバトルが展開される。
 記念シリーズは開催中の毎日、先着ファンサービス、伊藤勝也さん、坂本勉さん、鈴木誠さんによる本日のレース展望、後閑信一さんと店長トークショー、選手会静岡支部ブースなどが予定されています。また、2月3日の3日目には、「小島よしお」のお笑いライブ、ガールズグランプリに出場した地元の久米詩選手のスペシャルトークショーもあります。静岡競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

小林泰正選手
小林泰正選手
 藤井栄二が赤板過ぎに小林泰正(写真)を切って、山田諒が2コーナーで藤井を押さえる。渡口勝成は、山田の上を勢い良く叩いて打鐘で主導権を奪取。小林は8番手に置かれて、一本棒で最終周回へ。山田が4番手から2コーナーで仕掛けると、隅田洋介はタテに踏んで応戦。両者でモガき合う上を、小林が好回転でまくり上げる。4コーナーでは、中のコースを狙った浅井康太が接触して落車。隅田と山田をまとめてのみ込んだ小林が1着だった。
 「山田君が浅井さんを付けていたんで、もっとヤル気かなと思ってた。もっとペースが上がるだろうと思って、(赤板で)すんなり出させ過ぎちゃって焦りました。(組み立ては)改善の余地がありますね。(最終)ホームで行って、1センターでは(先頭まで)行けるなっていう手応えはありました。昨日(初日)より踏めてますね。体の感じが悪かったんで、同県の金子(真也)さんに体の使い方を教えてもらって良くなりました」
 小林の加速に、マークの神山拓弥は遅れ気味。前が団子状態となる中で、最終2センターから外を追いこんだ藤井栄二が2着に入った。
 「後ろからレースを動かしてと思ってました。ハイペースになるだろうから、立ち遅れないように前々にと。脚がなかなか整わなくて、仕掛けたかったんですけど行けなくて、周りとの脚の差を感じました。アクシデントがあってたまたま外を伸びたって感じです。ここ半年の中では上向いているなと練習で感じました。内容が良くないんで、結果と内容を求めていきたい」


<7R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 スタートけん制が入り、見合った後に諸橋愛が誘導を追って野口裕史ラインが前受けになる。誘導と車間を切った野口は、板垣昴の上昇を赤板で突っ張って出させない。板垣が車を下げると、伊藤颯馬がすかさず巻き返して打鐘過ぎに野口を叩く。野口は3番手に収まって最終ホームを通過。後方でじっと脚をためていた寺崎浩平(写真)は、2コーナー手前から一気に加速。怒とうの勢いでまくった寺崎は3コーナーで先頭に立ち、別線を置き去りにしてゴール線を駆け抜けた。
 「冷静に見ながらでしたけど、車間が空いてレースに立ち遅れたので、感じは良くない中でのまくりでした。長めのまくりで、出脚も浮わついてヤバいと思ったけど、(最終)バックでのみ込めるかなって。久々のまくりの感じは悪くない。風を切っていないし、手応えはないです。明日(3日目)以降、乗り方が定まっていないので乗る位置を修正したい」
 中井太祐は、寺崎に車間が空きながらもなんとか追走して2着。
 「(寺崎に)全部任せていました。僕が付いていけるかどうかだったので。すごい強かったです。置いていかれないように必死でしたけど、ワンツーが決まって良かった。連日、前が強くて、そのおかげ」


<8R>

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 前受けの松井宏佑(写真)が、早めから誘導と車間を切って後続の出方をうかがう。鈴木薫は赤板で松井を切り、東矢圭吾の上昇を突っ張って出させない。東矢が引くと、松井がすかさず進撃を開始。打鐘手前から踏み上げて、最終ホームで鈴木を叩き切る。ライン3車できれいに出切って、別線の巻き返しは苦しい。マークの簗田一輝がゴール前で詰め寄ったが、松井は力強く踏み直して逃げ切りを決めた。
 「8、9割で踏んで行って、自分が残れるように脚を残す感じで鈴木君を叩き切れた。もうちょっと踏み直せるかなと思ったし、イマイチでしたね。違和感があるし、見ての通りで調子は良くないです。落車する前は調子が良かったし、そこと比べちゃうと差を感じますね。でも、力は出し切れている。1人でも多くの南関勢を勝ち上がらせるのが僕の仕事だと思う。南関全体でいいムードですね。まだ自転車もしっくりこないですね。サドルの感じが良くないので、セッティングをいじります」
 松井の踏み出しをしのいだ簗田一輝は、ゴール前で抜きにかかるも1車輪及ばず2着。
 「スタートを我慢しても前は取らされると思ってました。(松井のダッシュに)緊張しましたね。出切ってから(最終)バックぐらいで余裕があったんで、抜けるかなと思った。けど、松井さんの方が余裕がありましたね。踏み直しがすごかった。昨日(初日)よりも状態はいい。競走になると体が敏感になるので、違和感のあるところとか、体の使い方の良くないところに気づけました」


<9R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 周回中に5番手の郡司浩平(写真)が、赤板で纐纈洸翔を切って吉田昌司ラインを受ける。関東勢を追った河端朋之が、打鐘からカマして主導権を奪う。5番手のポジショニングでタイミングを計った郡司は、最終2コーナーから車を持ち出す。河端の抵抗を2センターでねじ伏せた郡司が押し切って勝利。南関勢上位独占で人気に応え、実力を示した。
 「後方に置かれて、河端さんのカマシになる展開には気を付けていました。(初手は)7番手を避けられる並びでと。勝負できる位置にはいられた。(最終)バックくらいで行き切るイメージだったけど、河端さんの掛かりが良くて出切るのが遅くなった。前回ほどの良さはないけど、微調整でなんとかなりそうです。(練習を)全日本選抜に向けてやっていて、追い込むよりも1本、1本集中してやっている。疲れが残る感じではない」
 岡村潤が郡司に続いて、地元記念の準決へとコマを進めた。
 「結構掛かっていたところをまくっちゃうんですもんね。いつでも行けそうにタイミングを取っていて、ドンピシャで行ってくれました。すごいきれいな加速で付きやすかったけど(抜ける感じは)全然です。(ラインで)ワンツースリーまで決まって良かった。このクラスは脚が違うので、抜くのは二の次なので(追走に)集中」


