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『静岡競輪開設57周年記念（GIII）レポート』　初日編

配信日：2月4日

　豪華メンバーが勢揃いした静岡競輪場開設57周年記念「たちあおい賞争奪戦（GIII）」が今日（4日）から開幕。
　注目の初日特選は伏見俊昭、海老根恵太、山崎芳仁と言ったSS班が順当に勝ち星をあげる中、地元勢も渡邉晴智、新田康仁、村本大輔が優秀戦へと駒を進めました。
　なお、明日（5日）も先着入場2000名様にハッピーターンが配られるほか、大浜友美子さんによる歌謡ショー（4、8R発売中）やスピーチーズのライブステージ（5、9R発売中）など、豪華イベントが目白押し。さらにオリジナルグッズが当たる「らっき～か～ど」が10R発売中にゴール前で配布されますのでこちらの方もお楽しみに。

＜１Ｒ＞

　オープニングレースを制したのは須藤雄太。辻力を内に閉じ込めると、最終バックからまくり、直線で突き抜けた。
　「踏み出す前から脚がニュートラルに入っていたし、伸びる予感はありました。辻さんとの併走も覚悟していたし、今日は思い通りの展開だったので、落ち着いてレースも見えていました。脚の具合も最近にはないくらい、軽い感触でしたよ」

＜２Ｒ＞

中村敏之輔選手

　最終ホーム7番手から仕掛けた中村敏之輔（写真）が先行した上吹越直樹を豪快にまくり切り、番手の坂本勉と1着同着で勝ち上がりを決めた。
　「まくり切れる自信があったので、打鐘で無理せず後方まで車を下げました。踏み出しのタイミングもバッチリだったし、脚の感触も良かった。坂本さんには差されても2着に残れる確信はありました。記念の勝ち上がりはこれが初めて。本当に嬉しいです」
　 1着を分け合った坂本勉も「中村は強いね。僕が考えた作戦通りではなかっかったし、後方になった時はヒヤッとしたけど中村があれだけ強いのなら僕の取りこし苦労。結果オーライだね。二人で決められて良かったですよ」と中村を褒めちぎる。

＜３Ｒ＞

　鈴木裕が最終ホームからカマシ先行で風を切ると、直線でも後続を振り切り、そのまま押し切った。
　「力まず脚を回すペース配分って言うのを課題にしてきたけど、今日は思い通りの走り方ができたし、その分、最後まで踏みきれたのかな。風も感じなかったし脚も軽かったですよ。今回は初めての記念なので、とにかく全国中に僕の名前と競走スタイルを売り出したい。明日も勝って、とにかく上位の選手と対戦して力の差を肌で感じてみたいですね」

＜４Ｒ＞

　逃げた永田修一が上原龍にまくられると永田後位の國村洋が2Cで自ら踏み込み直線で外を強襲。ゴール寸前で突き抜けた。
　「上原君の巻き返しが思いのほか早かったし、バックではずっと内か外かで迷っていたけど、あのまま行ったら僕もコースが無くなってしまうので、マークを外して外に踏ませてもらいました。最後は必死でした。『交わしたらインタビュー』と考えながら目一杯踏みました（笑）。今日は急きょハンドルを交換したので、明日までにまた少し微調整をします」

＜５Ｒ＞

高橋隆太選手

　佐藤幸治が先行すると、番手の高橋隆太（写真）が直線で抜け出し、初の地元記念を白星スタートで飾った。
「本当に久し振りの1着なのでうれしいですよ。これで自分にも周りの地元勢にも弾みをつけることができましたね。佐藤君は本当に強かったし、（望月）紀男さんもきっちり内をしめてくれていた。三宅さんのまくりも来なかったので僕だけ何も仕事せずに勝たせてもらった感じです。番手の競走は不慣れなので、少し早めに踏んだけど、思いのほか車が出ましたね。これをきっかけに今後も追い込みスタイルを身につけて行きたいと思います」

