『静岡競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:2月7日


 静岡競輪場で開催されていた開設57周年記念「たちあおい賞争奪戦(G3)」も4日間の日程を無事終了した。決勝戦は山崎芳仁や加藤慎平、石丸寛之といったSS班の強豪がそろったが、レースを制したのは地元勢だった。最終ホームから先行した新田康仁の番手から渡邉晴智が直線で抜け出し地元記念を初制覇。新田とのワンツー決着という最高の形で大会を締め括った。

決勝戦 レース経過
 新田康仁―渡邉晴智の地元コンビが前受け。菊地圭尚―山崎芳仁―稲村成浩の一番長いラインが続き、加藤慎平―山田裕仁の岐阜両者、単騎の園田匠、石丸寛之で落ち着き周回が進んでいく。
 赤板手前で園田が上昇したが、石丸はこれを追わず。新田は園田を入れて、車間をやや空けながら後続の出方を伺う。加藤は赤板から踏み上げ、山崎のアウトで菊地の番手勝負に出た。誘導を残したまま、園田、新田共に後ろを気にするが、打鐘が鳴っても菊地が動かないため、加藤はもう一車上げて渡邉後位まで追い上げる。これで菊地は内に詰まり仕掛けられず。最終ホームで腹をくくった新田がカマシ先行に出ると、渡邉、加藤で続いた。園田も飛び付きを試みるが、内併走が重く苦戦。石丸が二角渾身のまくりを打つが、三番手の加藤のアウトで一杯。直線で粘る新田を渡邉が差し切り歓喜の地元記念初制覇。強襲迫った加藤は3着までで新田が2着に逃げ粘り地元ワンツー。菊地を捨ててまくった山崎は届かずに終わった。


渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
 二段駆けも辞さない北日本勢から山崎芳仁に支持が集中する中、その劣勢を跳ね返したのはライン2車の地元勢だった。新田康仁が最終ホームから風を切ると、ゴール前で満を持して渡邉晴智が抜け出し地元両者のワンツー決着。常に静岡を牽引し続けた二人が、地元ファンの前で最高の結果を残した。
 「今日は『新田が全て』。それだけです。今までずっと一緒にやってきて、何度もあいつに助けられてきたけど、今日も一緒。レース前からあいつの気迫をヒシヒシと感じていたし、それを見て僕も感極まってしまっていました。だってこのメンバーの中で2車なのにあんな競走をしてくれるんですよ。特別を獲った時にも涙なんて出なかったのに、今日は思わずグッと来てしまいました。僕が常々競輪の理想と掲げているのが『先行と番手のワンツー』。それを地元ファンの前で見せられた事は、本当に嬉しいです」
 昨年は不本意な一年に終わった渡邉。それだけに地元記念制覇は今シーズンの巻き返しを大いに予感させるものとなった。
 「昨年のボロボロな状態を考えても、まさか地元記念が獲れるなんて思っていなかった。全ては新田をはじめ、前で頑張ってくれた南関の仲間のおかげ。お客さんも、今回は南関勢の結束力を再確認してくれたんじゃないですか。後ろを回る僕には、なかなか恩返しをする事ができないけど、本当に感謝しています。いつの日か、G1で今日と逆の形で新田とワンツーを決めたいですね」

 渡邉の優勝の立役者、新田康仁はワンツー決着に喜びを爆発させる。
 「別線も強敵そろい出し、最後の最後まで作戦が絞れなかったけど、先行はずっと頭にありました。それにしても晴智とワンツーを決められたのは最高だね。本当にいい開催になりました。去年は思うようなレースができなかったけど、これを足がかりに今年はG1タイトルを獲ってグランプリに出れるように頑張って行きたいですね」

 山崎芳仁に競りこみ、南関勢が駆けると見るやすかさず追い上げるなど、俊敏に立ち回った加藤慎平。3着の結果以上に内容のあるレースとなった。
 「自分が前を回ったレースとしては100点満点でしょ。山田さんに任されたことでいろいろ考えたけど、結果的には最高のタイミングで相手をかく乱できたと思います。今回は1カ月レース間隔が空いてちょっと不安な部分もあったけど、自分が思っている以上に身体の反応が良かった。このまま、王座戦やダービーにつなげていきますよ」

 人気の中心となった山崎芳仁は4着までが精一杯だった。
 「僕の位置が狙われるのは覚悟していたし、競り合いも考えてギアを下げた分、最後が伸びませんでした。(菊地)圭尚が山田(裕仁)さんにキメられ一杯になったので石丸さんに切り替えたけど、ギアが軽い分最後はスカスカでした。感覚的には大ギアなら届いていた気もするけど、これも競輪。仕方ないですね」

 菊地圭尚は、終始内に包まれ5着でレースを終える。
 「山崎さんからは、『もういい歳なんだし、自分が獲ることを考えて組み立てろ』と言われていたし、狙っていたんですけどね…。自分の位置を早くに取れなかったことが敗因。最後まで展開が読めませんでした。悔しいですね」

 真っ先にレースを動かした園田匠も南関勢を追いきれず7着。
 「本当は南関勢に付いていきたかったけど、2角で加藤さんに内にしめこまれて脚が一杯になってしまいました。平常心のつもりだったけど、緊張もあったのかな。でも、今回は練習の成果が出たし、次に繋がるレースになりました」

 単騎でまくった石丸寛之も直線で力尽き9着に沈んだ。
 「踏み出しの出は良かったんだけどね。前が予想外にすんなりの展開だったし、2Cくらいから脚色が鈍ってしまった。3.92のギアは感触は悪くなかったんだけどね…」


ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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