<10R>

高橋晋也選手
高橋晋也選手
 赤板で合わせ気味に踏んだ福永大智を、高橋晋也(写真)が1センターで押さえて先頭に立つ。村田祐樹が打鐘過ぎに高橋を叩くと、長田龍拳も巻き返す。村田と、長田の主導権争いは長引き、高橋は隊列の短くなった5番手から最終2センターで外に持ち出す。村田に踏み勝った長田の番手から渡邉雅也が伸びるが、高橋はさらに外をのみ込んで突き抜けた。
 「中団からと思ってたので、ある程度想定通りでした。切って、村田君を待って、遅かったら突っ張ろうとも思ってました。(村田と長田の踏み合いは)想定内ではあったけど、自分の脚の状態が想定外でした。(最終)バックからコーナーを目掛けて行きたかったけど、脚がたまらなかった。動いているし、飛び付くのに脚を使い過ぎたかな。(佐藤)慎太郎さんの技術なら、内も来れたと思うけど、外を踏んでくれた。それで自分も伸び切れて1着だった」
 佐藤慎太郎は、直線で高橋の外のコースを踏んで2着。ラインの仲間との勝ち上がりを考えたコース取りだった。
 「アタマまで行ければ良かったですけどね。体感的には良いタイムが出てたと思うし、タイム次第だね。内か、外かのどっちかだったけど、(高橋)晋也のことを考えると外かなと。内を踏めば別線のコースを潰せたけど。二次予選の中でもキツいところに入ったし、よくしのいだなってところです」


<11R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 後ろ攻めから林昌幸が動き出すと、坂本貴史が3番手から動いて赤板でインを切る。林は内の別線の気配を気にしつつ、打鐘で叩いて主導権を握る。坂本は3番手の連佛康浩の位置に飛び付く。林がハイペースで駆けていくなか、6番手の松岡篤哉が最終ホームで仕掛けて前に迫る。清水裕友(写真)はバックで番手から出ながら、松岡をブロック。浮かされた松岡が斜行して内に戻ると、後続が接触。4車落車のアクシデントが起こる。先頭の清水と、2番手以降は大きく車間が空いて、清水が押し切った。
 「南(潤)君(ライン)の後ろから行く感じだった。(坂本が3番手にいたのは)わかっていました。あとは、南君か、松岡さんで、仕掛けが見えたけど、基本的には(番手から)出たくなくてギリギリまで引き付けた。(林は)いい形で先行はしやすくなったんで。コーナーで来ていたらやりようがあったけど、バックの直線で難しかった。(感触は)落車もあったしわからないですね。悪くはないですね。腰は今回は大丈夫」
 立ち遅れた南潤は8番手。落車を外に避けてから追い込んで2着に入ったが、反省点は多い。
 「(清水の後ろがもつれるのは)想定内でした。坂本さんと連佛さんがからんでいて、松岡さんが先に行ったけど、(松岡が)行けない感じなら(その上を)行こうと思っていた。まくればいいのに、(仕掛けずに)見てしまう。(もつれていたのは)自分は関係ないところなのに。ただ付いて行っただけの2着。もうちょっと考えます。清水さんと勝負できる脚があればいいけど、今回、急に上がるわけではないし、そこを考えて走ります」


<12R>

深谷知広選手
深谷知広選手
 赤板過ぎに長谷部龍一が切ると、受けた渡邉雄太は3番手の位置に下げる。中部勢を追った中川誠一郎は、渡邉の外に浮いて仕掛けをちゅうちょしてしまう。渡邉は隙を逃さずに、3番手から仕掛けて打鐘で一気に主導権を奪う。中川は6番手に入り直して、その後ろは濱田浩司と、佐々木堅次で併走。最終2コーナー手前で仕掛けた中川のスピードがいいが、察知した深谷知広(写真)が3コーナーで大きく外に張ってブロック。これで大きく空いた内のコースを、中川後位を取り切っていた佐々木が踏んで先頭に躍り出る。深谷は態勢を立て直して再度前に踏み込むと、ゴール前で佐々木を差し返した。
 「(渡邉が)行くのが早くて、そこは想定外でした。踏み直していたし大丈夫だと思ったんですけど、それ以上に(中川)誠一郎さんのまくりが迫ってきていた。自分が追いかけ過ぎて内に入られたのは反省点です。(佐々木にすくわれたあとも)脚の余裕はあったので、思いっきり抜き返すよりは、じわじわ踏んでいけば(渡邉)雄太を残せると思った。体調は悪くないけど、連日ラインに助けられている。自分もその中で役割を果たせるようにしたい」
 佐々木堅次は深谷に差し返されて2着。
 「渡邉雄太君たちの後ろからと思ってました。ジャン前のところでかぶっちゃったんですけど、中川さんが構えていたので、これは一発行くのかなと思ってその後ろで粘りました。本当は前を切りに行きたかったんですけど。昨日(初日)は疲れでキツかったけど、今日は疲れは感じなかった。でも、動きは悪いです」