＜６Ｒ＞

関根幸夫選手

　筒井裕哉と小島雅章がやり合う展開となったところを、最終バックで垣外中勝哉がまくると、追走した関根幸夫（写真）が直線で交わし1着。2車単17870円と波乱の結末となった。
　「最終バックで仕掛けようと思った瞬間に、ちょうど前の垣外中君が行ってくれたので、上手くそこについていけました。競輪は展開。こんなに恵まれることってあるんですね。昨年暮れから、落車やインフルエンザなど踏んだり蹴ったりだったけど、ようやくいい思いが出来ました。これだけ記者さんに囲まれるのは気持ちいいですね」
　筒井ライン3番手から、自らまくりを打った垣外中勝哉も2着で二次予選Aへ。
　「筒井君の後ろに関東ラインがはまってしまい、後方になってしまったので、筒井君には申し訳ないけど自分で行かせてもらいました。ニュートラルの状態から踏み出したので、車は良く進んでくれましたね」
　後続が競りで離れても孤軍奮闘を見せた筒井裕哉だが、直線で力尽き8着。
　「先頭に立ってからも、後ろにはまっている小島さんに合わせる事だけを考えていたら、まさか垣外中さんが来るなんて…。そこまでは対応できませんよ」

＜７Ｒ＞

廣川泰昭選手

　巧に中団を確保した廣川泰昭（写真）が最終バックからまくり快勝。レース後は喜びを爆発させる。
　「選抜だし緊張したけど、いい結果が出せましたね。大塚さんが結構踏んでくれていたので、余裕をもってスピードに乗せられた。どこからでもまくり切れる手応えはありました。前走のびわこからフレームとセッティングを変えたけど、いい感じにマッチしていますね。今回は調子も抜群だし、明日以降も頑張って何とか決勝に乗りたいですね」
　 7番手から渾身の強襲劇を見せた佐々木雄一だったが、廣川には届かず2着まで。
　「何度か車間が詰まったけど、下手に動いても廣川君に合わされると思い躊躇してしまった。仕掛けが遅れてしまい後ろには申し訳ないことをしました。車は伸びているし、脚は問題ないんですけどね」

＜８Ｒ＞

　中団から最終2角で踏み込んだ吉村和之が、先行した小松剛之との踏み合いを制し、1着をゲットした。
　「仕掛けが遅れると藤田に被ってしまうと思い早めに仕掛けたつもりだけど、全然ダメ。全く車が出ませんでした。おかげで3番手の選手にもブロックを食らうし、小松さんとも併走になってしまいました。最後は体重差で小松さんを何とか押し切ったって感じですけど、今日みたいに抜群の展開でこんなに苦戦していてはだめですよね。勝てたから良かったものの、この車の出では納得はできませんよ」
　初手で正攻法の小松剛之は押えに来た藤田大輔を出させず突っ張り先行を敢行。およそ1周半風を切りながら2着に粘る好気合いを見せた。
　「藤田君の押さえも甘かったので思い切って突っ張りました。前に出てからは上手くペースで駆けられましたね。最終3角からは吉村君にかなり押し込まれて落車しそうになったけど、それをしのいで2着に粘れたのは価値がある。僕にとっては会心のレースとなりました。前回の小倉Sから、いいレースができているので、明日以降にもこの流れをつなげていきたいですね」

＜９Ｒ＞

伏見俊昭選手

　石橋慎太郎の先行に対し菊地圭尚が叩ききれずに終わると、番手の伏見俊昭（写真）が自ら踏み込みまくり快勝。34歳の誕生日を白星で飾った。
　「圭尚に任せた以上は、本当は出て行きたくなかったけど、あそこで躊躇したら小嶋さんのまくり頃になってしまうからね。自分で出るしかなかった。バックが向かい風だったし、石橋君もかなり気合いが入った先行だったので、きつかったですよ。圭尚には悪い事をしたね」
　石橋後位から懸命に北勢を追った村本大輔が3着に食い下がり優秀戦へと駒を進めた。
　「今日は慎太郎が強かった。自分が好きなように走れと言ってあったけど、先行して中団まくりの菊地君に合わせきるのだから、たいしたものですよ。僕も、その慎太郎になんとか付けきって、最後に交わせたのだから悪くはないはず。地元記念の初日で、きちんとしたレースができたのでホッとしています」
　果敢な先行策を見せた石橋慎太郎も表情でレースを振り返る。
　「力を出し切った上での5着だし、内容には満足。練習不足で不安はあったけど、自分の仕事は果たせたし、ある程度手応えもつかめた。和歌山記念の時よりは全然良いですよ」
　終始後方に置かれた小嶋敬二は見せ場なく7着に終わる。
　「最終ホームで離れたことが全て。前を追うだけで脚を使ってしまった。前団がもう少しもつれてくれればまくるチャンスもあっただろうけど、伏見にあのタイミングで出られたら、どうにもなりませんよね」

＜１０Ｒ＞

海老根恵太選手

　先行した篠原忍に対し、4番手の海老根恵太（写真）が最終2角から仕掛けると、豪快にまくりきった。
　「本当は初手で前か二段目が欲しかったけど、スタートで出遅れ位置取りに失敗。後ろ攻めになってしまいました。でも、自分が動いた結果、良い位置に入れましたね。今日は後ろが新田さんだったので、早めにむりやり仕掛けました。とにかくきつくって最後は一杯だったけど、自分で一度レースを動かした上での1着だし、良い競走はできたと思います」
　篠原後位から海老根後位に飛び付いた稲村成浩が新田を制して2着に食い込んだ。
　「本当は新田を飛ばして飛びつくつもりだったけど、新田が遅れ気味だった分、僕がはまるような形になりましたね。それにしても、今日は篠原が良い競走をしてくれた。初手で僕が前中団をとってあげていれば、篠原も仕掛けどころをもう少し遅くできたし、そうすればもう少し残せてあげられたのだろうね」
　 新田康仁は稲村に屈するも、懸命に粘り優秀戦への切符を死守した。
　「ブロックを受けた時に飛ばされないようにと踏んでいたら、前と詰まってしまい、タイミングが狂ってしまった。僕の未熟さが出てしまいましたね。でも、セッティングはしっくりきているし、状態は悪くありませんよ」

＜１１Ｒ＞

山崎芳仁選手

　最終ホーム5番手から仕掛けた山崎芳仁（写真）が桁違いのスピードでまくり切り1着。直前は風邪で練習不足と語っていたが、不安を一掃させるレースを見せ付けた。
　「反応も良かったし、踏んだ瞬間に車もスーっと出た。5日間練習できなかったので、自分自身でも不安はあったけど、逆に疲れが抜けて、身体が軽く感じ思ってた以上に走れたと思います。それにしても全開で1周踏んだので、さすがにキツイですね。明日の優秀戦は南関勢とガップリの組み合わせだけど、二分戦は展開がシンプルなので嫌いじゃないですよ」
　山崎に懸命に食い下がった渡邉晴智が2着を死守。レース後は山崎の強さにただただ舌を巻く。
　「山崎は強過ぎ！　あれは抜けないよ。特に出切ってからが凄い。グイグイ加速して行く感じですよ。僕の状態うんぬんよりも、山崎のデキが、前回の大宮とは比べ物にならないくらい良いね。その山崎に付け切ってワンツーを決められたのだから、今日は良しとします」
　最終バックで俊敏に渡邉後位に切り替えた加藤慎平が3着に食い込んだ。
　「上手く立ち回れたつもりだけど山崎が強すぎたね。ホームから踏んでいるのにバックからさらに加速して行きましたからね。全然前を抜ける気配がなかったですよ。ただ、僕も反応はできてるし、今回はデキがいいですよ」
　最終バック8番手から10．9の上がりタイムで強襲した園田匠だが、時すでに遅し。4着までが精一杯だった。
　「打鐘の位置取りがね…。脚を使ってでもシビアに3番手にこだわるべきでしたね。強い人相手に、その人の後ろからレースを進めたって、まくれるわけないんですからね。僕も伸びたけど、前が止まらないのだから勝負になりませんよね」

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情報提供：日刊プロスポーツ新聞社